国民アイデンティティの創造: 十八~十九世紀のヨーロッパ

  • 勁草書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326248414

作品紹介・あらすじ

あたかも自明のように語られる「国民アイデンティティ」。それは近代ヨーロッパで創り出されたものにすぎない。叙事詩が発見され、国語が定められ、歴史が編まれる。特色ある風景、観光名所、民族衣装が誕生する。その過程は各国で同じ時期に、同じパターンで進行した-。今なおアクチュアルな問題を歴史的な視点から捉えなおすための必読書。

感想・レビュー・書評

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  • アンヌ=マリ・ティエス『国民アイデンティティの創造 十八~十九世紀のヨーロッパ』勁草書房、読了。本書は近代欧州を部隊に、神話や伝承の再発見が「国民アイデンティティ」の起源と見なされ、「国民の歴史」が「国語」が生成される経緯を物語る一冊。国民意識は歴史であると同時に現代的である。

    本書が面白いのはハイカルチャーの言説のみに注視しない点だ。土着の文化からスポーツや観光などの大衆文化までが総合的に検討されている。「自分で直接、あるいは他者を介して国土を駆けめぐる」ツール・ド・フランスも例外ではない。

    集団のアイデンティティの範型となるのがヨーロッパで創造された意識。本書はその最新の探求。考察とエピソードという構成で非常に読みやすい。訳者の工藤庸子さんは、原典購読の教材に使っていたという。原著が読みたくなった。

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