掏摸(スリ)

著者 :
  • 河出書房新社
3.34
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本棚登録 : 1746
感想 : 287
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  • Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309019413

作品紹介・あらすじ

お前は、運命を信じるか?東京を仕事場にする天才スリ師。彼のターゲットはわかりやすい裕福者たち。ある日、彼は「最悪」の男と再会する。男の名は木崎-かつて一度だけ、仕事を共にしたことのある、闇社会に生きる男。木崎はある仕事を依頼してきた。「これから三つの仕事をこなせ。失敗すれば、お前を殺す。もし逃げれば…最近、お前が親しくしている子供を殺す」その瞬間、木崎は彼にとって、絶対的な運命の支配者となった。悪の快感に溺れた芥川賞作家が、圧倒的な緊迫感とディティールで描く、著者最高傑作にして驚愕の話題作。

感想・レビュー・書評

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  • 最近体重が落ちませんw

    ってな事で中村文則の『掏摸 スリ』

    中村さんは教団Xを初めて読んだんで、ちょっと抵抗あったけど、何のなんの読み易いし面白かった♪

    若い時から掏摸を生業としている『僕』は裕福な人からしかスらないし、必要なお金しか取らずカードや財布は郵便ポストへ入れれば警察経由で本人へ戻る……。

    そんな僕の師匠が有る仕事の後に行方不明に……。

    そんな仕事を仕切る木崎といつの間にか引き込まれ仕事をさせられる。

    勿論、断ったり失敗すれば命の保証も無い

    無理難題な仕事もこなしていた僕だったが……。

    2016年25冊目

  • 山崎ナオコーラさんが好きだと、なにかのエッセイで書かれていた中村文則さんの作品。読むのは初めて。

    「何もかも憂鬱な夜に」を読んでみたかったのだけど、図書館になかったので有名だというこちらの作品を手にとる。

    ゆったりとした純文学とか、物語やキャラクターを通じて社会的なことを考えられる作品が好きなので、ハラハラするような小説は久々に読んだけど、とても面白かった。純粋に楽しめた。

    他の作品も読もうと思います。

  • 掏摸で生きている主人公を中心とした話です。主人公について深く描写するのでなく主人公の行動や周りの人間からの言葉で主人公はこういう人物だったのかなと読み手に考えさせる作品でした。掏摸という犯罪行為について深く描写されていた面白い作品でした。

  • 「すべてに満たされているのなら、小説は必要ない」
    と、あとがきにあるように、
    小説や物語でしか経験できないことがある。

    掏摸にあったこともないし、あいたくもない、
    そして、けっして、掏摸になりたいとも思わない。

    「男の子」という名前のない登場人物が、
    とても読んでいて辛かった。
    あえて、名前を付けないことに、意味があるのだろう。

    万引きは、ある意味病気の場合がある。
    掏摸の場合は、どうなんだろう・・・

  • 雰囲気がクール。派手な展開が無い分、心情や暗喩が充実している。

  • 先が気になって一気読み
    到底無理だと思われた、封筒をすりかえる所は見事‼️
    折角3つの仕事をクリアしたのに、、不条理
    主人公は好きだけど、小説自体はう〜ん、、、

  • 後発作?を読んだので、こちらも読んでみたけど、こっちの方が全体的に好きだった。
    仄暗い空気感も人間離れしすぎていないのもいい。主人公と典型的な親に恵まれなかった子どもとの関わりも良かった。子どもからすると、自分と似た空気感だから、居心地が良かったんだろうな。
    ところどころぎゅっとなる表現もあって、スラスラ読めた。

  • この作者の作品はどれも灰色なストーリーで、感動したりすることはあまり無いのだけれど、感情の底の方をえぐられる思いを味わいたくて読んでしまう。
    読み始めた瞬間からハッピーエンドになる事は無いと分かっている。
    醒めた感情と色の無い世界、諦めた思いで語られる物語。

  • 「掏摸」という漢字はスリっぽくない。あまり見慣れないせいなのかもしれない。少なくとも私は書けないし、突然出てきたら多分読めない。
    ねずみ小僧のようにお金持ちからしかスらないとい拘りは、読者を見方につける。

  • 作中に何度も出てくる「塔」は何の象徴なんだろう?運命や権力など絶対的なものなのか?

    最後にほんのわずかだけど「希望」のようなものが描かれているように感じられたのが良かった。

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著者プロフィール

一九七七年愛知県生まれ。福島大学卒。二〇〇二年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。〇四年『遮光』で野間文芸新人賞、〇五年『土の中の子供』で芥川賞、一〇年『掏ス摸リ』で大江健三郎賞受賞など。作品は各国で翻訳され、一四年に米文学賞デイビッド・グディス賞を受賞。他の著書に『去年の冬、きみと別れ』『教団X』などがある。

「2022年 『逃亡者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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