#リパブリック: インターネットは民主主義になにをもたらすのか

  • 勁草書房
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784326351763

作品紹介・あらすじ

SNSの浸透により危機に瀕する民主主義。正しく熟議を確保する方策とは? サンスティーン教授が示す市民の基礎教養。

オンライン世界がいかにして「サイバーカスケード」を生み、「確証バイアス」を利用し、われわれを「分極化」するのか。民主主義の活力源である共有されるべき会話、経験、相互理解はいかにして危機に瀕するのか。現状を丁寧に解説したうえで、諸刃の剣インターネットを民主的な熟議に活用するための実際的、法的な改善点を提案する。

感想・レビュー・書評

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  •  斜め読み。以前の著作「シンプルな政府」が面白くて飛びついたのだけど、私には少し難しかった。

     インターネットは異質性を踏まえた共有経験によって熟議型の民主主義の地盤となるのか。それとも、個々人が快適な情報の繭にこもることで分断化が進み、民主主義を危機に晒すのか。各人が情報を取捨選択して摂取することは自由であるという考え方もあるが、そこにはエコーチェンバー(共鳴室)効果による暴徒化などの実害がある。そして著者は、ときに不愉快を覚悟して異質な意見と向き合わなければ民主主義は維持されないと書く。とはいえ「どんな(異質な)意見も言論の自由において許容される」という言論の自由万能論に与するわけではなくて、熟議という目的の制約のなかで言論の自由は保障されると解く。本書はこの熟議型の民主主義の裏づけが繰り返されているのかなと思う。ただ本書はそういう理屈的なお説教だけではなくて、そこに「ナッジ(人びとの行動を自然に方向付けるデザイン)」がからんでくるのだろうと思うし、そこが著者に聞いてみたいところである。正直、ツイッターで専門家に対し罵詈雑言を送る人びとなどを見ていると「そんなの出来るのか……?」とも思ってしまうしそこが関心でもあるので、もう少し読み込んでみたいと思う。

  • アラブの春などで民主化のツールと言われていたインターネットが民主化を崩壊させてるとは皮肉に感じた。米国で起きているフィルターバブル現象とトランプ大統領誕生の背景を理解するのに役立つ。

  • 5年前に出版された本であるが、それほど古さは感じられない。ネットの状況はあまりかわらないのであろうか。章ごとのページが違いすぎる感じがある。
     基本的文献としては使えないし、米国での状況に基づいているのでわかりづらい面もあるが、アイディアを得るか常識を求めるためにはいいであろう。

  • 原題は、#Republic: Divided Democracy in the Age of Social Mediaなので、邦題は、ソーシャルメディア時代で分断される民主主義のほうが伝わりやすいかなと。

  • 法経開架  007.3A/Su74r//K

  • 東2法経図・6F開架 007.3A/Su74r//K

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著者プロフィール

ハーバード大学ロースクール教授。専門は憲法、法哲学、行動経済学など多岐におよぶ。1954年生まれ。ハーバード大学ロースクールを修了した後、アメリカ最高裁判所やアメリカ司法省に勤務。81 年よりシカゴ大学ロースクール教授を務め、2008 年より現職。オバマ政権では行政管理予算局の情報政策及び規制政策担当官を務めた。18 年にノルウェーの文化賞、ホルベア賞を受賞。著書に『ナッジで、人を動かす──行動経済学の時代に政策はどうあるべきか』(田総恵子訳、NTT出版)ほか多数、共著に『NOISE──組織はなぜ判断を誤るのか?』(ダニエル・カーネマン、オリヴィエ・シボニー共著、村井章子訳、早川書房)ほか多数がある。

「2022年 『NUDGE 実践 行動経済学 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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