中国人の腹のうち (廣済堂新書)

著者 :
  • 廣済堂出版
3.33
  • (3)
  • (2)
  • (4)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 39
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784331515723

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 非常に面白い考察。知識が深まりました。

  • 明治大学の教授の本

    中国人は四角フェチで漢詩や兵の並べ方も四角にする

    五臓六腑に五行をあてはめて、すい臓が発見された時にあてはめるのがなくなる、
    悪役も一度決めたらずっとそのままと一度決めたら変えられない

    枠組みがあると落ち着く

    トップが大法螺をふくのが仕事なので、鳩山さんの東アジア共同体構想も評価が高いなど
    中国人丸わかり本です。

  • 中国問題や中国論と言えば、僕は学術的なものよりも現代中国社会のルポものが好きでした。
    なので、富坂聰さんや、加藤喜一さんの本を読んでました。そして、加藤って見た瞬間にamazonでポチってしまって、届いた後に「これ、俺の知ってる加藤じゃねえ!w」って思いましたw


    まぁ、買ってしまったので読んでみると、いやはや世界は広い。というか、僕がそっちの分野に行ってなかっただけなんですが内容が新書なのにまとまってて情報量が多く、素晴らしい本でした。


    中身は、タイトルの通り中国人の気質や性格や考え方などを書いている本。読んでいて、日本人のメンタリティとは全然違うという事を思い知らされると共に、彼らには彼らなりの考え方の芯が通っているという印象でした。


    特に面白かったのは、中国人は五行の考え方が今でも根強く残っており、どのようなことにしても型にはめて考えようとする。味方役、敵役がはっきりしており、これは一度作られれば変わることはない。
    ということ。例えで出ていたのは、古代の中国人は星を見て、五行のうち火・水・木・金・土という型があったので、惑星の名前がそれぞれ付けられた。しかし、冥王星や海王星や天王星が発見された時に、五行にはそれらはなかった。どうしたかと言えば、無視することにしたというんです。


    自分たちの型にないものは無視する。そういった例が沢山他にも書いてありました。
    そして歴史にも触れ、中国では古代より皇帝が民を収める形だった。そこには血統は関係なく、天子、つまり天命を受けたものが中心である中国を支配するのが常だった。


    なので、日本の天皇のように血筋や血統が重んじられる事はなく、誰でも天命を受けていれば良かった。この例は僕も知っていましたが、読むうちに確信に変わりました。非常に歴史に鑑みて論理的だなと。


    そして、西欧のエンペラーと中国の皇帝の違い。中国では皇帝は常に一人。違う地域に違う皇帝が居るなんてことは認めなかった。書かれてはいませんでしたが、日本の足利氏が中国の王朝から受けた名は日本国王でしたね。


    そして、エンペラー=皇帝という和訳をした明治の日本人は国粋主義者的な面があり、西欧のエンペラーは軍事司令官的な性質があり、日本で言う征夷大将軍のような存在であった。なので、西欧ではエンペラーになる時はローマ法王から戴冠式を経なければならなかったんですね。


    でも、中国では宗教や軍事は関係ない。天から統治の許可を得た皇帝こそが唯一無二の存在なので、それ以上の格はなかった。


    明治の日本人は、中国の皇帝の称号を格下げしたいと思い、エンペラーと皇帝は違う性質のものなのに和訳で=にしてしまったんですね。


    こういったエピソードが盛りだくさんでした。とても面白い本なので、良ければご覧になってみて下さい。今年のオススメ度ナンバー2です!

  • 蒼と黄という天色は…と解説されるより、内容は適当でも、とにかく最初にスローガンありきなんですと書かれたほうがよくなじむ。
    そんな本だった。

    「お前の過去八代の祖先にわたってさかのぼって犯してやる」というのも、中国らしいなぁと思った。
    八代でなんでも完結させられるらしい。

  • 読みやすい、わかりやすい、面白い!
    これ以上述べる必要はない名著

  • 大好きな加藤徹先生の新刊。
    目新しい話はないけれど、おもしろかった。
    中国ってこのまま半永久的に、共産党が国を治めていくのかなぁ。
    中国の民主主義化って、あり得ないこと?

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

1963年生まれ。明治大学法学部教授。専攻は中国文学。主な著書に『京劇――「政治の国」の俳優群像』(中央公論新社)、『西太后――大清帝国最後の光芒』(中公新書)、『貝と羊の中国人』(新潮新書)、『漢文力』(中公文庫)など。

「2023年 『西太后に侍して 紫禁城の二年間』 で使われていた紹介文から引用しています。」

加藤徹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×