クネレルのサマーキャンプ

  • 河出書房新社
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本棚登録 : 208
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309207599

感想・レビュー・書評

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  • 自分はケレットに対しては手離しに賞賛はしてなくて、そういう人達は感受性が乏しいんではないか?と思っている。その理由は、自分が歪んでいるからであって、日頃
    そこを隠してオホホと世の中をうまく渡っているつもりが、ケレットの深い洞察力によってビシャーと、照射されてしまうからである。それで勝手に疲れて、疲労させられたことを逆恨みしているのである。だったら読まなきゃいいのに、なんだか面白いところもあって、見逃せない。これもまたマゾ行為なのである。こういう作家はたまにいて、心身共に健康な人向けの作家だと思う。

  • ちょっと不思議な話

  • 生と死の運命について考えさせられる。
    設定が死後の世界で、人びとが意外にも生き生きと生活しているのがユニークでおもしろい。
    時間のない人は、最初のサマーキャンプの章だけ読んでもいいかもしれない。

  • 今のイスラエルが判るかな?(食わず嫌いはやめなきゃ)

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    自殺者が集まる世界でかつての恋人を探して旅する表題作のほか、ホロコースト体験と政治的緊張を抱えて生きる人々の感覚を、軽やかな想像力でユーモラスに描く中短篇31本を精選。
    http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309207599/

  • 表題作が良かった。この表題作だけが中編であとは短編だった。イスラエルという国に住む人の宗教観や死生観が表れていて興味深かった。もう少しユダヤ教やユダヤ人に詳しくなろうとも思った。そして、イスラエル人だと一括りにはしないものとして、作者は死の先に救いがあるような書き方をしていてくれて、読んでいてホッとするような気がした。たとえ自死でも死後の世界に与えられる褒賞は少なくなれど必ずあるというような。そういうあたりが普遍的に、特に日本人の私には心に安心感を与えてくれた。

  • かなり短いものも含め初期~中期の31編を収録。表題作は自殺した人々が死後やってくる世界の話。事情は色々あれど、ピザ屋でバイトして生計を立てたり、パブで酒を飲んだり、家族全員!で安息日を過ごしたり、みんな生前と変わりばえのない暮らしをしているのが、ぬるい煉獄みたいでおかしい。猪首の小男(しかも小指に金の指輪をはめている)に変身しても私を愛してくれる?とガールフレンドに度量を試される「でぶっちょ」や、非の打ちどころのない善人の暗殺を試みる「善意の標的」、さびしい青年の願いが叶い天使の友達が現れる「壁の穴」など。けっこう悲惨な事態になってもしれっとしてユーモラス。そしてちょっと哀しい(1992~2002)

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著者プロフィール

1967年イスラエル生まれ。両親はホロコースト体験者。92年『パイプライン』でデビュー。『突然ノックの音が』は世界40ヶ国以上で翻訳。『あの素晴らしき七年』『クネレルのサマーキャンプ』など。

「2019年 『ピッツェリア・カミカゼ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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