- Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309410982
感想・レビュー・書評
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2011.8/21
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近年SFが熱いらしい。編者の大森望氏の名前をよく拝見するように思う。
自分は伊坂幸太郎氏の名前を目に留め購入。
SFを中心に書き下ろしの新作短編を集めるオリジナル・アンソロジー≪NOVA≫シリーズ第五弾らしい。
ナイト・ブルーの記録 上田早夕里
例えば芸術家など、何か自分とは異なる感覚を感知することがでいるのではないかと思うことがある。
他人には共感してもらえない感覚。それでも、その素晴らしさを理解してほしかったのかもしれない。
愛は、こぼれるqの音色 図子慧
女性作家の作品なのか。セックスの快楽がテーマとあり、若干苦手なテーマである。
読み込み不足か、結局彼の正体がいまいち分からなかった。
凍て蝶 須賀しのぶ
どちらかというとファンタジーに近かった。主人公と彼女と、彼らの家族にまつわる話だろうか。終わりに一気に救いがやってくる。
三階に止まる 石持浅海
名前は気になっていたけれども未読の石持氏の作品。短編集の良いところである。ホラー要素のある作品であった。また、謎解きとしてはミステリも含まれているか。
アサムラール バリに死す 友成純一
作家“友成純一”の死をめぐる話。異国とは未知の世界である。彼が特殊なのだろうが、…海外旅行が怖くなる。
大森氏の著者・作品紹介も逸品。
スペース金融道 宮内悠介
全くといっていいほどSFは知らないが、宇宙・アンドロイド・金融とはなるほど新しい気がしてしまう。
過去の研究についてや金融についてはとんと分からなかったが、何となく分かったような、分からなくても読めてしまうことがすごい。二人は良いコンビである。
火星のプリンセス 続 東浩紀
どうやらNOVA3に掲載されていた作品の続編らしい。
作品紹介の部分に前作の短いあらすじは書かれていたが、続編なので細かい内容は分からない部分も多かった。あと一作続くようだ。
密使 伊坂幸太郎
伊東計劃氏の作品の帯に伊坂さんがあったので、SFも読まれるとは知っていたが、書かれるとは!
これまでも不思議な能力を持つ人間を描かれることも多かったので、あまりSF作品として書かれていても違和感はなかった。
二人の人間の今を描いた作品。どうつながるのかと思ったが、なるほどタイムトラベルものとはこういうことか。最後ニヤリとさせられる。
SFのアンソロジーなので、よく分からない作品ばかりだったらどうしようと気負っていたが、全くその必要はなかった。 -
NOVAシリーズも早くも5冊目。今回も充実の品ぞろえ。
幻想的なイメージが美しい現代風雪女譚、須賀しのぶ「凍て蝶」、
歪んだ論理がいかにもな、石持浅海「三階に止まる」、
近況を知ることができるだけでも嬉しい、友成純一「アサムラール」
がお気に入り。 -
伊坂のSFが秀作。タイムトラベル、超能力、セールスマン巡回問題、蟻、世界の危機、そして口に出すのもおぞましい例のアレ。大きいようで小さいような現実感はこの人にしか打てない。
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想像が想像を呼ぶ、読みやすいSFが多かった。
上田早夕里と伊坂さんの新作が嬉しかったな。 -
私の好きな作家さん、須賀しのぶさん、図示慧さんが書かれいるのでよみたいです。
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伊坂幸太郎の時間SFとか気になるじゃないか。
●伊坂幸太郎『密使』
颯爽としたヒーローはどこにもいない。哀しい現実だ……超絶技巧の時間SF、誕生