ラーニング・コモンズ: 大学図書館の新しいかたち

制作 : 加藤信哉  小山憲司 
  • 勁草書房
3.25
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本棚登録 : 93
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326000371

作品紹介・あらすじ

大学図書館の将来を考えるための基本論文集。海外のラーニング・コモンズの事例を紹介するとともに、独自調査により、日本の大学図書館における現状を分析。今後の大学図書館の展開の方向性を示す。

感想・レビュー・書評

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  • 2008年に大学を出て以来、学術情報流通からは遠ざかっていたので、「そもそもラーニング・コモンズとはなんぞや?」というところから、お勉強。
    2003~2008年にアメリカで発表された10文献を翻訳・紹介しています。

    将来の大学図書館像を考えさせられる1冊でした。
    図書館のコンテンツをただ利用するだけでなく、そこから得られた情報から成果を生み出すためのクリエイティブな空間が求められているのですね。
    そして、そのための設備を用意するだけでなく、コンテンツを活かした学習を行うことのできる学生を育成すること、つまり教育に直接踏み込んだサポート体制を敷くこと。
    そのためには、図書館のみではなく、部門・部署を越えて協働する必要があること。
    しかし、米国と日本の大学図書館や図書館員を取り巻く事情や背景のちがいでなかなか困難な部分もありそうです。

    終章として収録されている小山先生の国内の大学図書館を対象に行ったラーニング・コモンズのアンケート調査で、各大学の詳細な状況がわかるのがうれしいです。
    2010年5月時点での調査結果なので、その後数年で成果が出たり、課題に直面しているところもあるでしょう。
    これらの事例や調査を踏まえて、今後"日本の"ラーニング・コモンズがどうなっていくのかはリアルタイムで追っていきたいです。

  • 2012 12/28書き下ろし部分中心にパワー・ブラウジング。研究室蔵書(先生の本)。
    最初と最後に日本の著者による書き下ろし+海外のラーニング・コモンズ関連文献を翻訳した10章、という構成。
    早く読まないと、と思っていた本。年末の読書集中期間についに手を付けた。
    もっとも前身の『ラーニング・コモンズ基本論文集』は読んでいたのと、いくつかは原文読んでいたり、訳者の加藤さんに見せてもらっていたものもあり、今回は訳文部分はパワー・ブラウジング。
    土屋先生、加藤さん、小山先生、竹内先生により書き下ろし部分は精読。

    翻訳部分については、米国ではどういう過去の経緯や議論があった上で現在が進んでいるのか、というのを知る上でとても重要。
    竹内先生も指摘されているけれど。
    なのでやはりこれは「基本」にあたる内容である、と思いつつ・・・どうしても調査を伴わない系の文献って読むの苦手なんだなと実感も(汗)
    英語だからじゃなかったんだなー。

    以下、各章メモ(気になった点があるものだけ)。

    ・はじめに(土屋先生)
     刊行主旨と元となった科研についての説明等。

    ・序(加藤さん・小山先生)
     導入。主旨説明+日本でのLCの状況。基本図書の紹介。収録論文の紹介。
     基本図書としてあげられている中の(7)が気になった。ティーチング・コモンズ、リサーチ・コモンズ、ラーニング・コモンズを分けて論じているらしい。アカデミック・リンクはこれの影響とかも入っているんだろうか?

    ・7章(スコット・ベネット)
     学習スペース設計にあたり問うべき質問がまとめられている論文。
     研究ネタはここからだととってきやすいかも?(問題意識のまとめなわけだし)。

    ・終章(小山先生)
     日本でLCあるいはICと名乗っている(言われている)コモンズの調査。
     日本の現状把握の基礎として重要だよね。個別のコモンズの調査詳細も載っているのがすごい。

    ・あとがきにかえて(竹内先生)
     スタバと何が違うのか?⇒図書館だからできることは、という話。

  • 「ラーニング・コモンズに関する基本論文集」
    大学図書館は学習するために皆が集う共有スペースに変り得るか?

    勁草書房のPR
    「学術情報流通環境下における現在の図書館では、とくに利用者に対する、資料提供以外のサービスが重要になってきている。その先駆である、北米を中心とした「ラーニング・コモンズ」「インフォメーション・コモンズ」の最新動向を捉えるとともに、日本の大学図書館についての独自調査も加えて現状を分析し、今後の大学図書館像を探る。」

  • ずっと読まなきゃ読まなきゃと思っていたので読んだのだけれども,全体的に似た雰囲気の総説系の文献が多くて,読み終わった後で内容が割とごっちゃになってしまった…。教員を巻き込まないと駄目,という部分以外,結局どんな内容だったのかかなり記憶が怪しいので,思い出したいときには上記リンクを辿るような感じになりそうだ…。読み返すときには序章6(収録論文の紹介)を読んでからどれを読むか選んで,それだけを読んで内容まとめて,ってした方がよさそう。反省点。

  • ラーニングコモンズとは何かから始まり、展望や課題まで、関連する論文を翻訳して一冊の本としてまとめたもの。序章に各論文の要点をまとめたものが書かれているので、まずそこを読んで興味を持ったところから読むといった読み方もできる。

  • 図書館がなくても、インターネットを使って本や論文を読むことができます。それでは、図書館って何のためにあるのでしょうか。その一つの答えが、「そこで学習するため」です。この本は、大学図書館の、学習の場としての機能を拡充するための様々な基本的概念や、取り組みの現状を紹介しています。大学図書館の未来について考えてみましょう。
    (ラーニング・アドバイザー/教育 MATSUBARA)
    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1446670

  • よく知らないのになぜか知ったかぶりしてしまったので焦って読む

  • ラーニングコモンズ
    「簡単に言えば、学習の場としての大学図書館を象徴するモデルであり、電子ジャーナルに代表される電子的な学術情報資源の普及により起こった「図書館不要論」や入館者の減少という大学図書館の危機に対する図書館側からの解決提言とも言える」東大図書館 茂出木理子

    ラーニングコモンズの設計に当たっては、その空間に何があるべきかではなく、その空間で何が起こるかを問うことから始めなければならない。

    7章 高等教育における学習スペースの設計に当たって最初に問うべき質問
    ①私たちがすすんで仮想学習スペースよりも、従来型の学習スペースを建築したいと思わせる、このスペースで起こるであろう学習とはなにか。

  • 【配置場所】工大ラーニングコモンズ【請求記号】017.7||K【資料ID】11201043

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