図説 ポルトガルの歴史 (ふくろうの本/世界の歴史)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 61
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309761671

作品紹介・あらすじ

極東の島国日本まで航海に駆り立てた原動力は何であったのか?ヨーロッパ・ルネサンス文明の紹介者として世界各地に進出したポルトガルの壮大な軌跡。

感想・レビュー・書評

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  • 『世界 伝説と不思議の物語』で、キンタ・ダ・レガレイラに出会い、ポルトガルに興味がわきました。
    たくさんのポルトガル文学を探し当て、これから読むのですが、その前にやはりポルトガルがどのような国か知っておかないと…ということで読了。
    正直驚きました。ブラジルやアフリカを植民地化し、プランテーションを行い、多くの奴隷を売買して富や勢力を得てきた国だったのですか(^^;;
    日本に初めて来航し、南蛮の風を届けてくれたポルトガル。私にとっては、いいイメージしかなかったのでショックでしたが、ヨーロッパ最果ての地のロケーション、灯台と海は最高に血が騒ぎます。
    カトリック教国でありながらその文化はイスラムの香りも。歴史を知って、なるほどと納得でした。
    もっとも、世界史は超苦手科目なのでσ(^-^;)、半分も理解していませんが┐(´ー`)┌

  • フェルナンド・ペソア伝に触発されて手に取り。ローマ時代から現代までのポルトガルの歴史を概説。国家予算の大半を傾けてモロッコで大敗したり、スペインに併合されたり、ブラジルに遷都したり、首相が暗殺されたり、なかなかに波瀾万丈。ペソアの再評価についても触れられていた。一種の救世主願望たるセバスティニアズモについてもコラムあり。

  • 同じシリーズの図説ブラジルの歴史を参照すると、さらに分かりやすいだろうと思います。

  • ふむ

  • 大航海時代にはインド・ゴアを拠点とし、インド洋の派覇権をオランダに奪われると、ブラジルに力を入れた。ナポレオン時代は王朝がブラジルに亡命し、ブラジル帝国が成立する。ブラジルが独立後も、アンゴラ・モザンビークを植民地として維持する。

    1580-1640年の間はスペインの支配下にあり、スペイン・フランスと対抗上、18世紀にはイングランドと組む。ポルトガルは農業生産物をイングランドに輸出し、産業革命が始まろうとしていたイングランドからは工業製品がポルトガルに輸出される。このことにより、ポルトガルの工業化が遅れたのではないか?という説もある。

    2014.07.20 読了

  • 予習にはぴったり、激動の国

  • 石器時代から第二次世界大戦後まで、ポルトガルの歴史を簡潔にまとめている。ポルトガルはスペインとの自然境界はなく、レコンキスタの過程で政治的につくられた国なのだが、その小国が大航海時代をへて、アフリカの金、ブラジルの砂糖、国内のワインなどいろいろな産品に切り替えながら生きていくところに智慧を感じた。マヌエル一世・ジョアン三世の黄金時代や、ナポレオンとの対決をさけ、リオに遷都し、ブラジル皇帝が即位するところなどはたいへん面白いと感じた。また、ユダヤ人のディアスポラがオランダに流れ、オランダの勃興を促したり、マヌエル一世がエンリケ航海王子にはじまるキリスト教騎士団の海外領所有を王権の支配下においたことなど、興味深い点も多い。大航海時代は、ジョアン一世をささえたリスボンやポルトの商人層や領地をもたない貴族の次男三男などの要求から生じた。エンリケ航海王子は航海はしていないし、航海学校をつくったという話も現在では否定されているとのことである。カモン・イスの叙事詩をよんでみたいと思った。

  • (要チラ見!)

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著者プロフィール

Norio Kinshichi.
1940年、中国生まれ。東京外国語大学ポルトガル・ブラジル語学科卒。
東京大学大学院西洋史学博士課程修了。専攻 ポルトガル近代史。
東京外国語大学名誉教授。元天理大教授。
著訳書に
『図説 ポルトガルの歴史 ふくろうの本』
(金七紀男 著、河出書房新社、2011年)、
『図説 ブラジルの歴史 ふくろうの本』
(金七紀男 著、河出書房新社、2014年)、
『日葡修好通商条約と外交関係史 1860~1910』
(ジョゼ・アルヴァレス著、金七紀男訳、彩流社、2010年)、
『ブラジル史』(金七紀男著、東洋書店、2009年)、
『現代ポルトガル語辞典 改訂版』 (池上岑夫、高橋都彦、
 武田千香、富野幹雄との共編、白水社、2005年→3訂版:2014年)、
『エンリケ航海王子 大航海時代の先駆者とその時代
 刀水歴史全書68』
(金七紀男著、刀水書房、2004年)、
『ブラジル研究入門 知られざる大国500年の軌跡』
(高橋都彦、住田育法、富野幹雄との共著、晃洋書房、2000年)、
『ポルトガル史』
(金七紀男著、彩流社、1996年:増補版 2003年:増補新版 2010年)、
『スペイン・ポルトガルを知る事典 新訂増補版』
(池上岑夫・神吉敬三・小林一宏・牛島信明との共著、平凡社、2001年)、
『ポルトガル日本交流史』
(ジョゼ・アルヴァレス著、共訳、彩流社、1992年)、
『歴史学の現在』
(ジェフリー・バラクラフ著、松村赳との共訳、岩波書店、1985年)、
『ブラジル史』
(フレデリック・モーロ著、富野幹雄との共訳、白水社、1980年)、
『ポルトガルとその将来—国家の状況分析』
(アントニオ・デ・スピノラ著、金七紀男訳、時事通信社、1975年)
などがある。

「2022年 『ポルトガル史[増補新版 ルネサンス版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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