- Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309223452
作品紹介・あらすじ
「神々の食物」の味わい深い文化史。謎の多い植物カカオ、マヤ・アステカの宗教儀式の象徴、香料、薬効、媚薬、滋養、催淫、そして貴族の飲み物から大衆化に至る壮大な物語を描く名著。甘美な味に隠された驚くべき壮大な物語。
感想・レビュー・書評
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タイトルだけ見て満足していては損をするかもしれない。私自身、手に取る前はあまーいチョコレートのあまーい歴史だと思っていたが(つまり歴史とは名ばかりの内容の薄い本だろうと甘く見ていたのだ)、そんなことはなかった。むしろ、驚くほど冷静で、科学的なチョコレートの歴史だ。
食品について、ときどき不思議になるのは、いったいいつから、その食べ物はその食べ物として認識されるようになったのか、ということだ。たとえば、スパゲッティなんて面倒な食べ物をいったい誰がいつ、どういうきっかけで作ることになったんだろうか、と。そして、たいていそういったものについて調べた結果は、「起源は諸説ある」というたいして実りのない、雑学的な知識の範囲に留まる。
ところが、この本の著者、正確には構想と調査、初期の執筆をになったソフィ・コウ氏はそんなことでは満足しない。諸説の出所をすべて調べ尽くし、さらに遡ってあらゆる文献や資料を漁り、それらを冷静な観点から並べ直し、検証する。そうして、彼女と彼女の夫は、最終的にマヤ文明よりもさらに前に起源を見出す。
だが、起源を押えるだけでは留まらないのがこの本の「歴史」たるゆえんで、その後17世紀のスペイン、18世紀のイタリアやフランスを経て、近代のイギリス、アメリカ、そして現代の新しいチョコレート産業にまで言及する。こうなってくるともう一大叙事詩である。
また、著者二人がずっと、カカオ農園の悲惨な労働状況についても言及しており、最終的に、それは面白い形で現代において償還される。
(あらゆる贅沢品と同じく、カカオは、そしてそれから生まれるチョコレートは、多くの労働力を犠牲にしてきた。)
チョコレート好きにも、歴史好きにも、ぜひ読んでみてほしい、おすすめの一冊。 -
書名通り。
チョコレートにまつわる歴史を順番に解説。
チョコレートの語源についての話、また、時代によっては「媚薬」と信じられていたというのも興味深かった。
その他にもおもしろい話があった。 -
チョコレート展に行った影響で借りてみたものの、専門書的で途中で断念してしまいました(^^;
チョコレート展に行く前に読めば、勉強になったかもしれないです。
こういう本も集中力を切らさずに酔えるようになりたい(T-T) -
その名の通り
チョコレートの歴史の本ですすすす
チョコレートを食べたくなってしまうので
読まない方がいいかもしれぬです
甘いものは女子の敵だ! -
ベネズエラといえばチョコレート、ということで、カカオの実(生)を見たり食べたりする機会があるのですが、ではここからどうやってあのチョコレートになるのか、というと、知らなかったりする。それにしても感動は、大好きでよく飲んでいたカカオ・ジュースや、ニカの国民ドリンク・ピノリージョに、マヤ文明の、チョコレートの歴史の発端があったということ。食べ物からこんな深い歴史につながるなんて面白すぎる。
ふ~ん、、、気になるなぁ
ふ~ん、、、気になるなぁ