ナンバ走り (光文社新書 121)

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334032210

作品紹介・あらすじ

難解な古武術の動きを、様々な分野に応用して取り入れているコーチ陣が、豊富な実例を基に分かりやすく解説。投げる、走る、打つ、殴る、抜く、あたる、とる、ターンする、跳ぶ、立つ、座るなどの基本動作に、捻らず、うねらず、踏ん張らない古武術的なエッセンスを、どのように取り入れればいいのか?実際に古武術の動きを可能にする、練習法やストレッチなども図解で紹介。学校の授業では絶対に教えてくれない、筋肉に負担をかけず、体にやさしい身体技法を、身に付けてみませんか。

感想・レビュー・書評

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  • 「脱力」系の本を探している中で手に取った本。
    図書館で借りて読みました。
    「脱力」系の中心にあるのが古武術で、
    古武術において有名な甲野善紀氏の考えを元に
    スポーツに適応してみるという
    チャレンジングな試みをしているのがこの本です。

    残念ながら、自分の理解が追い付かず、
    中々完璧に著者の主張が理解できた訳ではなく、
    評価が難しいところです。
    特に、古武術の動きは特殊で、
    コマ送りの写真だけでは中々動きが
    イメージできないことがあります。
    動きの動画がQRコードなどで示されていたら、
    一番良かったのですが、ちょっと古い時代の本なので、
    それも難しかったのかな。。

    最近は、そこまでブームになっていないっぽいので、
    「脱力」系の考えはどこまで認められているのか、
    個人的には気になるところではあります。

  • 甲野本はこれから読む予定である。上記7冊を読めばナンバ~常歩(なみあし)の概念は理解できる。ただし実際の動きはまた別の話である。
    https://sessendo.blogspot.com/2021/06/blog-post_57.html

  • 「山と渓谷」誌に、「ナンバ歩きでラクラク登山!」という記事が載っていて興味を駆られたので、参考文献として紹介されていたこの本を読んでみた。

    ナンバとは、古武術に見られる術理。武士の歩き方はみなこれだったというし、相撲のスリ足や歌舞伎の所作などもこの作法にのっとっている。近くは、陸上の末續慎吾がこの動きを取り入れ、めざましい活躍をしている。

    キーワードは、「捻らず」「うねらず」「踏ん張らず」。

    コア(体幹)を捻らない、遠心力に振り回されるような動きをしない、などに留意することで、俊敏な方向転換や体に負担のかからない運動が可能になる、というのである。

    本書では、必ずしも古武術を研究したわけではないのに、その動きを体得している超一流アスリートの例が続々と出てくる。マイケル・ジョーダン(バスケ)、マイケル・ジョンソン(陸上)、セリーナ・ウィリアムズ(テニス)、長島茂雄(野球)…いずれも、体軸は正対し、柔らかく、なめらかな動きで定評ある人ばかりである。

    そして話は、ピアノやドラムの演奏から、日常の立ち居にまで及んで行く。つまり、けっこう普遍的な道理が含まれているということだろう。

    自分の趣味に照らして、例えばヤマ歩きやスキーではどうだろうかと思うと、確かに非常に示唆的な一書ではないかと思う。

  • 必要としている走るなど以外に、投げるとか打つとかもあったが、必要ないので読み飛ばした。なんば走りの雰囲気や理屈はわかるが、なかなか実践は難しい。

  • 帯表
    大反響ベストセラー
    末續慎吾(世界陸上200m銅メダリスト)が取り入れた日本独自の身体技法
    “天才”アスリートの動きでカラダが変わる!!
    豊富な写真で解説
    帯裏
    “天才”アスリートたちの動きと、古武術の動きは、なぜか重なる部分が多い。その秘密は-。
    「ナンバ走り」とは・・・
    一般的には、右手右足、左手左足を同時に出す走り方とされていますが、私たちの解釈では、体を捻らない、腕をなるべく振らない、太股を上げない、やや前傾した姿勢での走法ということになります。これにより、無駄なエネルギーを使うことなく、長時間走っても疲れません。
    見返し
    難解な古武術の動きを、様々な分野に応用して取り入れているコーチ陣が、豊富な実例を基に分かりやすく解説。
    投げる、走る、打つ、殴る、抜く、あたる、とる、ターンする、跳ぶ、立つ、座るなどの基本動作に、捻らず、うねらず、踏ん張らない古武術的なエッセンスを、どのように取り入れればいいのか?
    実際に古武術の動きを可能にする、練習法やストレッチなども図解で紹介。
    学校の授業では絶対に教えてくれない、筋肉に負担をかけず、体にやさしい身体技法を、身に付けてみませんか。

  • 捻らず、うねらず、踏ん張らずはわかるのだが、実際動作を行うには少し難しいと思う。

  • 著者の金田さんは、東邦高校バスケ部に古武術、ナンバ走りを取り入れて、インターハイ出場へ導いた指導者です。

    古武術の「捻らず」「うねらず」「踏ん張らない」・・・これらの抽象的な身体感覚を組織にどうやって根付かせたのか?ということが気になっていました。

    ①身体のメカニズムを解明して言語化する
    感覚言語を、理論と結びつけて言語化してみる。
    組織に根付かせるためには、ミスター長嶋方式ではダメで、共有できる言葉が必要。

    ②他競技の事例から学ぶ
    マイケルジョーダンや野茂英雄など、様々な競技の中で共通する身体感覚を共有する
    型を学ぶことは、類似事例から自分の感覚をイメージするのが有効的なのだろう。

    ③トレーニングとルーティーンに落とし込む
    本書では東邦高校のトレーニング例が紹介されている。
    日々のトレーニングに落とし込まないと、身体感覚を通じての学びは実践に生きない。

    参考:鍛錬について↓

    気の遠くなるよようなノルマに耐えているうち、まず最初に「この状態を続けていくのは、体力的に無理かもしれない」と、体が模索を始める。次に「どうすればより楽に動くことができるのか」を朦朧とした意識が考え出す。この体と思考の相互の模索家庭において、やがて妙なことが怒ってくるのかもしれない。
    p210

    「地獄の苦しみ」の中から効率的な身体運用法が産声を上げるというプロセスがここにある。

    千本ノックのような、一見無意味な修行も、身体感覚を呼び覚ますためには必要なことなのかもしれない。
    
    暗黙知を共有する際に、どこまで負荷をかけるのか?という問いは非常に大切だと感じている。

    今のところ、指導者やマネジメントする立場の人のセンスしかないのかもしれない。マネジメント層が暗黙知を伝えるために何をしているのか?という視点は、スポーツから学べる点が非常に多そうである。

  • ナンバ関係の本としては、かなり初期のものになると思う。
    ナンバの動きとは何かについて、簡素ながら実例を交えて語っていて、解りやすい。
    わかりやすい筈なのだが、最後に結局なんだったのともわせるのはなんなんだろう。研究の入り口という感じか。

  • 古武術を現代スポーツに応用することのメリットを教えてくれる。
    写真を多く掲載してくれているが、分かりにくいので、やはりビデオか実地に見て学ぶ方が良い。
    それにしても甲野善紀氏の功績の大きさを感じた。
    また、AmazonもBooklogも星の数が読者自身の理解度だと思う。(自分がそう笑)

  • ナンバ走りを習得したいものだと思ってはいるものの、なかなかその機会もなくである。
    本書はナンバ走りをスポーツで生かす(本書では具体的にはバスケットボール)というのが主題である。
    「捻らず」「うねらず」「踏ん張らず」の基本動作が出来ることでバスケットでは相手にこちらの意図を悟らせずにアクションを起こせるということであるらしい。
    日常の行動についても歩き方や立ち方座り方のコツが書かれている。反動をつけるのではなく動く方向に身体を引っ張るというのが肝であるようだ。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:780.7||N
    資料ID:95040571

  • 「コツを掴む」の“コツ”は「骨」と書くそうで、体を正しく使うために必要なことは、「正しい骨のバランス」更には「骨を正しいバランスで動かすための筋肉の使い方」の会得である、とかいう冒頭の解説におもわずうなりました。
    武術やスポーツだけでなく、あらゆる技芸に通ずる思想だと思います。

  • こういった古武術やナンバに関する文庫本は具体例や図解に乏しく極意のようなものが書かれているものが多いが、この本では具体例にしぼって書いてあるので自分の身体運用に応用したいと考える読者には非常に良いのではないかと感じる。

  • なかなか分かりやすい解説と写真のおかげで、これ一冊で自主練ができそうです。

    スポーツに古武術の要素を取り入れることでより高いパフォーマンスが可能になるが、一方で確固とした目的が無いと逆に能力が下がってしまう危険性もある。薬と同じように、用法用量を守って正しく使わなければならない…。

    体の捻りとは何か。僕は両肩のラインと、腰のラインが平行になっていればOKだという認識ですが、これは合っているのだろうか…。
    ソフトテニスは体の捻り(旋回)が重要で、初心者に多い手打ち(体が回っていない)を矯正させるためにも、参考になる一冊です。古武術では『うねらない』『捻らない』『ためない』の3原則があるため、体に負担をかけずに高い威力のボールを打つ、つまり筋力に頼らないフォームを目標に改良を重ねたいです。

    体の軸や支点を変える(増やす)ことでスムーズかつ威力の高いパフォーマンスに変わるということで、読みながら体が勝ってに動いています(笑)動作の確認をしながら、結構頭では理解しているんですが、実際にやってみると上手くいかない。体得するには時間がかかるのは当たり前で、解説書を読んですぐに習得できれば、この世には達人と呼ばれる人がそこらじゅうにウジャウジャといるでしょう(笑)

    利き目の一文は面白かった!というのも、僕の利き目は左だから。みんなと違うということが嬉しかった(笑)ソフトテニスをする上でどちらが有利か調べてみようと思います。

    本末に書いてある通り、『極限の状態に置かれると真価を発揮する』というのは興味深いですね。これも一種の不安定からくるものですが、現状を何とか打破しようと足掻いた結果、『体が楽をしようとする』んですよね。だからある程度の努力や忍耐を放棄したらなかなか体得するのは難しいんでしょうね。
    高校時代に新聞配達のバイトをやっていたんですが、自転車で毎日2時間くらいかけて配っていて、しかも地元高校の一つが配達先になっていて(日向高校)、そこがまた『地獄の坂』なんて揶揄されてる坂の上にあって、毎日ヒィヒィ言いながら自転車を漕いでいたのは良い思い出です。
    で、その毎日の配達を少しでも楽にできないものかと考えながら、時にはルートを変更したり、自転車に積む新聞の形を変えてみたりと、自分なりに工夫しながらやっていました。
    いかにして苦を楽に変えるか。そのプロセスが大事です。最初から楽を求めると、基礎的土台部が弱くなり、応用力が育たないように思います。

    それまで常識とされてきた練習や訓練を一から見直し、超合理的なものに転換していく様は見ていて痛快そのもので共感を覚えます。本書は主に身体操作の改良を著したものですが、視点を変えれば、これは生き方にも通じるものがあり、まだまだ発展段階にあるのだと戒告しているようにも解釈できます。

    写真図が随所にあり理解を助けてくれます。説明が難しいものでも、写真を通すことで著者の言わんとするところも分かりやすいです。スポーツ経験者にはもちろん、健康志向の人や、発想力の転換方法を学びたい人にはたくさんのヒントが詰まった一冊になっているので、オススメできます。僕の評価はA+にします。

  • 陸上の末續選手の活躍などで一躍脚光を浴びることとなったナンバ走り。
    話題になった頃は手足の連動性の点だけが強調されてましたが、こうやってブームが去って読み直してみると、結構常識的な記述が多い気がします。
    色々なスポーツのフォーム分析などに応用できそうです。ただ、表現や身体の部位に難しい言葉が多用されてたので、十分に理解できたか心もとないのが難点か。

  • タイトルを見て購入したけど内容はナンバ走り自体より古武術的な身体運用を如何にスポーツに応用するかの話だった。時事性優先で書名がつけられたのだろう。まるで役立たないとは云えない程度の内容。入口としてならいいんじゃない?といいたいけど、十分とも云えないような内容だと感じた。

  • 武士たちが刀をさしつつ走る、ウネラズ、ひねらずを大切にしたナンバ走りを主題とした本。
    古武術には現代日本スポーツにに有益なことも多いだろうが、実践は難しい。
    また、これを指導できる指導者もなかなかいないだろう。
    高校バスケで取り入れ成功した学校もあるが…
    万能とは言えないであろう。

  • 甲野善紀氏の「踏ん張らない」「ひねらない」「うねらない」と、「身体を細かく分ける」の理論を近代スポーツに応用した実践報告の書。
    物理系のスポーツ技術の理論書などでは、ヒンジ運動を使った角等速運動などがパワーを生み出すと説いており、日本人には日本古来の身体運用法と、西洋近代の身体運用法のどちらが効果的か考察するのも面白い。
    とはいえ、ムエタイの(日本人選手であっても)ミドルキックを見ても、身体をあまりひねらず、ためを作らず叩きつけるように蹴る選手と、膝のためと身体のひねりで蹴る選手がいるし、どちらが正解とも言えないと思う。
    そのことを踏まえた上で、一方の主張を学ぶのによい書。
    本書の中でも「必ずしもこれが正解というわけではなく、ひとつの試行錯誤の途中報告」のようなことが断ってあり、その姿勢にも好感が持てる。

  • 【8】
    井桁崩し
    膝抜きと肋骨潰しで相手を抜く
    ⇒顎で引っ張る
    膝を抜いてターン
    腰から歩を進める

    トレーニング
    肋骨ストレッチ
    折り畳みの練習「提灯」
    骨盤歩き

  • ちょっと前に流行した「古武術的身体操作法」の簡単な解説書。

    未だに「古武術」が何を指しているものかわからないのだが、第一人者である甲野氏がテレビで解説している番組を見たときは、なるほどと思わされた覚えがある。

    本書は、甲野氏の提唱する古武術的な身体操作をスポーツに応用する場合の方法とメリットを、具体例を挙げながら解説している。肩を抜く、体をうねらない、捻らない、膝を落とす、といった方法が紹介されているのだが、文体は平易で表現もよく練られており、その説明は非常に理解しやすい。

    個人的にはタイトルにもなっている「ナンバ走り(歩き)」に興味を惹かれた。昔の飛脚や籠屋がなぜあんなに長い距離を走れたのか、その秘密を垣間見れる。

  • 古武術における身体動作の基本は、ひねるな、ためるな、ねじるな。

  • 近代アスリートがこぞって導入しているというナンバ走りの秘密を解説した本です。「捻らず」「うねらず」「踏ん張らず」…なにやら痔主へのアドバスのようなコツが書かれてますが(笑)、体得すれば、あなたも疲れ知らずで走れるかも!? 「走る」に関しては第2章の40ページほどなのですぐ読めますよ。

  • 少し速くなった気がします。もっとちゃんとトレーニングすれば良かったのかも。

  • 陸上、野球、バスケットボールなど様々なスポーツの動きに古武術を取り入れることで、より効率的な体の動かし方を実現できることを解説。<br /><br />体の骨を意識して、「井桁崩し」「膝抜き」「肋骨潰し」などを取り入れることで、体に負担が少なく素早い動作を可能とする。対人スポーツにおいては動きを読まれにくくなる。<br /><br />「体への優しさ」のために「踏ん張らず」「ためず」「うねらず」「捻らず」ことが大切である。<br /><br />目次<br /> 第一章 投げる<br /> 第二章 走る<br /> 第三章 打つ<br /> 第四章 殴る、抜く<br /> 第五章 あたる、とる、ターンする<br /> 第六章 跳ぶ<br /> 第七章 立つ、座る<br /><br />多くのスポーツ選手の写真や、見本の動きの分解写真が多数掲載されている。ストレッチ方法も載っている。本書の1/3以上が写真ページかもしれない。<br /><br />江戸時代までの庶民には「走る」習慣がなく、火事などの災害時には両手を盆踊りのように挙げなければバランスが取れなかった、という説の紹介は面白い。

  • この著者の強要しないのに共感しました。

  • いや〜これは指輪物語を終えて、次の次に読んだ思い出の本。なんば走りの良さ、十分にアピールしてくれます。

  • 末続慎吾で一躍有名になったこの「ナンバ走り」。陸上だけでなく、すべてのスポーツの動きに精通していることがよく分かる。

  • 捻じるな、ためるな。本で読んでも、実際のところはなかなかピンとこない。

  • 「卓球にも応用できないか」と試行錯誤した。
    できなかった。

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著者プロフィール

指導・監修◎矢野龍彦

1952年高知県出身。筑波大学体育学修士課程コーチ学修了。元桐朋学園大学教授。ナンバ術協会最高師範。ナンバ歩きを基礎としたスポーツ、楽器演奏指導に定評がある。ナンバ歩き、ナンバ走りを解説したYouTube動画は合わせて200万再生を超える。著書に『すごい!ナンバ歩き』(河出書房新社)、DVD『本当のナンバ歩き』(BABジャパン)他がある。

撮影協力◎倉田りの(バイオリニスト)

「2022年 『DVD 体得!本当のナンバ走り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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