- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309017785
感想・レビュー・書評
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山崎ナオコーラの文章がしっくりと来る。
過去と現在を行ったり来たりしながら、主人公の周りの人とのつかず離れずの関係が描かれるが、最終的には過去と現在が線で繋がれ、一本のストーリーとして形が見えてくる。
どことなく地に足の着いていないキャラクターに憧れをもってしまう。中でも、女言葉をしゃべる男の子(名前は忘れた)が良くて、しばらく自分の形容詞が「わたくし」になってしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーん。
とりとめのないことを考えすぎ。
もっとまとまってる方が好きなのです。
なんかひとつ気に入った表現があったような気もするんだけど今のところ思い出せないので放置。
思い出したらまた更新しますよ。 -
タイトルと、この表紙に惹かれて、読むのが楽しみでした。
すらすらーと読めてしまい、ちょっと物足りなさもあるけど、ところどころグッとくる表現があって、好みのタイプの文章です。 -
先ほど読了。
現実感がわかない…かな。
中学校時代の、友だちと宗教ごっこをしていた頃の話と、
現在の、会社をやめてアジアに旅に行く話が
交互に繰り広げられる。
読むタイミングが違ったら
はまってたのかな〜?
途中の、やめた会社の人とのメールのやりとりの中の
「『うまく喋れないけど、わかって欲しいの』としか考えていない人の言葉に、
耳を傾けたいと思う人はいません。」
の言葉は妙にしっくりきた。 -
先日読んだ『人のセックスを笑うな』でデビューした著者の、最新刊、二作目。
主人公は丸山君枝。OLをしていたが、二歳年上の男性社員ミカミさんと最初で最後のランチを共にして退社、タイへ向かう。その旅行中での出来事と、中学生の頃の思い出とが交互に語られていく。
実は今、このレビューをどうまとめたらよいかと困っている。あらすじとしてはこれ以上でも以下でもない。
読んでいるときは、おもしろく読んでいた。基本的にあまり良い気分で読める小説ではなかったけれど、君枝の周りの人間関係が興味深くてなんとなく最後までするすると読めた。こういう二つの話が交互に進行していくタイプの小説は好きだし。
しかし、あまりにとりとめがなくて、これをどう捉えたらよいのか、いまいちつかめずにいる。旅の話と中学時代の話のつながりが希薄だし(もちろん全然つながらないことはないんだけど)、それらの経験から君枝が成長したという物語にしてはその成長ぶりがほとんど伝わってこない。強いて言うなら、再スタートを切った君枝の目に映る景色が、タイ旅行によって少し違ったものに見えるようになった、というところか。
なんとかまとめると、中学時代の話も旅行での話もそれなりにおもしろく読めたので、あまり深く考えずそれぞれの過程を楽しむのがこの小説の読み方かなと思う。人との関係をうまく築けないという点やけっこう頑固なところがあるという点ではわたしも主人公と似ていて、そういう気持ちすごくよくわかる、というところはあったし。
ただ全体を通して手紙(メール含)と宗教がよく出てくるのだが、手紙はいいとして、宗教的なエピソードがどちらの話にも多く出てくる意味を、どうしても理解しかねる。
ううむ、著者はこの小説で何を伝えたかったのか……。
読了日:2006年12月11日(月) -
彼女の作品を最近どんどん読んでいるのだけど
今のところ『長い終わりが始まる』とこの本が特にぐっときた。
こう極端ではないけど、どちらかといえば
私は新田のような中学生時代を送ってきたと思っていて
彼女の丸山に対する気持ちが、すごく現実的だった。
『上手く喋れないけど、わかって欲しいの』としか考えていない人の言葉に、
耳を傾けたいと思う人はいません。
その通りです。精進せねばなりません。 -
理屈じゃなく好きな文章。「重要なのは物語ではなく文章の手触り」と本人が語っている通り、明確なストーリーがないと損をした気分になる読者には向いてないと思う。淡々としているようで、登場人物の内側は淡々としていない。若者が主人公なのに(だから、か)どこかがいつも寂しくて、乾いていて、孤独で、そこが好き。
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14歳の時と、25歳の時のことが交互に書かれている。14歳の時の、「みんなと同じでいたくない」子ぶりが、作ったような感じじゃなくて読みやすかった。すぐに寝たりしないのもいい。 2009/6/19 読了。
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ある女の人の、過去と現在が交互に書かれていて、過去が現在に影響されている感じ。
一人旅行がしたくなった。
東南アジアにも行ってみたくなった! -
ナオコーラさん、好きです。
この作品は、主人公の中学時代のお話と、社会人になった時のお話が交互に展開されるつくりになっています。その感じは結構好きです。
ナオコーラさんの小説を読むと、この人の言葉はすっごく正直だな、っていつも思わせれます。
わたしももっと正直な言葉を話さなきゃ、って思う。
「『上手く喋れないけど分かってほしいの』としか考えていない人の言葉に、耳を傾けたいと思う人はいません。どうしたらいいのかは、自分で考えてみてください。」
「思ったとおりに書いたつもりなのに、通じさせたいこととは違うんだ。」