小春日和: インディアン・サマー (河出文庫 か 9-1 文藝COLLECTION)
- 河出書房新社 (2010年8月3日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309405711
感想・レビュー・書評
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こんな感じの作風なんだ。トヨザキ社長の熱烈推薦作家ということもあり、気になってずっと読みたかった作品。『ああ、好きそう』ってところまでは何となく分かるんだけど、じゃあなぜそう思うのか、っていうことの答えが出せない。物語は面白いけど、これより興味深い内容は他にもあると思うし(その時点で違う?)… 一文あたりが基本的に長かったり、唐突に作中作が挿入されたり、そういう部分も魅力として計上されるんだろうか。とか書きながら”計上”とか言ってる時点で考え方が違うんだよ、って自分でツッコんでみたりして。要するに、良品であることは分かるけど、絶対無二である理由が分からないのです。残念!
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三十年前に書かれた少女小説。登場人物が魅力的なのかなー?なんだかよくわからない不思議な魅力がある。続編連載中なのかな?まとまって読むのが楽しみ。
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面白かった!
クセのある女たちが出てくるのだけど、どこか憎めず、心地よい生活を送っている。
パパが同性愛だったりと、今になって読み返せば新しい物語。 -
最近「噂の娘」を読んだら久しぶりに目白四部作を読みたくなったので再読。著者自身が「少女小説」だと言うこれはもっともとっつきやすい金井美恵子かもしれない。大学生の女の子の一人称語りは一種ライトノベル風だし。
母の妹であり作家の「おばさん」の部屋に居候することになった大学生の桃子。母は旅館の女将、離婚した父はホテルの支配人。ザ・ギンザで買い物し、六本木のシネヴィヴァンで映画を観て、日常的に酒を飲み煙草を吸いながら文学について語る80年代半ばのインテリ不良女子大生の生活は、リアルなのかファンタジーなのかその両方なのか。バブルで景気が良かった頃の話だなーという感じがする。わりと近い世代なのだけど。
目白のおばさんのキャラクターが作者自身ぽくて共感しやすい。離婚の原因になったお父さんの愛人が男性だったのは驚いた(笑)桃子の親友・花子ちゃん(見た目は中学生男子、自分をオレとか言っちゃうけどサブカル通)は、同年代だったら苦手なタイプだけど、自分の年齢がおばさん寄りになるにつれ可愛いと思えるようになった。 -
二人の女の子が小説家の叔母のもとで大学生活を送るというお話。私自身も大学生のころ、夏の暑い日にクーラーの効いた部屋で読んでいた記憶があります。当時、山崎まどかさんの「オードリーとフランソワーズ」などの著作でたくさんの本や映画、音楽と出会いましたが、これもその一つです。
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金井さんのご本は、乙女必読であります。
これは特に好きな1冊。 -
作者本人が銘打ってるだけあって、少女漫画を読んでいるみたいだった。さしずめ大島弓子の漫画か。
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☆2 水無瀬
目白四部作(他に「文章教室」「タマや」「道化師の恋」)のひとつ。俗悪にしたサガン、という印象(むろんわざと俗悪にしているのだ)。少女小説(むろんそれも自覚的にそうしているのだ)。小説内小説と言うか物書きの叔母の書いたものが差し挟まれて、なかでもテキストとテクスチャーに関するエッセイが面白い、と思った人は『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』を読むといいと思う。『文章教室』のあまりの悪意に毛嫌いしていたが、緻密な文体は好み。 -
解説によると少女小説の系譜、ということらしい。
ただ、類型としてはビルドゥングスロマンの系譜という方がしっくりくる。というかそのつもりで読んだ。
大学生活の始まり、友人との関わり、家族との関わり、社会との距離感、そんなあれやこれやで形成されていく自己、そして成長。
と、こうキーワードを切り出してくるとまさにビルドゥングスロマン。
さて、この作品においての特徴は、居候先の作家の叔母との会話とその叔母による短編作品が挿話されることであるのですが、まぁそこは置いておいて。
主人公にしろ、友人にしろ、やたらと小説や映画に詳しいというのはビルドゥングスロマンにおける決まり事の一つなのだろうか。
いちいち小説や映画を引き合いに出した会話をしてみたり、行動様式がそれらに引っ張られてみたりと、いちいちしゃれているというか鼻につくというか。別にいらいらするわけではなくてむしろ楽しいんだけどね。
続きはブログに書く。
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【追記】ブログ書いた。
http://22minutes.hatenablog.com/entry/bookreview/150410 -
可愛い桃子と花子、でもやっぱり自分とは違うなあと思った。時代かな。
高等遊民みたいな生活を続けたい。できるときにやっとかないと。彼女たちの将来、読みたいです。