砂漠

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309205144

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  • 茫漠とした荒地にとてもとても透き通った美しい言葉が雨粒の様に幾筋も滴り、枯れた河床に流れが生じ、遥か彼方まで潤い広がり、黎明の太陽の光を反射し煌めき出す。豊穣に導くイマジネーションの氾濫に溺れる。キリスト教徒に迫害されたサハラ砂漠原住民ベルベル族の反抗と、子孫にあたる娘ララの現代の物語が交錯する。不毛の砂漠であろうと薄汚れた都市であろうと、太古の自然の鼓動は脈々と流れ続ける。意識と耳を澄ませば聞こえくる鳴りやまぬエナジー。五感を刺激する鮮烈なヴィジョンに身を窶し今は盲目状態。まるで恋煩いだ、ル・クレジオ!

著者プロフィール

(Jean-Marie Gustave Le Clezio)
1940年、南仏ニース生まれ。1963年のデビュー作『調書』でルノドー賞を受賞し、一躍時代の寵児となる。その後も話題作を次々と発表するかたわら、インディオの文化・神話研究など、文明の周縁に対する興味を深めていく。主な小説に、『大洪水』(1966)、『海を見たことがなかった少年』(1978)、『砂漠』(1980)、『黄金探索者』(1985)、『隔離の島』(1995)、『嵐』(2014)など、評論・エッセイに、『物質的恍惚』(1967)、『地上の見知らぬ少年』(1978)、『ロドリゲス島への旅』(1986)、『ル・クレジオ、映画を語る』(2007)などがある。2008年、ノーベル文学賞受賞。

「2020年 『アルマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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