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- Amazon.co.jp ・本 (834ページ)
- / ISBN・EAN: 9784314010085
作品紹介・あらすじ
本書は、19世紀末のドレフュス事件のゾラと国粋主義者バレス、両大戦間の進歩的知識人ジッド、戦後アンガージュマンの英雄サルトルを経て1990年代のブルデューあたりまで、フランス知識人の実像を、彼らの出会いと対決と訣別に迫りながら、時代の激流とともに生き生きと描き出した大河ロマンである。メディシス賞(評論部門)受賞。
感想・レビュー・書評
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文学と政治をテーマに第三共和政から、ヴィシー政権を経つつ、戦後に至るまでのフランス史を語る一大絵巻。各世代の中心的知識人としてバレス、ジッド、サルトルを挙げるが、ここに忘れられた右翼作家モーリス・バレスを入れたのが本書の味噌。他にもかなり大勢の作家や思想家たちが登場し、歴史書・文学研究書としてはもちろん、大河小説としても楽しく読める。特に、右でいながら左寄り、左でいながら右寄り、あるいはわざと時局や党派に逆らうKY発言をした作家たちにスポットを当てているのが面白く、例を挙げれば、「知識人の裏切り」を批判したジュリアン・バンダ、遠いブラジルからアクション・フランセーズを批判したジョルジュ・ベルナノス、ソビエト訪問の後公然とスターリンを批判したアンドレ・ジッドなどである。戦後のサルトル登場のコンテクストが本書を読むと凄くよく理解でき、これまた目から鱗である。流行り廃り関係なくこういうテーマの研究書はもっと翻訳されて然るべき。
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