- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309208879
感想・レビュー・書評
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2026年12月23日、インターネット上に拡散される謎の映像とメッセージ、財務大臣をギロチンで斬首するフェイク映像は、相当に手が込んだレベルの高い映像で。冒頭の緊迫感に期待が高まったが、その後の展開はスローダウン、まったりと、鬱々とした感じさえする流れで、どこへ話が進むのか迷走気味になり。しかし、上巻のラストで、冒頭の出来事への驚きのリンクが明らかになり、下巻に多いに期待!
2027年のフランス大統領選を前に、謎のテロ組織が暗躍するなか、経済・財務大臣秘書官のポールは、妻との関係に回復の兆しを見出す。やがて現大統領の肝煎りで、テレビの人気タレント、サルファティが立候補し…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
もはや一種の黙示録とも呼べる文学作品を作り続けているフランスの鬼才、ミシェル・ウエルベックによる新著であり、過去の作品と比べても単行本上下巻という大著。
個人的に新著が出たら、迷わずに買うことを決めている現代作家の一人がウエルベックなのだが、迷わずに買ったことを全く後悔しないほど完成度高く魅惑的な作品であった。
ウエルベックの作品は登場するテーマや意匠に強い共通性がある。デビュー当初は、カルト宗教やセックス/性の問題に始まり、ここ10年ほどは極めてアクチュアルな移民問題やテロリズム、資本主義の限界など政治・経済学的な側面が強まっている。本書はまさにウエルベックを構成するであろう様々なテーマ・意匠が総動員されることで、作家自らの代表作といって過言ではない文学世界が構築されている。
正直、圧倒的な物語の面白さはありつつも、その陰惨たるテーマ・意匠の連続によって読み手の体力を著しく奪う書物に仕上がっている。そのような辛さを味わってでもなお先を読み進めたいという中毒性を与えてくれる作品というのは非常にレアであり、その黙示録的な現代社会の救いのなさの前でただ佇むことしか私にはできない。 -
上巻はいつものウェルベック 現在から一歩先の未来 世界観が広がる内容
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淡々と物語が進んでいく
下は面白くなるかな?
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同年代の自分と重なる部分があり、導入の巧みさ、
ウェルベックの過去作で一番面白かった ある島の可能性 より引き込まれてしまった
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記録
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