- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309407654
感想・レビュー・書評
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再読。作者のデビュー作。
究極の兄弟喧嘩。
どっちもどっちって感じだけど、映画化したら面白いかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校生の兄、名前は正気。この年頃ってこんなに分析的だっただろうか? とわが身を振り返ってみて、とてもとてもと、舌を巻いてしまう。
さらに羽田氏の高校時の作品と知り、その思いが一層強くなった。人物の動きが細やかに描いていて、行動の奥にあるその心理を問い、分析していく過程が面白い。
で、兄の正気は、自分の行動が弟をここまでエスカレートさせたのではないかと、やや出来過ぎな兄を演じていくが、それは正気の書いた小説内だけ。この作品も小説内の小説という”入子”になっている。
人物の動きが細やかに描いていて、その分だけゾクっとする冷たさが残る作品。 -
精神的に読むのも苦痛なほど気持ち悪い復讐劇が描かれていた。最後の終わり方があまり好きでは無いが、読んでいて感情を揺さぶられたのは確かです。
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ここまで意図的に不快感を与えながら読ませる力。作者17歳にして。
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これは、確か中学くらいの時に読んで、あまりの生々しさに荒削りの才能ってこういうことか!と衝撃を受けた記憶があります。面白かった。内容は覚えてないけど、すごく気持ち悪い本だった印象。
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「兄弟喧嘩」と言えば微笑ましいが、この小説内では終始本気で喧嘩が行われるため笑えない。が、監視カメラ映像の最悪お茶の間放送シーンは一周回って笑ってしまった。やることがエグい。面白かったので一気に読んだ。17歳がこれを書くのか……と圧倒されてしまった。
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読みやすかった。兄弟だからこそ生まれる嫌悪や憎しみ、それに対する親の反応などがリアル。読んだ後も、モヤッとした感じが残る。
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めっちゃ怖い
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兄が留守の数時間、弟は兄の部屋をあさる。自分はプロのあさり屋だ、痕跡は残さない…。
帰宅した兄はウンザリする。雑な仕事だ、バレてないと思ってるのなら逆に心配してしまう…。
偏執的に兄の部屋をあさる弟と、それに気付き罠をはる兄。憎悪に満ちた攻防戦の行く末は?
2003年に本作品で文藝賞を受賞、著者は当時17歳。
どす黒い憎悪に満ちた、残酷で、狂気をはらんだ心理戦。17歳でこれはすごいですね…。
胸から湧き出し全身を巡る黒く冷たい水、こちらまで浸食されてしまいそう。 -
2003年文藝賞受賞作。著者は当時現役の高校生だったらしい。
戯画化されて突き詰められてはいるが、解説にもあるように、これは『兄弟喧嘩』を描いている。ただ少々(?)その方向性がぶっ飛んでいて、そこが面白い。