永守流 経営とお金の原則

著者 :
  • 日経BP
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784296000548

感想・レビュー・書評

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  • 研修の課題図書。歯にきぬ着せぬ物言いの印象が強く、論理より直感タイプの経営者かと思っていたので、本書の内容は意外だった。BS重視、キャッシュ重視、赤字は罪、重視するのはEPS・利益・売上高の順、CFOの役割、PMIがM&Aの8割を占める、など納得できるものであった。ただあとがきにあった後継者はつい最近降格されたばかり…。強すぎるリーダーシップとマイクロマネジメントは後継者育成、企業の持続可能性という観点では成功とは言えない。

  • 経営の全てのベースはお金。
    それに尽きる。
    経営でなくても人生の全てもお金だと感じる。
    もちろんお金が全てではなくお金それ以外のものも全て大事である。
    ただ先立つものがなければ生きてはいけない。
    そのことがひしひしと身に染みる一冊である。

    永森氏が1円単位でシビアに考えていることには驚いた。経費プロジェクトとM(購買)プロジェクトが走っておりまずすべての従業員がお金に関して常に視点を持つ事が重要になっている。

    私が新卒で入った会社は製造業で割とこのような経営に近かった。
    裏紙を使うのはアタリマエ、アスクルで数百円の購入をする際も全て上長の捺印許可を得てから実施をしていた。

    それが当たり前だと思っていたが今の会社は全くそんな事は無い。
    自分が必要だと思った消耗品はある程度自由裁量で購入できるし、裏紙を使うと言うより印刷自体をあまりしないためそこまで紙を使用することがない。
    ほぼ在宅ワークなのであまり会社の経費と言う概念もなくなってきた。

    製造業のファイナンス視点と、コンサル業のファイナンス視点は根本はもちろん一緒だがこだわる観点が違いそうだと感じた。

    視点は持たなければいけないし、なかなかその視点が持てていないため持つように努力したいと思うが、やっぱりそこまで考えたくないと思うのが正直なところ。

    ====
    ジャンル:経営戦略 ファイナンス
    出版社:日経BP
    定価:1,760円(税込)
    出版日:2022年01月08日

    ====
    永守重信(ながもり しげのぶ)
    1944年京都生まれ。職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)電気科卒業。
    73年、28歳で従業員3名の日本電産株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。
    80年代から国内外で積極的なM&A戦略を展開し、精密小型から超大型までのあらゆるモータとその周辺機器を網羅する「世界No.1の総合モーターメーカー」に育て上げた。
    代表取締役会長兼社長(CEO)、代表取締役会長(CEO)を経て、2021年より代表取締役会長。
    2014年、世界のすぐれたモータ研究者の顕彰と研究助成を目的とした公益財団法人永守財団を設立、理事長に就任。
    また18年には京都先端科学大学を運営する学校法人永守学園理事長に就任。ブランド主義と偏差値教育に偏った日本の大学教育の変革と、グローバルに通用する即戦力人材の輩出に情熱を燃やしている。
    著者に『「人を動かす人」になれ!』(三笠書房)、『情熱・熱意・執念の経営』(PHP研究所)、『成しとげる力』(サンマーク出版)、『人生をひらく』(PHP研究所)など。

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    flier要約
    https://www.flierinc.com/summary/3129

  • 日本電産の創業者・永守重信氏が、半世紀にわたる企業経営を通して会得した“経営とお金の原則”を披露。キャッシュの重要性から、取引先の見極め方、M&A成功の秘訣まで。実践的な知識やノウハウが、具体的なエピソードを交え語られる。

    序章 お金の戦略が必要だ――会社を絶対つぶさないために
    第1章 キャッシュこそ企業価値の源泉――コスト意識を鍛えよう
    第2章 会社を成長へ導く財務戦略――創業期に重視すべき指標とは
    第3章 創業時の資金の集め方――やっぱりお金から始まる
    第4章 金融機関とどう付き合うか――「取引は人なり」で活路
    第5章 取引先を見極める方法――その選択が会社の命運を分かつ
    第6章 チャレンジと財務バランス――持続的成長へ変化を恐れない
    第7章 いざ株式上場 規律の中で鍛える――問われる発信力
    第8章 M&Aをどう活用するか――永守流・勝利の方程式
    第9章 海外展開は飛躍のチャンス――リスク管理は分散から
    第10章 波乱の時代をどう乗り切るか

  • どれだけのお得意様でも 売上比率は20%まで等 理想論ではなく、過去の苦境から得た教訓は 身に染みる。

  • ベンチャー企業のトップには大いに役立ちそうな内容。銀行との付き合い方や、資金の集め方、取引先を見分ける方法、M&Aで買収するノウハウなどが、本音ベースで綴られている。ただ、普通のビジネスマンには、すぐに参考になるということはなさそうである。

  • 神は細部に宿る。隅々まで永守さんの声が聞こえてくる書籍だった。

  • 創業時は技術よりマーケティング
    金融機関へは情報をオープン 数字の裏付け
    16歳から株式投資 バランスシートを読む

    キャッシュが企業価値の全ての源泉
    赤字は罪 買収した赤字企業には「一円稟議」 
    コスト意識も世界一 世界一安い値段を知る

    ①井戸掘り経営  掘っても掘っても新しいものが出てくる
    ②家計簿経営   危機時には即対処 
    ③千切り経営   細かく刻んで考える 

    2030年10兆円 目標 めざすのは強い会社
    CCC Cash Conversion cycle 原料調達から資金回収までの期間の早さ

    日本電産 2000万円の自己資金でスタート 数か月分の運転資金
    鉄則「借りにくいところから借りろ」 相手を説得する材料
    経営3原則
     同族企業にはならない
     下請け企業にはならない
     インターナショナルな企業を目指す

    トップメーカーは必ず攻略しなければならない=自身の信念 
    顧客志向 ①ノーと言わない ②納期短縮 ③頻繁な訪問

    2019年「新50年計画」 売上高100兆円 時価総額100兆円 世界のトップ10

    M&A 67勝0敗 成長の50%をM&Aから
     成功の条件 ①高い価格で買わない ②ポリシー ③シナジー
    Made in market
     進出先に合わせた形態 地域分散 現地政府との関係 トップは現地の人
    連邦経営(グループ内競争)からグループ一体経営(全体最適化)へ

    ①ベンチャー経営者の資質
     大胆にして繊細 将来に夢 他人を信頼 仕事が好き 精神的若さ
     人心掌握と説得力 自己健康管理
    ②何でもする覚悟
    ③スペシャルマーケットを狙う
    ④技術よりマーケティング
    ⑤基本方針の反芻・確認
    ⑥財務ワーストケースを想定
    ⑦社員への数字感覚
    ⑧スカウトと調教
    ⑨コスト意識
    ⑩経営者の倫理

  • ■書名

    書名:永守流 経営とお金の原則
    著者:永守 重信 (著)

    ■感想

    TOPPOINTで読了。
    経営に関するお金の原則というものを記載した一冊。

    お金に関する部分は、基本的な当たり前のことをしっかりと実現している方なのかな?
    という印象です。(本当にそうなのかは知りません。)

    一番気になったのは、M&Aの部分です。
    3つの信念で、M&Aを繰り返しているようです。
    その信念も、「価格」「会社のポリシーに合うか」「シナジー効果があるか」という
    至極当然の視点を大事にしながら、M&Aを繰り返しているようです。
    恐らくM&Aを実施するほとんどの方は、こんなの当たり前でそれ以外にも色々考えて
    いるよという方ばかりな気はするので、この方も本に記載していない何かしらの判断
    基準は色々持っているのだと思う。
    そこら辺まで踏み込んであるとよかったな~と感じました。

  • 永守会長の平易な文章で書かれた経営エッセンスです。金融機関に勤める自分として参考になる点が多かったです。
    多くの後輩に一読することを勧めたいと思います。

  • 日本電産創業者の永守流の、財務に焦点を当てた経営論を述べられています。起業され、苦しいベンチャー時代を経験されたからこその重みのある考え方に、共感、感銘を受け、勉強させていただきました。夢や目標は自分のものですが、それに向かうためには、それを理解してくれる関係者が必要だということ、そのために必要な数値で示すなどの真摯な態度。社内に対しても同じ態度で号令を掛けなければならないこと。人を動かし、会社を成長させるための気付きがたくさん込められています。夢をどのように実現に近づけていくのかということ、実行してこられた著者だからこその説得力があります。

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著者プロフィール

永守重信(ながもりしげのぶ)
1944年、京都生まれ。職業訓練大学校(現・職業能力開発総合大学校)卒業。73年、28歳で従業員3名とともに日本電産株式会社を設立、代表取締役社長に就任(現在は会長)。あらゆる種類のモーターと周辺機器を扱う世界No.1の総合モーターメーカーに育て上げた。日本電産は現在、世界中に300社を超える関連会社を擁し、従業員約11万人(関連会社を含む)という巨大グループに発展している。2018年、京都にて大学及び幼稚園を運営する学校法人の理事長に就任。直ちに学校法人名を永守学園と改称し、運営する大学の改革に着手。19年、大学の名称を京都先端科学大学に変更。20年、同大学に工学部を開設。21年、法人合併により京都学園中学高等学校を傘下に収め、京都先端科学大学附属中学校高等学校とした。また22年、ビジネススクール(経営大学院)を開設するなど、世界で通用する即戦力人材の育成に情熱を注いでいる。著書に『成しとげる力』(サンマーク出版)、『永守流 経営とお金の原則』(日経BP)、『人生をひらく』(PHP研究所)、『大学で何を学ぶか』(小学館)などがある。

「2023年 『運をつかむ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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