リナックスの革命 ― ハッカー倫理とネット社会の精神

  • 河出書房新社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309242453

感想・レビュー・書評

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  • ここ10年で世界はとんでもない変貌を遂げた。
    これは間違いない。ただ、その変貌がもたらした恩恵について言葉ではっきりと説明できる人は殆どいないんじゃないだろうか。

    世界は豊かになったか?
    人は幸せになったか?

    YESかもしれないし、NOかもしれない。
    「グローバリズムとポスト資本主義」は多くの恩恵と歪(ひずみ)を創出したが、その分配はそもそも平等なものであるはずがなかったし、「豊かさ」自体が次の不幸を創出することさえあった。
    技術革新は「人類」に前代未聞の豊かさをもたらしたが、同時に「人体と精神」の疲弊も招いた。その価値観にしても、何かを生み出すことさえ、既に美徳ではなくなってきている。個人に回帰するならば、

    なんのために働くか?

    こんな単純な問いかけすら成立しにくい時代。

    オープンソースという考え方は、「ポストポスト資本主義」のなかで意外な存在感と可能性を内包している。人類と世界がこのアイデアを受け入れるとすれば、現在の歪はいずれは解消されるに違いない。

    無理だけど。

    人体にはブドウ糖以外に必要なものがあるが、オープンソースは「時間」と「精神」意外のものには関心をはらえない。人間が精神以外のものにも依存しなければならない以上、オープンソースはとてつもなく受け入れ難い。

    ユートピア。

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