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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784305707901

作品紹介・あらすじ

秋成がわかる。文学研究の方法がわかる。かつてない事典の登場!

泉鏡花、芥川龍之介、谷崎潤一郎、三島由紀夫、村上春樹―。名だたる作家たちが傑作だと評価した『雨月物語』の秘密を知るにはどうしたらいいのか。

本書は、文人秋成の業績を総体として捉え、あらゆる角度から分析するために編まれた事典であり、また同時に、文学作品を読んで「なんとなく面白かった」という地点から、その作品の魅力や豊かさを自分のことばで最大限引き出していく、「研究」に向かうための入門書です。

『雨月物語』『春雨物語』の両代表作は、重要な論点とそれを示した論文を整理・紹介しました。そこでは、ふつうの読み方を超える、新しい「読み」の可能性に挑戦した論文をたくさん取り上げています。それらの要点をわかりやすく紹介しつつ、『雨月物語』の各作品が、どのように読まれてきたかがわかるようにしました。また『雨月物語』については、作品分析のためのマニュアルと、分析の実例を挙げ、作品を読んだ後、それを参照しつつ自分なりの分析に取りかかれるよう配慮しています。

また秋成の浮世草子・和歌・俳諧・随筆・和文・学問的著作、そして秋成自身の生涯についても、今日明らかになっている情報のレベルを呈示し、「研究」のための一助としました。その他、『雨月物語』の典拠である中国の小説の原文・書き下し文・語釈・日本語訳を掲載するほか、上田秋成を研究していくうえで知っておきたい主要文献のガイドも収録しています。

上田秋成を知るための手引であると同時に、文学「研究の手引」でもある、かつてない、文学を今まで以上に楽しむヒントに満ちた事典です。

●本書の特色

1.作品分析のためのマニュアルと、分析の実例を掲載。
2.『雨月物語』の典拠である中国の小説を原文・訳で紹介。
3.知っておきたい主要文献のガイドを収録。
4.略年譜と、「学び」のための充実のコラムを掲載。
5.第一線の研究者による渾身の書き下ろし。現在明らかになっている情報を公開。

【…この事典は、その悲しくて美しい世界を、あらゆる角度から考えるナビゲーターとなっている。『雨月物語』『春雨物語』の両代表作については、重要な論点とそれを示した論文を整理・紹介している。特に『雨月物語』については、その冷静・周到な作品作りに迫るマニュアルと、分析の実例を挙げているから、作品を読んだ後すぐにこれを参照しつつ自分なりの分析に取り掛かれるよう配慮してある。
 秋成の文業はそれに留まらない。本書では、浮世草子・和歌・俳諧・随筆・和文・学問的著作、そして秋成自身の生涯についても、今日明らかになっている情報のレベルが呈示されている。これらの文人秋成の業績を総体として捉え、時代の流れと当時の課題を念頭に入れて考えるとき、なぜ江戸のこの時期に秋成が、ヨーロッパのゴシック小説と肩を並べるような作品を残すことができたのか、考えるヒントがそこここに見いだせるだろう。】…「『雨月物語』とその作者を知るために(井上泰至)」より

執筆は、飯倉洋一、糸川武志、稲田篤信、井上泰至、加藤十握、木越治、木越秀子、紅林健志、郷津正、近衞典子、宍戸道子、高松亮太、長尾直茂、長島弘明、野澤真樹、丸井貴史、三浦一朗、Clarence I-Zhuen Lee。編集協力、小笠原広安、鈴木よね子、相馬真理子。

感想・レビュー・書評

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著者プロフィール

所属|Institution and Title
大阪大学名誉教授 Professor Emeritus, Osaka University
専門分野|Area of expertise
日本近世文学 Early Modern Japanese literature
著書・論文|Publications
『上田秋成―絆としての文芸』(大阪大学出版会、2012年)、『前期読本怪談集』(編、国書刊行会、2017年)など。

「2024年 『江戸の王朝文化復興』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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