- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309242453
作品紹介・あらすじ
インターネットとコンピュータの普及により、今、多くの変化が起こっている。従来の資本主義をささえてきた企業的な価値観や規範とは、まったく違う何か-仕事やお金に対する倫理観、時間に対する考え方-が近年急速に一般化し、拡大している。今日のいわゆるネット社会でどんな変化が実際に起きているのか、また、いかに変化してきたのかをまとめた、画期的な本。
感想・レビュー・書評
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ウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」を、ハッカーに当てはめたような感じ。
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一章のハッカーのモチベーションをプロテスタント以前以後の労働観と比較している論はわかりやすいし面白かった。中盤以降はよくわからなくなるけれど、最後に山形浩生の解説で綺麗にフォローしてくれていている。めちゃくちゃ良い解説。
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「訳者(のひとり)による解説」が良かった.章によっては,やや逸脱気味になっていると感じていた箇所を斑なく補足してくれている.
この本に示されている価値観・倫理観は,全て肯定できるほどではないにせよ,納得できることが多い.私自身の価値観を先読みされていたのではないかと思うほど,一致しているところもあった.
これは一度読めば終わるものではなく,都度都度立ち返る必要がある書籍に違いない. -
ハッカー的思考による労働観とは金曜よりも日曜よりも仕事に情熱を持つことである。
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ここ10年で世界はとんでもない変貌を遂げた。
これは間違いない。ただ、その変貌がもたらした恩恵について言葉ではっきりと説明できる人は殆どいないんじゃないだろうか。
世界は豊かになったか?
人は幸せになったか?
YESかもしれないし、NOかもしれない。
「グローバリズムとポスト資本主義」は多くの恩恵と歪(ひずみ)を創出したが、その分配はそもそも平等なものであるはずがなかったし、「豊かさ」自体が次の不幸を創出することさえあった。
技術革新は「人類」に前代未聞の豊かさをもたらしたが、同時に「人体と精神」の疲弊も招いた。その価値観にしても、何かを生み出すことさえ、既に美徳ではなくなってきている。個人に回帰するならば、
なんのために働くか?
こんな単純な問いかけすら成立しにくい時代。
オープンソースという考え方は、「ポストポスト資本主義」のなかで意外な存在感と可能性を内包している。人類と世界がこのアイデアを受け入れるとすれば、現在の歪はいずれは解消されるに違いない。
無理だけど。
人体にはブドウ糖以外に必要なものがあるが、オープンソースは「時間」と「精神」意外のものには関心をはらえない。人間が精神以外のものにも依存しなければならない以上、オープンソースはとてつもなく受け入れ難い。
ユートピア。 -
¥105