ツインソウル 行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299002440

作品紹介・あらすじ

累計54万部突破の「エンマ様」シリーズ、最新刊です! 人気YouTuberが殺害され、加害者である暴力団員は道端でぶつかっただけで被害者とは面識がないというが……。ホームヘルパーとしてつましく暮らしていたはずの女性の遺体には、むごたらしいリンチの痕があり――。路上で無差別殺傷事件を起こした男を取り調べていると、ネットで殺人教唆を受けたような形跡が。その糸を辿っていくと、死刑囚として服役しているはずのある人物に行き着き……。相手のしぐさから噓を見破る美人刑事が真実を暴く全4話。

感想・レビュー・書評

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  • 取り調べの前半で被疑者のしぐさのサンプリングをしてしまえば、後は怒涛の追及で、しぐさから犯罪の真相を探り出してしまう楯岡絵麻。こんな捜査官がいたら凄いよね、被疑者を落とすのが100%というのだから。4篇ともどんでん返しもある鮮やかな追及を見せるが、結構後に苦さを残すものだった。最後の話では、絵麻の相棒の恋人に魔の手が迫っていることを暗示して、不安を残す。次回はどうなることやら。

  • マイクロジェスチャーによって容疑者の嘘と真実を見極めていく、シリーズ第8作。

    単純に見えて、実はひとひねりある展開が多かった。

    筒井が過去に逮捕した相手や、絵麻が取り調べた相手が登場したり。
    西野と琴莉の関係性の変化が、地味にかかわってきたり。

    絵麻と西野、筒井と綿貫のコンビを軸に、テンポよく進む。

    やたらと絵麻まわりに現れる、謎の多い総務課の林田シオリも、気になるところ。

  • なんだろう、このタイトルは?エアコンのメーカーのような、女子中学生のヘアスタイルのような。
    佐藤青南さんのこのシリーズは8作目、比較的飽きないのは、毎回新しいキャラが登場するからだ。
    今回は短編4作。楯岡絵麻、西野ペア、筒井、綿貫ペアも健在で、面白い。そこに既出の人物や新キャラが加わり、新しい展開も予想でき、今後が楽しみになった。

    今回も行動心理学用語でバーナム効果が出てきた。フォアラー効果とも言うが、一般的に当てはまる事を占い師が言って信用させる手法のひとつだ。新キャラは、林田シオリ、彼女もわかっているようだ。

    そして題名の意味が最後の最後でわかる。と同時にゾクっとした。終わり方も秀逸だった。

  • 毎回、エンマ様の推理が冴えるシリーズ、第8弾。
    相手のしぐさから嘘を見破る警視庁捜査一課の美人刑事・楯岡 絵麻。
    行動心理学を駆使して謎を解く。

    今回は、
    ・人気者を殺ってみた
    ・歪んだ轍
    ・トンビはなにを産む
    ・きっと運命の人
    の4編。

    4つ目の事件、通り魔殺人事件を解決したと思われた途端、被疑者の隠れた悪意に戦慄するエンマ様。
    果たして、その悪意とは?

    最後のページで明らかとなる表題の『ツィンソウル』とは、そういう意味だったんですね。
    なるほど

  • 佐藤青南『ツインソウル 行動心理捜査官・楯岡絵麻』宝島社文庫。

    シリーズ第8弾。我等がエンマ様の活躍を描く切れ味の鋭い短編4話収録。

    どの短編もあれよあれよという間に楯岡絵麻が容疑者のマイクロ・ジェスチャーを読み取り、嘘を見破って自供に追い込むのだが、『第四話 きっと運命の人』のラストには驚愕した。いつの日か、続きが描かれるのだろう。だから、タイトルが『ツインソウル』だったのか!

    『第一話 人気者を殺ってみた』。人気動画投稿者が何者かに暴行され、殺害される。容疑者は暴力団構成員の岩政。証拠が皆無という状況で、岩政を取り調べ、自供に追い込む楯岡。

    『第二話 歪んだ轍』。強盗殺人事件の犯人グループの1人と思われる男が逮捕される。男はかつて傷害の罪で服役していたのだが……どこで楯岡が絡み、物語はどういう所に着地するのか……

    『第三話 トンビは何を産む』。老人の突然死とホームヘルパー殺人事件の裏にあるものは……楯岡に掛かれば全ての悪事はお見通し。

    『第四話 きっと運命の人』。原宿の無差別大量殺人未遂事件の裏にあるものは……事件は解決するが、さらにその裏にあるものにさすがの楯岡絵麻も戦慄する。短編集のラストを飾るに相応しい作品。

    本体価格660円
    ★★★★★

  • シリーズ8作目。
    今回は短編の中、今後の黒幕になるであろうあの人物との再会。
    短編の事件の中でも更なる真相が隠れていて。ダーク要素が多かったかな。
    最後に意味が分かった「ツインソウル」。
    枝分かれしたふたつの魂は、今後どういう展開になるのか。

  • シリーズ物は最初から読まないと面白さが分からないね。
    知らずに手に取ったので絵麻の言動が唐突すぎ、西村が優男風に、綿貫・シオリなど他の人物がハマった感じがしなかった。

  • ずいぶんと筒井・綿貫コンビとエンマ様の距離が近づいたなぁという感じでした。
    西野には驚き、ドラマ版のシオリちゃんに比べるとだいぶ腹黒いシオリちゃんも登場し、第四話のラストはさらなる展開を予想させているので、続きがますます楽しみです。

  • 楯岡絵麻シリーズ8作目。絵麻の活躍というよりサイドストーリが確り語られる方向になっている。2話目の「歪んだ轍」は間違いなく傑作。これだけでも読む価値ある。

  • チャンネル登録者数十万人を超える人気の動画配信者が殺された。被疑者の聴取を行うのは刑事・楯岡絵麻。行動心理学で相手の嘘を見抜く通称「エンマ様」の取調べで事件の意外な真相が明らかに。その後も、更生した元被告人はなぜ再び罪を犯したのか。ホームヘルパー殺害事件の裏で何があったのか。様々な事件を解決する絵麻だったが、通り魔事件被疑者の取調べで予想外の事実を知り―。

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著者プロフィール

佐藤青南
一九七五年長崎県生まれ。「ある少女にまつわる殺人の告白」で第九回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、二〇一一年同作でデビュー。一六年に『白バイガール』で第二回神奈川本大賞を受賞。ドラマ化された「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ、「白バイガール」シリーズ、絶対音感刑事・鳴海桜子が活躍する『連弾』『人格者』『残奏』など、著作多数。近著に『犬を盗む』『ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻』『ストラングラー 死刑囚の逆転』がある。

「2023年 『残奏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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