新装版 君の名残を 下 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (534ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299026743

作品紹介・あらすじ

累計130万部突破『四日間の奇蹟』の著者・浅倉卓弥が描いた、渾身の浅倉版「平家物語」である『君の名残を』が装いも新たに復刊します。平安末期にタイムスリップし、それぞれ、源義経の相棒の武蔵坊弁慶、木曾義仲の愛妾である巴御前、北条政子の弟である北条義時として生きていく、武蔵、友恵、そして四郎の三人。時が自分たちを選び、この時代に運んだ意味を知ったとき、それぞれ愛する者のために大きな決意をするが……。

感想・レビュー・書評

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  • 片道切符のタイムスリップが何とも切ない。改変ではなく、既にある歴史がそうなるように…という理由もよく考えると変だが、整合性を求めてはいけない。先が見えていて変えようのない運命とどう向き合って生きていくか、という深いテーマがそこにある。友恵の残したメッセージが、平泉のラストシーンに重なって胸を打った。

  • 初めて読んだのは大学生のときで、その時はめちゃくちゃ泣けて鮮烈に面白かった記憶があり、新装版を買ってみた。源平合戦の歴史物として重厚で読み応えがあったが、かつてほどの感動がなかったのが正直なところ。
    時の流れの中で、守るべきもののために一生懸命戦った人は美しいし、たとえ破れても想いがあったことは変わらない。最後、友恵が書いた文が由紀に届いて、その想いが少しだけど届いて、救われた気がした。読後感が幸せなので、やっぱり良い物語だと思った。

  • タイムスリップものは数多いが、過去の世界に飛んでいった若者たちの戸惑いが不自然な感じでなかったところで物語に入り込めた。いずれにせよフィクションなのだから、史実と照らし合わせてどうとかは関係なく、武蔵と友恵の活躍や如何に、と見れば面白いストーリー。現代の剣道の達人は戦国時代の武者たちに本当に勝てるのか、戦国武将たちの心意気や疑心暗鬼そのものが動乱を巻き起こしたのではないか、とか。鎌倉殿の13人の記憶が残る中、それほど歴史に詳しくない自分には楽しめるエンターテイメントだった。巴御前は秋元才加のイメージのままだったりして。

  • NHKの大河ドラマで鎌倉幕府をやってるから新装版を出したんですかね、と今更ながら思いつく。

    悲劇のヒーロー、ヒロインが多すぎて哀しくなる物語でした。輪廻転生も、あまり救いには感じられなかったです。

    それにしても、源頼朝ってホントに愛されない英雄ですこと。



  • 読みやすい小説では
    あったとけれど
    展開を予想していたのか
    なかなかページが進まなかった
    時代小説が苦手、というのも
    あったし
    私の感情が 納得していなくて
    腑に落ちなくて…許せなくて…
    切なくて…
    とにかく苦しい

  • 平成の世に生きる、剣道の達人の高校生、友恵と武蔵。落雷に巻き込まれ、目が覚めたらそこは平成末期⁉︎友恵は木曾義仲のパートナー巴御前に、武蔵は源義経と運命を共にする武蔵坊弁慶に生まれ変わった!
    激動の時代に翻弄されながらも、己の宿命を受け入れて逞しく生きていく2人。同じく平成の世からやってきた四郎は、北条義時に。
    今大河ドラマで描かれている、まさにその時代の人々の生き様が、平成生まれの彼らの目線でわかりやすく描かれていて、歴史好きの人はもちろん、そうでない人もどんどん引き込まれてしまう、そんな秀作です。
    長い物語でも全く飽きずに楽しめる一冊です。

  • テレビや本の影響で、義経とか義仲とかに何かしら思い入れがある人はまた感じ方が違うかもしれないが、授業でしか習っていない自分にとってはあたかもこれが現実にあった出来事かのように錯覚してしまうほど深く入り込めた。

    登場人物からしてハッピーエンドにはならないと最初に察知してしまったが、それでもこの大作を読み終えたときの読後感は悪いものではない。

    またひとつ時間を忘れて読書に没頭させてくれる作品と出会えたことが嬉しかった。

  • 歴史好きではないので史実説明は頭が痛くなる。その辺が上巻より気にはなったけど上巻でしっかり登場人物を掴んでおけば乗り切れるかな。でも、史実でもないんだよな。歴史苦手だともう、その辺は無視するしか。

  • 史実を下敷きにしているストーリーのため、初めから結末は明らかになってます。従って、そこに至るまでの過程をいかに展開するかは、物語の質を左右する要因だと思います。

    その点からみれば、私にとって本作は上質な作品でした。主要人物の苦悩や葛藤が丁寧に描かれて奥行きを感じましたし、脇役も血の通った存在として確かに生きてました。そんな彼らの決意や行動から終始目が離せませんでした。

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著者プロフィール

作家・翻訳家。東京大学文学部卒。レコード会社洋楽部ディレクター等を経て作家に。
著書に『四日間の奇蹟』、『君の名残を』(以上宝島社)、『黄蝶舞う』(PHP研究所)ほか、訳書に『安アパートのディスコクイーン─トレイシー・ソーン自伝』、『フェイス・イット─デボラ・ハリー自伝』(以上ele-king books)、マット・ヘイグ『ミッドナイト・ライブラリー』(ハーパーコリンズ・ジャパン)、テイラー・ジェンキンス・リード『デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃』(左右社)など多数。

「2022年 『ボクのクソリプ奮闘記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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