- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784296115716
作品紹介・あらすじ
世界秩序を生み出した歴史的背景を理解できれば、中国、中東の問題点も見えてくる――。
21世紀の国際秩序のありようを、国際関係論の第一人者が歴史的な観点から読み解く。ロングセラー『外交』に匹敵する名著。
本書は、キッシンジャーの名著『国際秩序』(2016年刊)を上下に分けてビジネス人文庫化するもの。
下巻では、親中派と見なされているキッシンジャーが中国について厳しい評価を示し、アメリカがどのような大国であるべきかを論じる。
「いま、世界史をあらためて克明に学ぶことが、きわめて重要になっている。グローバリゼーションや、インターネットの普及で、従来は触れ合うことのなかった社会が密接に交流し、そこに複雑な状況が生まれている。そういうときこそ、過去に目を向け、歴史から教訓を得るべきだろう。
本書は、21世紀の国際秩序のありようを歴史的な観点から考察している。いわばキッシンジャーの「大世界史」だが、アメリカ政府で枢要の地位にあったキッシンジャーらしい視点が垣間見られるのも興味深い。また、21世紀の世界が誤った方向に進まないようにという著者の願いが、端々に感じられる。
現在の世界の状況を理解するには、歴史をよく学んで関連性を見定めていかなければならない。そんなふうに歴史の流れを汲みとるのに、『世界秩序』は最適の参考書である」(「訳者あとがき」より抜粋)
感想・レビュー・書評
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以下抜粋
・北朝鮮については、もっと緊迫した問題がある。それには19世紀のビスマルクの警句がぴたりとあてはまる。「われわれは不可解な時代に生きている。そこでは強者がためらいゆえに弱く、弱者が厚顔ゆえに強い」。
・「まったく異なるふたつの要素の産物で、他の地域であればこのふたつはたがいに争うことが多かったが、アメリカではなぜか合体することが可能で、すばらしい組み合わせになった。私はいうふたつとは信仰の精神と自由の精神である」と、トクヴィルは結論づけている。
・アメリカ人は倫理的な人々で、私たちが国として信奉している価値観を外交政策に反映することを望む。しかし、アメリカ人は実際的な人々でもあり、外交政策が有効であることも望む。(ジョージ・シュルツ元国務長官)
・哲学者や詩人は昔から、人間の意識の範囲を三つの部分ー情報、知識、そして知恵ーに切り分けてきた。インターネットは情報の領域に集中していて、情報の拡散が幾何学的に容易になった。しかしながら、情報過多は逆に、知識をいまだかつてないほど遠ざけている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者がSNSがきっかけとなったアラブの春について、賛同よりの意見であることについて驚いた。もっとコンサバかと思ってました。