小説尾形亀之助: 窮死詩人伝

著者 :
  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309018386

作品紹介・あらすじ

19世紀最後の年に東北の片田舎の大造り酒屋に生まれ、東京でアヴァンギャルド美術・詩作運動の潮流にもまれ、尾羽打ち枯らして帰郷。自我を捨て、あまりに作為のない奇妙な詩をめざし、詩集『障子のある家』を遺して太平洋戦争のさなかに衰滅死した、ある放蕩無頼な詩人の評伝小説。

感想・レビュー・書評

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  • 俺は「この男がいやになった」と云って自分から離れてしまいたい(「太平洋詩人」大正十五年九月)

    1942年(昭和17年)師走12月2日、ちょうど今日のように雪が降っていたとしてもそう思いたくないけれど、彼はひとりで窮死した。

    大好きな鈴木志郎康から教わって現代詩人文庫(思潮社)の詩集を高1のとき読んで以来気になっていた人で、ことあるたびに資料を集めていましたが、この本は待望の、愛に満ちた正津勉の伝記じゃなくて小説です。

    わかる・わかる、と私も感情移入しすぎて没頭してしまいました。

    そう、とても客観的な記述など出来る訳がなく思いのたけを吐き出したという感じの熱い物語です。

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著者プロフィール

1945年福井県生まれ。72年、『惨事』(国文社)でデビュー。代表的な詩集に『正津勉詩集』『死ノ歌』『遊山』(いずれも思潮社)があるほか、小説『笑いかわせみ』『小説尾形亀之助』『河童芋銭』、エッセイ『詩人の愛』『脱力の人』(いずれも河出書房新社)、『詩人の死』(東洋出版)、評伝『乞食路通』(作品社)など幅広い分野で執筆を行う。近年は山をテーマにした詩集『嬉遊曲』『子供の領分︱遊山譜』、小説『風を踏む―小説『日本アルプス縦断記』』、評伝『山水の飄客 前田普羅』、エッセイ『人はなぜ山を詠うのか』『行き暮れて、山。』『ザ・ワンダラー 濡草鞋者 牧水』(いずれもアーツアンドクラフツ)、『山川草木』(白山書房)、『山に遊ぶ 山を想う』(茗溪堂)など、ほかに『忘れられた俳人 河東碧梧桐』『「はみ出し者」たちへの鎮魂歌』(平凡社新書)がある。

「2021年 『奥越奥話 16の詩と断章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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