- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309414027
感想・レビュー・書評
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「不思議の国のアリス」を題材にした色々な小説家の短編集ということで興味を持ったけど、あまり好みのお話はありませんでした。
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不思議の国のアリスをモチーフにした7作品7様のアンソロジー
刑事もの、ナンセンス小説、怪談、幻想小説、百合、萩原朔太郎オマージュ、ピカレスクアクションとバラエティに飛んだ内容になっていてとても楽しめました。
帯には有栖川有栖さんのおすみつきも書かれてました。
ちなみにこちらが昭和編とすれば平成編のアリスアンソロジーもあります。
同じく河出文庫さんの『アリス殺人事件 不思議の国のアリス ミステリーアンソロジー』私はそちらを先に読んだのですがそちらも執筆者が豪華でおすすめです。 -
うーん。
匂い立つ昭和のかほりがあかんかったのかと思ったけど、私、金田一シリーズの昭和臭は好きだからなァ。
多分、同時刊行のアリス殺人事件の方を読むべきだった。
乱読してると、たまにはこういうことも、あるのである(作文
【いつもの内容紹介…じゃなくて短すぎる所感】
◎死の国のアリス…死体にばらまかれたトランプの謎。収録作品中一番ミステリーしてた(動詞
◎アリスの不思議な旅…汚い←
◎鏡の国のアリス…ビッチなアリス
◎方子と末起…百合百合しい
◎干からびた犯罪…キ印お茶会
◎襲撃…もはやアリス関係ない← -
平成版アリスがらみのミステリ集から先に読んでしまいましたが、こちらは昭和版。
昭和版はなんかおおらかな雰囲気が漂います。
ちょっと表現がえげつないのが昭和のあかしなのでしょう。
個人的には「死の国のアリス」と「襲撃」がおすすめ。 -
不思議の国のアリスのパロディとかモチーフとか、それ系の話。
あとがきにもありましたが、アリスはパスティーシュ書くのは難しそう。
終わりなき物語みたいな遊びがあればできたかもしれませんが、そもそもコンセプトが全然違いますからなあ。
言葉遊びをふんだんに使われた作品はひとつ。
日本語なんて、同音異義語たくさんあるんだからいくらでもできるんでないかなーと思わなくもないですが、それをうまく話に組み込むのは難しいですよね。 -
1988年に出たアンソロの復刻。アリスが好きなのと、小栗虫太郎、中井英夫が好きなので購入。
不思議の~、鏡の国の~がモチーフの各種短編ですが、ベタなミステリーから、かなり幻想小説味のものまで色々揃ってて、それぞれに面白かった。小栗虫太郎の本筋そっちのけでの「お姉さま~」なもの凄い百合とか、中井英夫が魅せる「40年前に亡くなった恋人の死の真相を探した結果明かされるアノ展開」など、どれもその作者らしい作品で満足満足。 -
アリスモチーフミステリではなくて、ルイス・キャロル風ミステリ。言葉遊びだったり、闇病み風味のミステリでした。
解説に載ってた芥川龍之介訳のアリスを読んでみたい。 -
『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』をテーマに中井英夫、小栗虫太郎、都筑道夫、海渡英祐、石川喬司、山田正紀、邦正彦らが描いた傑作ミステリ7編! ミステリファンもアリスファンも必読の一冊!
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1988年に出たアンソロジーの復刻版だそうで、一応すべてアリス絡み。普段ミステリー系読まないせいもあって、小栗虫太郎と中井英夫以外は読んだことない作家さんばかりでした。
○海渡英祐「死の国のアリス」
いちばんミステリーらしいミステリーだったけれど、とくに斬新さは感じられず。
○石川喬司「アリスの不思議な旅」
言葉遊びなど実験的でアリスの元ネタに近いテイストだったのかもしれないけど、面倒くさい文体のわりに、すぐ何の暗喩かわかってしまうし、それがことさら気が利いているとも思えず、ちょっと下品で苦手でした。
○都筑道夫「鏡の国のアリス」
これはどちらかというとホラーかな?岡本綺堂っぽいなーと思ってたら解説でやっぱり意識して書かれたとあって納得。これはなかなか好みでした。
○邦正彦「不思議の国の殺人」
これもまたちょっと実験的な。鉄の国や白鳥の国など主人公が彷徨していく。アリスというよりガリバーっぽい?でもシュールで不条理な雰囲気はわりと好き。
○小栗虫太郎「方子と末起」
一応謎解き要素もあったけれど、それよりも百合すぎて(笑)いやこういう時代の「お姉さま」もの個人的には好きです。
○中井英夫「干からびた犯罪」
これは40年前に死んだ(殺された)恋人の死の真相を探るうちに封印された記憶が・・・という、中井英夫らしい心理サスペンス。土地描写(田端)が詳細なのも、らしい。
○山田正紀「襲撃」
エンターテイメントとして一番面白かったと思う。伊坂幸太郎の「陽気なギャング~」とかと同じ系列の、犯罪する側の話。ただ登場人物はアリスを模してあるけれど、作品としてアリス感はない。 -
『不思議の国のアリス』をテーマにしたミステリー短編のアンソロジー。同じく河出文庫から、1988年に一度刊行されていたらしく、今回は復刊になるようだ。
厳密にはミステリと言い難いジャンルのものもあるが、解説によると、前回の刊行当時は『不思議の国のアリス』をモチーフにしたミステリそのものが少なかったのが原因とのこと。事実、収録作の邦正彦『不思議の国の殺人』や中井英夫『干からびた犯罪』はミステリではなく怪奇小説に分類されるように思う。小栗虫太郎『方子と末起』も変格もので、正統派のミステリに分類されるのは海渡英祐『死の国のアリス』ぐらいか。
というわけで、アンソロジーとしてはやや無理矢理な感じがしなくもないのだが、収録作はどれも面白かった。小栗虫太郎『方子と末起』はリリカルな中にも不気味な雰囲気があり、更に少女小説的な関係性も感じるユニークな作品。都筑道夫『鏡の国のアリス』、中井英夫『干からびた犯罪』は怪奇小説としては正統派だった。山田正紀『襲撃』は、『アリスっぽさ』は薄いものの、切れ味の鋭い犯罪小説。