短歌の友人

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309018416

感想・レビュー・書評

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  • 楽しいではなく、むしろちょっと怖い。
    本業で、かつ本気な。

    薄い本のくせに重複、繰り返しが非常に多いので、読みやすいです。
    しかしまどろっこしとは感じない。少なくとも私は。

    歌集のブックガイドとして使いたいと思います。

  • 深い。そして短歌に親近感の湧く一冊。
    31文字に凝縮された無限の可能性、そして多面から見る視野の広さを学んだ。

    短歌とは「生きること」「生活すること」の臨場感あるリアリティが大切なのである。
    一瞬一瞬を切り取り、煌かせる躍動感も大切なのである。
    そして何より「私」がそこにいること。存在すること。
    そんな短歌の世界、なんか面白いじゃん、て思う。

  • すごく本格的な短歌論だったのでびっくりしたという、著者に対したいへん失礼な感想を持った私です。それはさておき、詩歌に関する心得のない私は、現代短歌の表現技法や、短歌がいかにその時代のリアリティを詠んでいるのかなどをあらためて知ったことでした。たくさんの短歌が引用されているのですが小島ゆかりのこの歌が特に気に入り。 ぽんかんを頭の上にのせてみるすつかり疲れてしまつた今日は  『獅子座流星群』

  • 短歌深いわ。ついでに自分の中でのダメ映画、ダメ小説、ダメ漫画の基準を考えるきっかけにもなってしもた

  • 『短歌はじめました。百万人の短歌入門』と比較すると、圧倒的に専門的な解説書。
    ほむほむってばこんな文章書けるんだ、かしこいんだ。と失礼極まりないけど、正直な感想。大学受験の現代文の問題に取り上げられそうな感じ、といえばわかるでしょうか。
    この本で第19回伊藤整文学賞を受賞したのもうなづけます。
    専門的な論文とはいえ、ところどころに穂村弘らしさが入っているのでまだとっつきやすい。いろいろな誌面に掲載されたものだからというのもあるが、同じ歌が何度も出てくると、あぁほんとに気にいった歌なんだなぁと思ったりしておもしろかった。

  • 近代の短歌に当然含まれていた「生の一回性」の原理が、失われてたのが戦後の短歌。なるほどと思うのと同時に、現代を生きる私にとっては生の一回性という原理はちょっと遠く、古いものに感じる。

    おそらく生の一回性なんてことをわざわざ意識するような生を生きていないこと、全ての価値観は相対化されて特定の価値に依存したメディアなんてちょっとおかしいと思っていることが原因だろうか。

    短歌の本を読んだり、友人と会話する中で確認できたのは、自分はベタベタした原理や人間関係が好きではなく、もっと機械的で淡白でクールなものに心を惹かれる人間であるということ。

    曖昧だが、簡単に言うとワンピースよりもジョジョがスキだし、香里奈よりも篠原涼子(または天海祐希)がスキだということ。

  • 雑誌等に発表した短歌論をまとめたもの。
    「読売新聞」とか「文藝」に発表されたものは、短歌素人の私にも解りやすく面白かったけれど、短歌雑誌が初出のものは、正直難しかったです。
    短歌というと、学生時代に教科書に載っていたもの、百人一首、俵万智、「ドラえもん短歌」系のかんたん短歌ぐらいしか知らない私には、戦後の短歌、そして現代短歌ってこんなのかというのを、ほんの少し垣間見れたかなという感触です。

    短歌を読み味わうには「圧縮した情報を読者の側で解凍しなくてはならない」という言葉に、深く納得。
    そして「読み手が経験を積むことで、自前の解凍力を身につける必要がある」という言葉に、引用されているいくつもの短歌が意味不明だった私は、深く頭を垂れたのでありました。
    そのうちのいくつかは穂村さんが解凍法を示してくれて、ほぉと思ったり。

    心に残った一首
    「蟬たちを拾ってあるく、そのような九月生まれのぼくの天職  佐藤弓生」
    うちの子が9月生まれで、蝉の抜け殻を集めたり弱りかけた蝉を木に戻してやったりしていたなぁと。

  • 最近短歌に惹かれる。遅ればせに自我が生まれてきたんでしょうか☆

  • 2010.03.23. なんとか読み終えた。やはり、評論はなかなか読み進まなかったな、しかも短歌のだし。それでも、引用されたものはどれも大変興味深かった。この本を手がかりに、少しずつ短歌も読んでみたい、そして詠んでみるのもいいかもと思った。

    2009.11.13. 高橋源一郎さんが絶賛。

  • 大好きな歌人、穂村弘さんの歌論集。
    「なぜか歌人は実在しない妹を描きたがる」が秀逸!

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著者プロフィール

穂村 弘(ほむら・ひろし):1962年北海道生まれ。歌人。1990年に歌集『シンジケート』でデビュー。短歌にとどまることなく、エッセイや評論、絵本、翻訳など広く活躍中。著書に『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、『ラインマーカーズ』、『世界音痴』『もうおうちへかえりましょう』『絶叫委員会』『にょっ記』『野良猫を尊敬した日』『短歌のガチャポン』など多数。2008年、短歌評論集『短歌の友人』で伊藤整文学賞、2017年、エッセイ集『鳥肌が』で講談社エッセイ賞、2018年、歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞。

「2023年 『彗星交叉点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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