小春日和: インディアン・サマー (河出文庫 か 9-1 文藝COLLECTION)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309405711

感想・レビュー・書評

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  • 小説家のおばさんのもとで暮らす桃子と、彼女の周囲のあれこれを記した話。

    読んでいて気持ち良かったのが桃子の親友の花子で、自分のことを「おれ」と言ったり、変に(本当に変に)映画や文学の知識に明るかったりでおばさんにもそこそこ気に入られているような子。

    桃子と花子の二人のやりとりに、一部の文科系女子は必ずハマるんじゃないかなあと思います。

    通して面白く読めました。

  • 1999年9月読了。

  • 大人になりかけの少女たちの話。おばさんとの語らいがいい。つかみどころはない。ちょっとだれた。それがまたよい。

  • 2011/2/11購入

  • 目白が舞台のシリーズ。
    四作の中では一番おもしろいと思った作品。
    少女小説だったからだろうか。

    改行が少なくてひたすら句読点で繋がっている文章が、リズムよくて好き。

  • 好きな人はとことんハマる、この作家の作品は全て網羅したいと思わせる作風なのではないでしょうか。

  • 気になっていた金井さんの本を初めて読みました。たなぞうで読みやすいとお勧めいただき、タイトルも今頃かなというわけで、この本から。面白かったです。なんということはない日常を書いているだけだけれど、なんだか面白い。独特の長い文章もすぐ慣れました。出てくる本や作家や映画のことがわかれば、話が読み手の中でぐっと広がっていくと思います。文章もですがクセになりそうな感じっていうか。場面場面が思い浮かぶその描写がほんとに上手い!何気なく書かれているようで実は良く練られている文章が読むたびに何かを発見させてくれそうです。最後の斎藤美奈子さんの解説が面白かった。なるほどそんな見方ができるのか。桃子と花子の後日談、読めるのでしょうか?あるなら是非読んでみたいものです。

  • 膨大な眠気と、心地よいだるさと、少々の焦燥感と、どことなく漂う少女の無敵感に彩られた小説。主人公が腰を落ち着けているあんな環境は体験したことがないけど、それでもあらゆるページに既視感を覚えた。
    80年代の大学生の生活はこんな感じだったんでしょうか?ゴダールを神聖視している議論好きで鼻もちならない男の子とか、きっと今より多かったんだろうなあ。偏見ですが。
    少女小説に対する<おかえし>としての小説、とても面白かったです。

  • はずかしながら初めての金井美恵子さんの本。噂は聞きながらもなかなか読めていなかった…。
    主人公はなんだかぼんやりした大学1年生の桃子。小説家のおばさんんの家に居候中。
    すごく劇的な展開があるわけではないけれども、作品全体に漂う雰囲気がいいかんじの小説。感覚を楽しむような小説で、読みながらなんだかだるだるしてきます。

  • なぜか再びの金井美恵子ブーム(私限定)。「快適生活研究」をふと読み返したのをきっかけに、目白シリーズ再読スパイラルに突入した。どれもこれも最初に読んだ時より面白くて面白くて。もう小説は金井さんがいればいいやとまで思う始末(←嘘です嘘です他にもいっぱい読みたいです)。

    何を今さらってなもんだけど、ここまで作者の自己愛の影がない作中人物ばかり出てくる小説も珍しいと思う。普通登場する誰かしらに作者の思い入れが感じられるものだ(それが魅力になってる場合と、もう堪忍と言いたくなる場合があるけれど)。そうでなければ、超越的な作者の冷ややかな眼がひしひしと感じられてイヤーな気持ちになるものだ。金井さんの小説にはそれがない。もう見事にない。特異な作家だなあとあらためて思う。

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著者プロフィール

金井美恵子
小説家。一九四七年、群馬県高崎市生まれ。六七年、「愛の生活」でデビュー、同作品で現代詩手帖賞受賞。著書に『岸辺のない海』、『プラトン的恋愛』(泉鏡花賞)、『文章教室』、『タマや』(女流文学賞)、『カストロの尻』(芸術選奨文部大臣賞)、『映画、柔らかい肌』、『愉しみはTVの彼方に』、『鼎談集 金井姉妹のマッド・ティーパーティーへようこそ』(共著)など多数。

「2023年 『迷い猫あずかってます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金井美恵子の作品

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