黒冷水 (河出文庫 は 12-1)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 1160
感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309407654

感想・レビュー・書評

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  • 再読。作者のデビュー作。
    究極の兄弟喧嘩。
    どっちもどっちって感じだけど、映画化したら面白いかも。

  •  高校生の兄、名前は正気。この年頃ってこんなに分析的だっただろうか? とわが身を振り返ってみて、とてもとてもと、舌を巻いてしまう。
     さらに羽田氏の高校時の作品と知り、その思いが一層強くなった。人物の動きが細やかに描いていて、行動の奥にあるその心理を問い、分析していく過程が面白い。
     で、兄の正気は、自分の行動が弟をここまでエスカレートさせたのではないかと、やや出来過ぎな兄を演じていくが、それは正気の書いた小説内だけ。この作品も小説内の小説という”入子”になっている。
     人物の動きが細やかに描いていて、その分だけゾクっとする冷たさが残る作品。

  • 精神的に読むのも苦痛なほど気持ち悪い復讐劇が描かれていた。最後の終わり方があまり好きでは無いが、読んでいて感情を揺さぶられたのは確かです。

  • ここまで意図的に不快感を与えながら読ませる力。作者17歳にして。

  • これは、確か中学くらいの時に読んで、あまりの生々しさに荒削りの才能ってこういうことか!と衝撃を受けた記憶があります。面白かった。内容は覚えてないけど、すごく気持ち悪い本だった印象。

  • 「兄弟喧嘩」と言えば微笑ましいが、この小説内では終始本気で喧嘩が行われるため笑えない。が、監視カメラ映像の最悪お茶の間放送シーンは一周回って笑ってしまった。やることがエグい。面白かったので一気に読んだ。17歳がこれを書くのか……と圧倒されてしまった。

  • 読みやすかった。兄弟だからこそ生まれる嫌悪や憎しみ、それに対する親の反応などがリアル。読んだ後も、モヤッとした感じが残る。

  • めっちゃ怖い

  • 兄が留守の数時間、弟は兄の部屋をあさる。自分はプロのあさり屋だ、痕跡は残さない…。
    帰宅した兄はウンザリする。雑な仕事だ、バレてないと思ってるのなら逆に心配してしまう…。
    偏執的に兄の部屋をあさる弟と、それに気付き罠をはる兄。憎悪に満ちた攻防戦の行く末は?

    2003年に本作品で文藝賞を受賞、著者は当時17歳。
    どす黒い憎悪に満ちた、残酷で、狂気をはらんだ心理戦。17歳でこれはすごいですね…。
    胸から湧き出し全身を巡る黒く冷たい水、こちらまで浸食されてしまいそう。

  • 2003年文藝賞受賞作。著者は当時現役の高校生だったらしい。
    戯画化されて突き詰められてはいるが、解説にもあるように、これは『兄弟喧嘩』を描いている。ただ少々(?)その方向性がぶっ飛んでいて、そこが面白い。

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著者プロフィール

1985年生まれ。2003年『黒冷水』で文藝賞を受賞しデビュー。「スクラップ・アンド・ビルド」で芥川賞を受賞。『メタモルフォシス』『隠し事』『成功者K』『ポルシェ太郎』『滅私』他多数。

「2022年 『成功者K』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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