ロミオとジュリエット (研究社 シェイクスピア・コレクション 第5巻)

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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784327180256

感想・レビュー・書評

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  • 約400年前の作品にケチつけても意味のないことだろうが、それでも私は言いたい。

    ロミオはダメだこりゃ。
    どうしようもない奴。
    (神父のローレンスさんは、しっかりとロミオに「お前、おかしい」と説教している)

    また、本作も下ネタというか、とてもお下劣なセリフが特にマキューシオによってガンガン語られている。
    ジュリエットの乳母も結構下ネタを口にしている。
    婉曲的ではあるが、要するにあのことを言っているよね?という表現の多いこと多いこと…。
    当時、この劇が上演されていて、それを観劇することができた(おそらく「ウケる〜」と笑っていたであろう)人達は、どういう客層だったのだろうか?
    どうせ英国の上流階級の男性達だけなんじゃないかな?知らんけど。

    ジュリエットの父親は娘の結婚に対して言っていることが初めの頃と後半とでは真反対だし、リア王と同じように娘への罵詈雑言が酷い。

    ロミオもジュリエットも、神父のローレンスに対して「自殺してやるぞっ」て脅しているけれど、キリスト教って自殺を禁じているんじゃないの?
    この時代のこの国の、その時の宗教ではそうではなかったのかな?
    その辺はわからないけれど、まあ、そこまで調べるつもりはない。

    本作でまともなのは、やり方はまずかったけれども神父のローレンスと、ヴェローナの領主エスカラスの2人だけだな。

    このシリーズの表紙が素敵。
    それぞれの重要なモチーフをシンプルな図形で表していると思われる。
    『ヴェニスの商人』では秤、『リア王』では王冠、本書ではバルコニーを表しているのだろう。


    【ネタバレ】


    覚書:ロミオ側のマキューシオをジュリエット側のティボルトが殺し、ティボルトをロミオが殺した。
    墓所でロミオがパリスを殺した後、服毒。
    眠り薬から目覚めたジュリエットが短剣で自殺。

  • 敵対する名家同士のロミオとジュリエットによる悲劇の愛の物語。
    4世紀も前の書に存在していた愛が今尚、編纂されてはいても息づいています。
    ローレンス修道僧のロミオ宛の手紙が届いていたら…!
    心の底から悔やんでしまいます。
    しかし、死を持ってして愛を築き上げた二人がいたからこそ
    最終的にモンタギューとキャピュレット両家が和解できたのも事実。
    ハッピーエンドかバッドエンドか。
    それは人の立場によって変わってくるのです。

  • 以前から読みたかった本をやっと読み終えました。
    おもしろい。
    登場人物の大げさな言い回しと、詩のようなテンポの良さ。あとがきで知りましたが詩劇という形式をとっているのだそうです。
    意外に下品な所もあり、とにかくすごくユーモラス。

    ストーリーも良かった。
    今後少しずつシェイクスピアの作品を読んでいこうと思います。

    “太陽が沈めば地には霧が立ちこめる。だがわしの甥という太陽が沈んだとなったら、こりゃ雨のどしゃ降りだわい”

    “生命がこの唇から立ち去ってもう幾時間か。死神が時ならぬ早霜のように広い野原に一番の美しい花の上に降り立った。”
    ※↑娘が死んでるのにのんきに詩のような台詞を放ってるところが素晴らしい!!

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著者プロフィール

1931年生まれ。明治学院大学名誉教授。英文学者、英米演劇専攻・演劇評論家。著書に、『シェイクスピアの贋作』(岩波書店)、『シェイクスピアを観る』(岩波新書)、『シェイクスピアの墓を暴く女』(集英社新書)、『シェイクスピア大事典』(編著、日本図書センター)、『研究社 シェイクスピア辞典』(編著、研究社)、訳書に『じゃじゃ馬馴らし』(岩波文庫)など。

「2018年 『ソネット詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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