- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309021423
作品紹介・あらすじ
こんなに純粋で、他に何もない、ただひたすらの欲情に我と我が身が翻弄されるのは実に久しぶりだった。直子と一緒だった頃、俺はこんなふうに生きていたのだろうか-挙式までの五日間、抗いがたい欲情に身を任せる賢治と直子。出口の見えない、男と女の行き着く先は?不確実な世界の、極限の愛。
感想・レビュー・書評
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しょうもないエロ小説。
富士山噴火のくだりは主人公の願望にしか聞こえず、こんな都合の良い世界…と笑った
でも惹きつけられた。面白かった。
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今日を生きるということと、昨日と明日を活かすということの二項対立を、男と女を切り口に描いている。最後のオチが今日を生きることに傾けているように思うが、突き放し感が少し雑に感じた。
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いまやりたいことをやっていると、人間は未来を失い、過去に何も残せない。明日のために必死の思いで今日を犠牲にしたとき、初めて立派な昨日が生まれる。
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原発事故後の日本での逃げ場のない不安感がよく描かれた話。投げやりになりがちな主人公が、しかし従姉妹により繋ぎとめられているので、救いがある雰囲気で終わっている。
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どうなんだろうこれ…震災の事がたくさん出てくるのと富士山の噴火という仮想の話を組み合わせてそれプラス性みたいな。イトコ同士で結婚前に性に溺れて堕ちて行くのが火口に飛び込もうと考えた過去にリンクしてるのかな。でも結局答が出ずに終わった感がする。
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帯の文言からしてソッチ系を前面に押し出していましたが、
そういうんじゃなくって!
もっと、崖っぷち(火口?)に居て、
どうしようもなくなってしまった男女の
刹那的な生き様が、近未来SFちっくに描いてある。
後戻りできない世代の苦しさや切なさが
過去のエピソードも交え
『今』の不可解な状況の中で
どうしてもその衝動を抑えることのできない
屈折した大人を演じるしかない・・・
というレビュー、抽象的すぎますか?
実はとっても深い話なんだと思います。 -
人によってセックスは肌に合う合わないがあるだろうけど、文章も肌に合う合わないがあると思う。私にとって、白石さんの文章は肌に合う。官能小説と文学の狭間の作品。大震災の意味と、人がいつ死ぬかわからない不安と存在の意味を考えさせられた。
ただ、表紙がエロくて、ちょと手に取りにくいかも。 -
柄本佑のインタビューをよんで、映画も見てないけど、なんとなく読んでみた。
ポルノっぽいとかあったので、心配してたけども、そこまでても無かったかなぁ。
色々あったとしても結局、ぐるっと回って元のところに戻ってくるんだなぁ、というのが感想。