神様の値段: 戦力外捜査官2

著者 :
  • 河出書房新社
3.60
  • (17)
  • (43)
  • (58)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 342
感想 : 47
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309022291

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 通常エスカレートはずが、どんどんグレードダウンしていくという、不可解な連続放火事件。
    長期化の気配がする中、設楽と海月は捜査から外される。

    人の記憶に残らないことが大切な公安でありながら、変わった特技を持つ三浦がおもしろかった。
    また登場してほしいキャラ。

    海月のドジっ子ぶりと有能な一面のギャップがおもしろかったが、今回はそのあたりの描写が少なめ。
    事件の中で、多くのふつうの人々がどのように動いたのかを描く、複数視点のドタバタもの。

    宗教にハマった人間の怖さは、リアル。

    妹の身におきたことは、軽いタッチの作風の中でやや浮き気味。
    かなり重たいできごとなのに、解放後の苦悩も少なく、引っかかるエピソード。

  • 普通の若者がカルト宗教にのめり込んでいく過程が描かれていて、なるほどと思った。教祖、許せない。妹は最終的に目を覚ましてよかったけれど、彼女の心の傷を思うとやりきれない。今も、これからも、こういう宗教は存在するんだろう。
    ドジっ娘警部の相棒を冷静に努める、設楽くんのキャラクターが好き。二作目にして、少しチームワークが出てきたような。

  • 1巻目よりマシ、程度/ 1巻もそうだけど、あらゆる事が偶然に頼りすぎている/ 内通者が奥多摩の施設にいなかったら? 幹部が仲間割れしなかったら? /ミステリとして評価出来るような小説ではない/ 

  • 今年の新大学生は悲惨だったと思う
    リモートばかりで同級生にも会えず、一人不慣れな
    ネット環境と格闘してレポート提出
    だれがこの様な人間不在に世界に住みたいものか

    大学デビューは田舎者には難問で、友達との距離感
    もつかめず、サークルに入らないとあっという間に
    孤独の世界だが、そこに宗教・カルト信者から優し
    い誘いの手をもらうとどうなるか
    自分を歓迎してくれる仲間・共通の(信仰)話題・
    (教義を)知っている優越感・信じた事にまい進を
    する時間、それらを失いたくない為に信者はカルト
    を抜けられない
    あのオ〇〇信者も何時までも固まり合っていた

    ああ、暗黒の大学生活を思い出してきた(/・ω・)/

  • シリーズ2作目。今回はカルト教団が相手で、しかもその教団に設楽の妹が入信してしまい…オウムを思い出し、設楽と妹の噛み合わない会話に戦慄。しかし妹の教祖とのあのシーンは物語が終わってもモヤモヤするわ…改心しても行為は残ってるし…;設楽の酷くなる怪我具合が心配!他キャラや一般市民の活躍もよかった。

  • 宗教団体の犯罪の話。カルトにはまる人怖い。
    あとがきが、秀逸。

  • 戦力外捜査官の第2部。オウム真理教を思わせるような宗教団体がでてきてなんだか胸騒ぎがする。妹は教団を脱出したがそれ以上に大事なものを失った気がする。

  • 戦力外捜査官2作目、海月、設楽コンビ、次回作も期待。

  • 海月警部のキャラと、設楽との掛け合いは軽快ですが、事件は結構残酷でした。家族が怪しい宗教に嵌っていくさまが生々しくて読ませます。自分の身内がひっかからないとは言い切れないだけに、読んでいて何とも言えない気分でした。
    プロットは、意外性もなければ海月警部の鋭い推理を見せる場面もないですし、ダメっぷりもあまり描かれていないので、前作と比べるとやや退屈でした。

  • 都内で連続放火事件が発生した。手掛かりも繋がりも見つけられず捜査は行き詰まっていた。辛うじて、宗教絡みの線を探る捜査本部。そんな状況のなか、設楽は相棒の海月刑事と共に、突然本庁のお掃除係に任命されてしまう。またしても戦力外通告……落ち込む設楽を、マークしている二つの影。それは公安部の人間、三浦たちだった。彼らは設楽に驚愕の事実を伝える。曰く、「設楽刑事の妹が、現在マークしている宗教法人、宇宙神瞠会の信者である」と……。
    かくして、宗教団体による無差別テロを防ぐために戦力外捜査官の設楽と海月が奔走することになった。

    戦力外捜査官シリーズ二作目。
    宗教団体&テロ絡みの今作。相変わらず海月さんはぼんやりしているが、今回はわりと序盤からぱきぱきしているので、あんまり苛々せずにすんだ。設楽くんはわりと行動が短気だよね、どうどう、落ち着いてー。
    ミステリではなく完全に刑事ものになったかな。目まぐるしく話は進むけど、今回は妹の救出&テロ予防というとこで軸が定まってたので、最後まで集中していけた。世の中のみんながヒーローで
    他の署員も賞もらってんのにメイン二人だけなんにもないってのが笑えた。実際もこんだけスムーズに事が進んで防げればいいけれど。
    しかし身内が宗教にはまるのは辛い。話の通じない感じが良かった。私が妹の立場なら、会の犯した罪を理解した時点で自分がやらされたことを振り返って死にたくなっちゃうなあ。そのへんはちょっと辛かった。
    三作目を期待しています。

著者プロフィール

1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選しデビュー。「市立高校」シリーズ、「戦力外捜査官」シリーズ、「楓ヶ丘動物園」シリーズなどの人気シリーズの他に『難事件カフェ』『迫りくる自分』『きみのために青く光る』『シャーロック・ホームズの不均衡』『レジまでの推理~本屋さんの名探偵~』『101教室』『彼女の色に届くまで』『100億人のヨリコさん』『名探偵誕生』『叙述トリック短編集』『そこにいるのに』『目を見て話せない』『生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班』などがある。

「2023年 『育休刑事 (諸事情により育休延長中)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

似鳥鶏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×