死の棘: 短篇連作集

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309026251

感想・レビュー・書評

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  • 抜粋版だったみたいなので、次はほかのところも入ってる本で読みたい。

  • 夫の浮気がばれ家庭崩壊という危機的状況の中で、妻からの執拗で刺々しい言葉のオンパレードもどこかユーモラスささえ感じてしまう(もちろん第三者的立場から見ているからですが)夫婦の会話のちぐはぐさが逆に生々しく、この小説の奇跡的な魅力だと思う。

    とはいえ、これは実際にあった出来事で、間違いなく一番の被害者は当事者の夫婦よりも、毎日罵り合い殺しあおうとするような夫婦喧嘩を家の中で見せられている子供たちだったであろう。

    精神的に病んだ夫婦は自分たちのことだけで一杯で、子供のことまで思いが至らず、子供たちと一緒に死のうなどと言い出す始末。

    この小説は他人の私生活(夫婦喧嘩)をのぞき見しているような気になる背徳の文学であり、当時この本が売れたのはきっと無責任な大衆の野次馬的な興味本位からだったのではないだろうか?

    そして、永遠に不滅なその野次馬的興味は、今でもTVワイドショーで発散され満たされています。

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著者プロフィール

1917-1986。作家。長篇『死の棘』で読売文学賞、日本文学大賞、『日の移ろい』で谷崎潤一郎賞、『魚雷艇学生』で野間文芸賞、他に日本芸術院賞などを受賞。

「2017年 『死の棘 短篇連作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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