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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784299030450

作品紹介・あらすじ

この戦争の結果は
私たちの未来に
決定的な変化をもたらす

ロシアによるウクライナ侵攻の衝撃――。独裁者プーチンによる民主主義世界への挑発が続くなか、現代最高峰の知性7人に緊急インタビューを敢行。
世界と日本の行く末を問うた。プーチンによる暴挙は世界情勢にどんな影響を及ぼすのか。権威主義の前に民主主義は屈するのか。
これから我々はどんな未来に立ち向かうのか。新たな冷戦時代の有り様を大胆予測——。

感想・レビュー・書評

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  • まず、ものすごく読みやすかった。
    こういった類に知見がない私でも何の抵抗感もなく読み進めていくことができたし、とても興味深く面白く感じることができた。

    世界は本当に複雑だなぁ、そして、その世界のトップ達はよくもまあそんなに争えるなぁとも思い、
    自分がいかに思考停止しながら平和を享受しているのかがよく分かる。
    (これを悪いことだとは思わない)

    民主主義の衰退なんかは無知な私でもなんとなく感じるところではあるけど、日本が民主主義国家じゃなくなることなんて想像もできない。
    しかし、人類によってこの世界はいかようにも変化してきた歴史は紛れもないものであり、他人事ではないなとちょっぴりですが思います。

    おもしろかった!!

  • ユヴァルノアハラリのコメント、信用の喪失による文明の崩壊。戦争が起こり、国内でも国家間でも様々な場所で信用が喪失し、不信感が広がっているように思える。この意味は深い。戦争により、他国に対する信用が低下すれば、一国だけでは対峙できないような、核問題、遺伝子操作、食料問題、貧困問題、AI技術や温暖化対策など、あらゆる問題について、今より協調路線が後退する。プーチン大統領が勝てば、軍備拡大競争が激化する。活路は、プーチンが負ける事。

    善悪二元論では語らず、ロシアにはロシアの理屈があるとティモシースナイダー。ロシアとウクライナが一つの国民、民族に戻るべきだというプーチンの幻想。しかし、やはりここでも最終的にはウクライナが勝つしかないのだと。

    本著のインタビューに応じたのは彼らを含む世界で頂点に立つ慧眼の士。必読である。

  • ユヴァル・ノア・ハラリ
    かつての富の主な源泉は金鉱、小麦畑、油田などの有形資産だったが、今は知識や技術となった。油田は力ずくで手に入れられても、知識は奪えない、他国を征服して得られるものは、小さくなっている!
    教育費の代わりに、軍事費が増やされるようになり、国家間の信用度も下落。。懸念は大きい!

    ジャック・アタリ
    プーチンは2021年7月に「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」という論文を発表。ロシア専門家が、今回のウクライナ侵攻を予測できなかったのは、非常に問題。
    EUの成功と繁栄は、プーチンにとって極めて耐え難い。プーチン独裁国家は「民主主義には、人々の幸福を守る力がない」と証明しなければならないため、侵攻に至った。

  • 昨今のウクライナを巡る情勢に関連し、国外の7人の識者へのインタビューを纏めてみたという内容で、読み応えが在ると思う。同時に、ドンドン読み進めて直ぐに読了に至ったという側面も在るのだが。
    各々の歴史関係の分野、政治関係の分野等で発言を続けて来た6人の識者、独自の情報収集や情報分析に基づく発言で注目を集めている方と、計7名の方の御話しを纏めているのが本書である。
    実際、国内では「ロシアが妙なことをした」、「ロシアが悪い」と(敢えてこういう表現を使う!!)「ワーワー」と言っているばかりでよく判らない。本書は「何が如何いうように問題であると見受けられるのか」というようなことに関して、各々の形の論が各々に語られていて、非常に大きな「考える材料」を提供してくれているように思う。更に「今後?」ということに想いを巡らせる場合の切り口というような事柄、或いは「こういう変化が?」という大局ということに関しても「考える材料」を提供してくれていると思う。
    結局、「ワーワー」と言っている中で、そこに「何も考えずに乗っかる」というように「ワーワー」と言ってみて、何が如何なるのでもないのだ。
    「妙なことをした」という人達が現れた中、何故そういうことになったのか、傍目に「妙?」でも当事者はその限りでもないという程度に思っているらしいということに関して、そういう当事者の考え方が「何処から如何いうように湧き出たのか?」ということは、とりあえず考えてみなければなるまい。本書はそういう材料を多々与えてくれる。
    とある国の政府が、またはとある国の一部の人達が傍目に「妙なこと」をしていると見受けられるとして、と言ってとある国の国民全体が、とある国が積み重ねて送り出した文化そのものがオカシイということになる訳でもない。が、最近はそういうことさえしてしまっているオカシイ空気も蔓延しているかもしれない。本書の中にはそういう指摘も見受けられる。
    ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が傍目にオカシイとして、ロシア国民全体やロシアの文化や、その他のロシアに纏わる何もかもがオカシイかのように「ワーワー」というのは、流石にオカシイ。正直なところ、本書にそういう指摘が在ったというだけで、本書を読んだ価値が在るとまで思った。最近は「ロシアが悪い」と「ワーワー」言うだけで、何が如何いうように悪いのかを判り易く説くような材料を何一つ有しているのでもない輩が必要以上に大きな顔をしているという、少し大きな不快感が満ち溢れているとも思っている。
    “ソ連”という時期の後の「ウクライナ」の経過が半ば無視され、「権威主義」が暴走してしまっている状況から今般の事態が惹起してしまっている。如何いう具合になって行くのかは予断を許さないが、「戦闘状態ではない」ということに尽きるだけの「平和」ということで事態を収拾して事が収まるのでもない。
    「戦闘状態ではない」ということに尽きるだけの「平和」ということで事態を収拾出来るのでもないとは如何いうことであろう?例えば、武器が尽きれば戦いは終わる。そうやって戦いが終わった時の「終わり方」が如何いうことになるのかということが大事だということである。余りにも多くの人達が普通に生きる権利を踏み躙られてしまうような状況になるのであれば、それは容認し悪い。そういう見地で“事態”は「存外に長期化?」というのが、本書に掲載のインタビューに応じていた人達に共通した観方のようにも感じられた。
    国際政治の中、諸国には「ハードパワー」と呼ぶべき軍事や経済の“力”に対し、「ソフトパワー」と呼ぶべき文化、イメージというようなモノが在る。最近では「シャープパワー」と呼ぶべき「情報操作」というようなモノも在り、それによって「社会の分断?」というようなことも見受けられ、些か恐ろしい様相であるという指摘も本書には在った。
    また本書では「核武装」というような事柄を巡る論議も取上げられている。こういう事柄は貴重だ。絶大な威力の“水爆”が「たった一発」でも炸裂すれば途轍もないことになろうが、近年は「より限定的な威力」とされる“戦術核”なるモノも存在し、それが使用されてしまう場合が昨今のウクライナ軍事侵攻の状況下で囁かれている。そうした中で「(日本を含む)各国の核武装化??」という話しも在って、そういうことを巡る意見も本書には在る。
    更に本書では、様々な「経済」の側面での考えるべき事柄も論じられている箇所が在る。結局、“事態”が生じてから既に4ヵ月で、一定の決着までに「マダマダ時間を要する?」という様相である。そういう中であるので、「考えるべきこと」も多い。
    何れにしても、何やらと「ワーワー」という様子が、時間経過で多少は落ち着いたにしても「論じるべき材料」が豊かでもない中であるので、この種の本は有難いというようには思う。
    結局「危機」そのもので世界が揺すぶられたが、「危機後」は更に揺れそうだ。そういう中だからこそ、「“材料”を集めて考えてみる」ことは必要だ。何やら「ワーワー」と言っていて如何なるものでもないのだ。

  • ウクライナ危機後の世界
    以前読んだウクライナ紛争とは別の論考で非常に興味深い論考でした。
    特に印象深いのはこのウクライナ紛争が民主主義の衰退を表している、コロナとウクライナ紛争による脱グローバリゼーション
    、世界的インフレなど今問題になっていることが取り上げれている。また国際政治情勢も非常に理解できます。
    ただ、一つ驚きが結構日本を美化しているのはちょっと驚いてます。
    ここにかかれている今後起きる問題を日本の政治家や日本人がどれだけ理解しているかが心配です。
    ここにあげられている方はかなり有名なので、興味ある方は読むことを薦めます。
    私はジャックアタリの本は結構すきです。

  • これが最高峰かあ

  • 一方的な見方ではない考察がされており、ウクライナ紛争をより深く考えることができる。

  • ウクライナ危機後の世界がどうなっていくか、各国の知識人の見解を知ることができます。

    ロシアが勝利することによる各国への影響
    権威主義に侵されていく民主主義
    アメリカへの影響   

    等、さまざまな予測を知ることができます。

    本書を読んで、ロシアが勝利することで、中国の台湾進攻の危険性が高まるのではないのかと気にかかります。

    民主主義の国に住む我々がすべきことは、ウクライナに勝利をもたらし、民主主義国の結束を強め、権威主義国に侵攻にメリットはないと感じさせることではないかと思いました。

  • この類いの本は発売されてすぐ読んで今後のヒントにするか、1年後とか5年後とかに読み返して各人が述べられていることと現実とを対比するか、のどちらかのスタンスで楽しむようにしています。
    今回は前者。

  • 「専門家」と呼ばれる人々は、最も重要な「悪い状況」に目を向けるのが嫌なのです。というジャック・アタリの言葉が印象的。本書は7人の論者が登場し、現状分析とあるべき姿の提示をするが、多少のリアリズムは感じられる人が居る一方で、ユートピア的でボンヤリとした楽観的な観測だったり、自身の立場が反映されたポジショントークが多いような印象を受ける。
    マトモだと感じたのはポール・クルーグマンとラリー・ダイヤモンド。面白かったのはティモシー・スナイダーの「必然性の政治と永遠の政治」だが、資本主義に関係する帝国主義や植民地主義まで絡めるのはちょっと違うような気も。全体的にはプーチンの暴挙に対して総じて否定的ではあるものの、その解釈や今後の見通しについては多種多様。ということを確認する意味では一読の価値はあると思う。
    個人的にはプーチンが死ぬまではこの問題は終わらないような気がしてきたし、それに関連して中国の台湾侵攻が習近平の3期目である5年以内にあるのかどうかが問題であり、これらに備えて日本がどうしていくべきかを真剣に考える必要があるというのが今後の課題ではないだろうか。

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著者プロフィール

歴史学者、哲学者。1976年イスラエル生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻し博士号を取得。現在、ヘブライ大学で歴史学を教授。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』。

「2020年 『「サピエンス全史」「ホモ・デウス」期間限定特装セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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