賢い人がなぜ決断を誤るのか?

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296000234

作品紹介・あらすじ

無意識のうちに判断をねじ曲げる「バイアス」と戦う方法

■何を買うか、どのように貯蓄するかなど、人の意思決定は必ずしも「合理的」ではなく、最適な選択をしないことも多い。同じことは、ビジネスの意思決定についても言えます。人は、経済学者が考えるような合理的な意思決定モデルには従わないので、しばしば失敗を犯します。しかも、ただの失敗ではありません。ランダムではなく、規則性があり、予測可能なミスをします。これは、「認知バイアス」と呼ばれるエラーです。
■人は他人のバイアスには気づけるが、自分のバイアスには気づきにくく、たいていの場合、自分のバイアスは克服できません。ですが、組織であれば、個々のメンバーが欠点を補いながら、バイアスの影響を最小限にとどめ、理性的な意思決定を下すことができます。
■本書は、数多くの失敗事例を通じて「認知バイアス」とは何かを解き明かすと同時に、バイアスと戦う方法を、世界最先端の組織が実践している「40のテクニック」を中心にわかりやすく解説します。
■ダニエル・カーネマン(『ファスト&スロー』著者)、アンジェラ・ダックワース(『グリット』著者)、アダム・グラント(『ORIGINALS』著者)らが激賞!

感想・レビュー・書評

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  • みんなで考えようということか?
    自分もだいぶいろいろなバイアスがかかっている。
    バイアスかヒューリスティク(直観的近道)かわからないこと多いと思う。

  • バイアスというものについて勉強しようと思い手に取った。「行動経済学を理解して、お金を吸い取られないようにしよう」という類の内容かと思いきや、「リーダーとして、また組織として、バイアスを意識すれば大いに力が発揮できる」という話であり、タイトルと内容がイメージと合わないと思った。しかし、リーダー論についての勉強もしていたので、そういう意味では非常に有意義な本と出会えてよかった。

  • ●人は経済学者が考えるような合理的な意思決定モデルには従わないのでミスを犯す。規則性があり予測可能なミスだ。これはバイアスと呼ばれるエラーだ。すでに他の人がおかしたのと同じミスを犯す。
    ● ①バイアスは人を道に迷わせるが、その方向はランダムではない。②バイアスに対処する方法は、バイアスを克服する方法ではない。③組織は個人のバイアスを克服できるが、それは偶然によるものではない。
    ●人は誰かからよくできた話を聞かされると、それを裏付ける要素を探し始める傾向があり、それらを探し当てる。自分では厳しい事実確認をしているつもりだが、事実から誤った結論を引き出すこともある。
    ●知性では確証バイアスを防げない。エコーチェンバー、フィルターバブル、そしてフェイクニュース。→ストーリーテリング・トラップ
    ●アップルが成功したのは、ジョブズが天才だったから?→帰属の誤り順番が逆。

  • ボリュームがあってなかなか読み切れなかったけども、良質でした。

    初めて借りたとき、図書館に2冊だけだったバイアス関連の本が数週間で3倍以上に増えていた。本屋でも平積みされているところをみるに、どうやら流行っているようだ。陰謀論やフェイクニュースが飛び交っている昨今だからだろう。
    認知バイアス重視が一過性のブームになってしまうのは良くないが、大勢の認識に上がるのは非常に重要で喜ぶべきことだと思う。

    90%以上の人が、あらゆるテーマ、例えば「運転のうまさ」などに関して、上位50%には入っていると思っている、という研究結果があるそう。
    いや~、まさに自分。運転に関してはSPD(スーパーペーパードライバー)なので下手なのは自覚しているが、他のテーマ、例えば記憶力がいいかどうかとか、手先が器用であるかどうかとか、「なんでも60%くらいはできる」と自負していたもんだから、もう、恥でしかない。
    自分の認知がどれだけ歪んでいるかを思い知らされた。
    良い学びを得ました。
    仲間を作り、組織で闘っていきましょう。

  • バイアスがかかることはやむなし。謙虚に努めよう。そしてそのバイアスを乗り越える意思決定をするためにも、組織構築をしっかりとする。
    とりあえず重大な判断は、一晩寝かせよう。

  • ボリュームもあり、すらすらと読める本ではありませんでしたが、組織が決断するにあたり、可能な限り、失敗しない決断をするためにはどうすべきか、の参考になりました。

    会議の中で、反対意見も忌憚なく言える状況を作り、多様的な意見に対し聞く耳を持つこと、特別でもなく、何ら奇をてらった方法でもありませんが、実際に会議の中で、大勢と異なる意見を述べることが簡単ではないことは、皆、体験していることだと思います。

    会議の在り方も、結局は組織のリーダー(会議の主催者)の考え方や力量次第のところがあるとの印象を受けました。
    組織のリーダーは、本書を読むと、意思決定のあり方について参考にある部分がたくさんあると思います。

  • 優れたリーダーが悪い意思決定を下すのはなぜか?合理的な判断を誤らせる原因となる様々な「バイアス」について、多くの事例を交え解説し、これらに対処するための考え方を示す書籍。

    私たちは魅力的なストーリーを聞かされると、それが合理的な話でなくても受け入れ、意思決定を誤ってしまう。この誤りは、持論を支持する情報に注目し、反証となる情報を無視しようとする「確証バイアス」によって引き起こされる。

    私たちは、成功したカリスマ経営者を模倣しようとする。(自分も天才であるというロジックが抜けている、ジョブズの真似をすれば成功できると思い込む件)
    一方、リスクに挑んだものの失敗した多くの人には目を向けない。これは、成功者にだけ焦点をあてる「生存者バイアス」によるものだが、単に成功者を真似ても業績はあげられない。

    私たちは、他者より自分を高く評価する「自信過剰」に陥りやすい。加えて、将来を楽観しがちである。とりわけ、自分でコントロールできないことの予測(経済予測など)や、事業の予算などの見積もりについては、楽観的になりやすい。(ブロックバスターがNetflixを過小評価したケースを自分なら回避できると思う件)

    環境の激変に直面した時、高収益の有力企業が方向転換できず、資源の再配分に失敗することは少なくない。その原因の1つは、意思決定を避け、現状維持を優先しようとする「現状維持バイアス」の影響を受けやすいことだ。(ポラロイドの組織変更に時間がかかって倒産した件)

    優れた意思決定をするには、次の3つの原則が必要である。(バイアスを客観的に眺めるために異なる意見が必要となる)
    ①対話:優れた意思決定には多様な視点が欠かせない。そのためには、適度な対立状態をつくることが必要だ。
    ②意見の相違:多様なアイデアを生むには、異なる考えを持つ人を歓迎し、時には波風が立つのも容認することが重要だ。
    ③組織の力学:意思決定においてオープンな対話を促すために、友好的な雰囲気をつくり、「発言する」文化を育てる。

  • 20221220

  • バイアスの全てがここに詰まっています!

  • よく聞くバイアスという単語
    知ってはいるが種類までは聞いたことがなかったので、そういった分類があるのだと新しい知識を得ることができた。

    全体を通して難しく読みにくい印象があったが、結局バイアスを個人が克服することはほぼ不可能であり、組織単位でのプロセス構築、環境整備などをしていくことで誤った決断をしないように防いでいくことが重要であるということがわかった。

    自分はメンバーレベルなので、組織を意識するポジションの人には分かるエピソードなのかもしれないと思いながら読んだ。そのうち私にできることは、「意見の発信をすることで他者へ多角的な視野、意見を提供すること」「他者の発言に耳を傾け、発言しやすい雰囲気を作ること」の2点に絞られると思う。

    また、個人単位では「勝手な判断をしない」「他者へ相談することで第三者の視点を得る」「自分もバイアスにかかっている可能性があると認識する」などが直ぐに実行できる点だと思う。

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