青少年のための自殺学入門 (河出文庫 て 1-10 寺山修司コレクション)

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  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (151ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309408095

感想・レビュー・書評

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  • 「自殺はよくない」と否定するのは簡単だが、その人が死を決意するに至った原因を取り除きもしないで言うのならば、それはそれで随分無責任なことだと日頃から思っていた。
    ヒューマニズムの欺瞞でも言おうか。
    自殺はどんな理由であろうと100%肯定されるべきでしょう。
    何より出生に関して選択権がないのならば、せめて死くらい選ぶ権利はあっていいはず。
    そんな自分の感覚に近いことを寺山も主張していた。
    ただ寺山は動機も必要だと書いている。
    つまり「太陽が眩しかったから」とかそういう理由で自殺してはならんと。
    いやいや、そっちの方が良いでしょう。
    あと自殺のライセンスも必要らしい。
    童貞とか生活困窮者などは自殺としてはあまり感心しないようだ。
    確かに美しくない。
    これは納得(失恋で自殺する青年と旦那が構ってくれないからAVに出る奥さんは何だか似ている)。
    また差し迫って自殺する人は広義の意味で他殺や病死にカテゴライズする感覚は流石だと思った。
    死ぬなら芸術的かつ諧謔的に死にたいよね。
    コスプレしている状態で発見されたりとか(ってつまんねえか)。
    それから全くの主観になるのだが、この世で信用するに値するものがあるとしたら、それは自殺した芸術家が残した作品だけだと思う。
    なので自殺肯定派の皆さん、これから否定派と議論する機会があったら「君は芸術的素養のない野蛮な人なんだね」と言って、自殺に追い込むまでとっちめてやろう!!

  • ・9/7 読了.今日読み始めて今日読み終えた.以前のこの記録を振り返ってみて、「書を捨てよ、。。。」でもやっぱり書いてあったようだが、自殺は贅沢という考え方である.なかなか面白かったが、家出はどっちでもよかったな.

  • 寺山修司の自殺本!こんなのあったのか~^^

    寺山修司好きでよく読みました。
    でも詩じゃなくて普通の文だとよくわからないなあ・・(詩もわかってるなんて言えないけど)

    藤村操の話は大学生のときにきいたけど、
    18で華厳の滝に身投げして、遺書が「不可解!」なんてかっこよすぎるだろーーー
    と憧れでした(えええー^^;)
    でも華厳の滝言ったら滝壺まですごく遠くて、「昔はまっさかさまに飛び込めたんだろうなあ・・」と
    遺体回収のひとのご苦労がしのばれました

    で、寺山さんの自殺学
    うーーんそうだなあ
    マホメット殺人ってのが面白かった。「マホメットを殺した男たち」ネタバレしてるけど読んでみたいな
    SF最近読んでないなあ

    自殺に際しての遺書の必要性ってのはほんとあったほうがいいなーと思う
    酔っぱらった勢いで、とか
    死ぬことが目的だから(自分が消えることが?)他人に言い残すことなんてない、って人もいると思うけど
    なんで死ぬのかとか、カンタンでもいいから理由をのこしとかないと、あれこれ推測されて余計な負担や迷惑かける気がする

    引用とかが多くてあんまり面白くなかったけど
    ひさしぶりに寺山修司よみたくなりました。

    あと巻末の本の紹介ページ見てたら
    ふと山田詠美が読みたくなった。
    中高生の頃よろこんで読んでたけど去年2冊くらい読んだきりだから読みたいなー
    明日古本屋で買ってこようかな

  • 死体写真に何かインスピレーションを得られる物は無いかと思い手を出してみた書籍。
    自殺する人の気持ちとかでは無く、死、自殺と言うものを肯定的に考えるさせてくれるものであって、自殺をする場合には本当それは自殺なのか?他殺だと自殺ではないのでは?と現代にも言える自殺の本質を色々と面白く読めた。

    オナニーをやめられず自殺した中学生男子の所は不覚にも笑ってしまった。

  • 自殺の方法とかは載っているけれど、自殺したい人が読む本ではない。純粋に学問としての自殺が書かれていて、しかも入門だから難しくもなく、おもしろさもある。おすすめできる作品。

  • 自殺の演出にはトコトン凝れ!
    と間違った角度のプッシュが多し。
    首吊りをするなら、それが
    もっとも効果的に見える照明や、
    満足のいく音楽や衣装、メイクも考えろ!と
    自殺=アート的感覚で行う
    贅沢者のプレイの認識。
    果たして、ここまで余裕をもって
    自殺アートに挑める人はいるんだろうか。
    遺書はちょっと、書いてみたい。

  • 自殺したい人が読む本ってわけじゃないです。
    どちらかといえば生きる人々へのものでしょうか
    そして自殺は甘美で贅沢なもの、そうそう簡単に「自殺」なんて出来ないの。
    バラエティ豊かな内容でよかったです。わたしは家出少女と父親の手紙のやりとりが一番印象に残ってます
    わたしも生前にお葬式のプランニングはきちんとしたいな、
    自殺にせよ他殺にせよ。

  • 自殺紳士論あたりすっごい面白かった。

    紳士的自殺として藤村操が出てくるのは当然やろう。
    18歳で岩頭の感やもんなー。
    私もあんなくらいの遺書を残したい!

    09.04.25

  • 上手な遺言の書き方、参考にします

  • 死ぬ権利があるってのは当然だ、世の自殺は以外と自殺じゃないのだなあ

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著者プロフィール

詩人、歌人、劇作家、シナリオライター、映画監督。昭和10年12月10日青森県に生まれる。早稲田大学教育学部国文科中退。青森高校時代に俳句雑誌『牧羊神』を創刊、中村草田男らの知遇を得て1953年(昭和28)に全国学生俳句会議を組織。翌1954年早大に入学、『チェホフ祭』50首で『短歌研究』第2回新人賞を受賞、その若々しい叙情性と大胆な表現により大きな反響をよんだ。この年(1954)ネフローゼを発病。1959年谷川俊太郎の勧めでラジオドラマを書き始め、1960年には篠田正浩監督『乾いた湖』のシナリオを担当、同年戯曲『血は立ったまま眠っている』が劇団四季で上演され、脱領域的な前衛芸術家として注目を浴びた。1967年から演劇実験室「天井桟敷」を組織して旺盛な前衛劇活動を展開し続けたが、昭和58年5月4日47歳で死去。多くの分野に前衛的秀作を残し、既成の価値にとらわれない生き方を貫いた。

「2024年 『混声合唱とピアノのための どんな鳥も…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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