- Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309411712
感想・レビュー・書評
-
「翻訳の世界」は読んでた。「矢野徹 SFの翻訳」は今も本棚にある。未読のペーパーバックも数冊・・・それでも翻訳家になりたいとは夢にも思わなかった。いや、夢にはみたかもしれん・・・今やすっかりロートルSFファンにはなっちまったけどw 浅倉、伊藤両先生はいうまでもなく、黒丸尚直撃世代のボンクラなおっさんにはしみじみ懐かしい本だ。というか、なんだかすっかり自分が歳くった気になる今日この頃・・・だいたい2010年が過去になっちまったってのはちょっと呆然だよなーーー ・・・・・・・・ふぅ
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
単行本でも読んでいたのだけれど、また読んで、やっぱりおもしろかった。90年代に書かれたものが多くて、多少なつかしい感じはするけれども。
内容は、翻訳指南書としてもうすべてが網羅されている。翻訳学校へ通ったわたしがそこで習ったことはすべて入っているし、いろんな翻訳家の人がつねづね言っていることばかり。でも、それを大森さんの軽妙な語り口で読むと本当におもしろくて、わかりやすくて、すばらしい。大森さんの文章が大好きだ! エッセイ、業界裏話としておもしろいので、翻訳やSFに興味がなくてもおもしろく読める。
それにしても、またしても深く思ったのは、SFのヒトたちってなんでこんなに楽しそうなんだろう~~ということ。いいなあ。幸せそう。SF者に生まれたかったとしみじみ思ったくらい。-
はじめまして。
翻訳なぞというとおこがましいですが、私も仕事で翻訳やってます!
とはいっても工業英語オンリーなので文芸は畑違いですが...はじめまして。
翻訳なぞというとおこがましいですが、私も仕事で翻訳やってます!
とはいっても工業英語オンリーなので文芸は畑違いですが・・・。
工業英語は単純なので新語を理解さえすればそう難しくはないです。小説を翻訳のって難しそうだな~と常々思います。
最近原書なんて全く読んでないし(^_^;)
でもたまにはこういう本を読んで勉強するのも大切ですね。
レビュー、参考になりました。
2013/03/01 -
>vilureefさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
この本は、大森さんの語り口が楽しくて、ただ読むだけでもおもしろいで...>vilureefさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
この本は、大森さんの語り口が楽しくて、ただ読むだけでもおもしろいですし、勉強って意識せずにためになっている感じですのでぜひ。2013/03/01
-
-
翻訳家のかたが書かれたエッセイを読むのが好きである。翻訳の基本的なスキルについては、どの本を読んでも、書かれているツボがほぼ同じであることはなんとなくわかっている。でも、主に翻訳される分野と、そこで接することばにまつわる小ネタあれこれ、それにみなさんのプロフェッショナルとしてのお仕事ぶりを読むのが楽しい。というわけで、先日買ってしまったのが、SF翻訳家・大森望さんのこの本。
外国の本を好きな子どもが、外国語の本を日本語に直しているのが「翻訳家さん」という仕事の人であることを知り、「わたしも翻訳家さんになって、おもしろい本を日本語にしたい!」と思うことはあると思う。学生時代に海外文学方面に進み、「英語(あるいはほかの外国語)が好きだから」翻訳家を目指すというのも、今となってはいささか漠然とした動機だとは思うけれど、まあ、アリな選択だと思う。でも、誤解を恐れずにいえば、ほとんどの場合、SF翻訳家ほどの強いモチベーションを持って翻訳家になろうと考えていたとは思えない。誰も知らない作品を読みたい、あるいは読んで自慢したいがため、青春を海外SFの「発掘」から私訳、同人誌作成に捧げるって…もう、本質的にほかのジャンルの翻訳者さんと異質(笑)。SFに対する愛の深さ濃さとともに、猫まっしぐらにSF翻訳者の道へ。こんなにすっきりと早く人生が決まるのか、楽しいながらも茨の道が!
SFの名作と名訳者をサンプルとして随所にちりばめながら(というよりも、それしか出てこない)、翻訳に関する基礎から応用の手法まで、流暢に語って聞かせる筆致がワンダフル!翻訳のテクニックをまじえたエッセイで、私が今まで読んだものの中では、トップクラスに面白いと思う。翻訳に対する大森さんの考え方がすごくプラクティカルで魅力的なこともあるけれど、その大半は、大森さんのSFマニア魂のなせるわざだと思う。以前、英語を習っていたとき、先生に、「映画の字幕翻訳の多くが、○○さん(実名)に依頼されるのは、その人が『英語が上手い』ということじゃなくて、『映画というものをよく知っている』からだ」と聞いたことを思い出した。英日翻訳を英文解釈のみというなら、高校英語の成績がまあまあだったら誰でもできる。そこに肉付けできるのは、バックグラウンドを訳文に的確に反映させられるだけの蓄積がないといけない。シェイクスピアやオーデンからの引用を知るレベルで、スタージョンやクラークからの引用に気づかないといけないからなあー。でも、そこを半笑いで七転八倒しながら克服されている翻訳者さんのおかげで、私たちは海外SFを読めるわけなので、そこはいくら感謝してもし足りないと思う。
翻訳者の数は増えている(というよりも、クローズアップされているというべきかも)とはいうものの、この本はある意味、若手の発掘に難儀しているという、SF界の翻訳者リクルート本でもあると思う。一発当てるのは難しいかもしれませんが、腕に覚えのある方は、この本を真に受けて挑んでみてもいいのかもしれませんよ。-
ああまだわたし積んでるんですけれども。
>SF翻訳家ほどの強いモチベーションを持って
って、すごくわかります。なんかもう動機が違いますよ...ああまだわたし積んでるんですけれども。
>SF翻訳家ほどの強いモチベーションを持って
って、すごくわかります。なんかもう動機が違いますよね。仕事にしたいとかではなく、自分が読みたいっていう。ほかのジャンルの翻訳家で自分で本さがしてきて勝手に訳して同人誌とかつくる人なんて(ほとんど)いないと思います。SFって自分で訳さないと読みつくしちゃうくらい、ほかの分野より量的には少ないんですかね。なぜSFだけそんなに強いモチベーションが。っていうのがいつも疑問です。訳しちゃうほど好きになれる、っていうところがすごくうらやましいです。2012/10/22 -
niwatokoさん:
単行本でお読みとのことでしたら、積読もよろしいかと(*´ー`)ノ。
なんというか、好奇心と熱意のボリュームがすご...niwatokoさん:
単行本でお読みとのことでしたら、積読もよろしいかと(*´ー`)ノ。
なんというか、好奇心と熱意のボリュームがすごいですよねー。日本未公開のうちに観ちゃう、洋画ファンや海外ドラマファンに似ているように思いますが、自分で字幕つけて観ている人って、聞いたことがないし…。好きだと、作品のほうから寄ってくるのかも?と思ったりします。2012/10/22
-
-
目から鱗な翻訳技術はもちろん翻訳界やSF界の裏話まで、頷いたり唸ったり抱腹絶倒したり寝るのを忘れたりしながら読める本。
翻訳家を目指さない(資質も無いので目指せない)私にとっても今後SF翻訳小説を読むのが更に楽しくなりそうなヒントが詰まっていてイイ。