吐カ喇列島 (光文社新書 365)

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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034689

作品紹介・あらすじ

吐〓喇(とから)列島は、屋久島と奄美大島の間南北百数十キロに連なる七つの有人島と五つの無人島からなる一つの自治体で、十島村という。日本で一番細長い村だ。昭和二一年二月米軍政下におかれるまでジットウソンと呼ばれていたが、北緯三〇度線以北の現三島村(黒島、硫黄島、竹島)が独立し、昭和二七年二月の日本復帰以降はトシマムラと呼ばれるようになった。広大な荒海七島灘に散らばる七つの島に住む人々は、合わせて六二五人。しかし、わずかこれだけの人たちが保持している伝統文化、多様な民俗、そして生活の知恵は、計り知れない。廃れた習慣や知恵も膨大なのだが、それでも都会暮らしをする人間にはとても豊かに見える。モノやカネでは計れない島のココロ。

感想・レビュー・書評

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  • 屋久島と奄美大島の間にあるトカラ列島のすべてが書かれた一冊。私もいつか行ってみたいと思っています。悪石島のボゼ祭りや噴火を続ける諏訪之瀬島など、北海道にいるとなかなか知ることのできない黒潮が流れる孤島の島の暮らしがよくわかる一冊です。(あなたの一冊:つかっちさんよりメッセージ)

  • 726

  • 再読。臥蛇島のみ読んだあと、昭和50年前後を描いた、南日本新聞社編「トカラ 海と人と」を読み、現代のトカラを描いたこの本をすべて通読。「トカラ 海と人と」で通船作業で亡くなった方の娘さんが諏訪之瀬島の自治会長として地域で活躍していたり。二冊並べて読むと、今と40年前とが二重写しになり。トカラ牛、トカラ馬の良さを島外に発信したり、外からやってきて特徴のある魚醤を地場商品にしようとしている人がいたり。諏訪之瀬島のナーガこと長澤哲夫さんの詩集「ふりつづく砂の夜に」にもあたってみたい。”言葉には雪の川が流れている。じっと耳をすますと、かすかな水のひびきが聞こえてくる、心のひびきが、雪のしたから”/諏訪之瀬島を例にとり「自分が単純に生きていくために必要なもの(電気、水など)が、どこでどうやって作られ供給されるか、みんあ見える範囲にあるというのは、現代の日本にあってすごいことなのではないか」/中国原産のミナミイシガメは、日本では悪石島と京都周辺のみに棲息。京都の亀は遣唐使が持ち込み、悪石島のは難破してここにたどり着いた遣唐使が持ち込んだのだろうというロマン/そして絶品の悪石島豆腐。「豆腐を作ってるですよ」「買わないで、作るんですか」「豆腐を、買うんですか、ニイさんのところでは」/奄美とのパイプをもっと太くしたいと企画された浜おれツアー。参加したという奄美の唄者 坪山豊さんの唄きいてみたい。また、奄美出身の安達征一郎さんの「祭りの海」というトカラを舞台にした小説にもあたってみたい。

  • [ 内容 ]
    吐〓喇(とから)列島は、屋久島と奄美大島の間南北百数十キロに連なる七つの有人島と五つの無人島からなる一つの自治体で、十島村という。
    日本で一番細長い村だ。
    昭和二一年二月米軍政下におかれるまでジットウソンと呼ばれていたが、北緯三〇度線以北の現三島村(黒島、硫黄島、竹島)が独立し、昭和二七年二月の日本復帰以降はトシマムラと呼ばれるようになった。
    広大な荒海七島灘に散らばる七つの島に住む人々は、合わせて六二五人。
    しかし、わずかこれだけの人たちが保持している伝統文化、多様な民俗、そして生活の知恵は、計り知れない。
    廃れた習慣や知恵も膨大なのだが、それでも都会暮らしをする人間にはとても豊かに見える。モノやカネでは計れない島のココロ。

    [ 目次 ]
    口之島-登録牛をふやして島に若者を呼び戻したい
    口之島-「ところ牛」との付き合い方
    中之島-噴煙を上げる離島の最高峰御岳へ
    中之島-数々の潜在資源を活かす手はないのだろうか
    全国最強温泉列島-鄙びた出で湯よりどりみどり
    臥蛇島-長い歴史を断ち切って三十余年
    平島-神秘的な森と水田が共存する
    諏訪之瀬島-移住三代、あふれるフロンティア精神
    一島一国-孤島・小島の社会基盤
    悪石島-時の移ろいを感じながら巡る島の魅力〔ほか〕

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 2011年10冊目

  • 21世紀に起こる皆既日食のうち最長時間であることが算出された鹿児島と奄美の間に点在するトカラ列島。僕が原始神ボゼを見に行ったのはちょうど旧盆の今頃。とても日本の神の祀りとは思えない、南洋諸島のソレのいでたち。そのボゼの島・悪石島が09年に最長皆既食時間を記録するので世界中から人が殺到する。09年はトカラがちょっとしたブームになるだろうから、その先取りとして出版された紹介本。しかし、およそ日本でいちばん不便なところ。鹿児島から週1便の船が順ぐりに列島をめぐるだけののだから・・・。それだけにキレイで純朴なアニミズムな島々。

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著者プロフィール

1954年岩手県生まれ。東京大学露文科卒。月刊誌『旅』などの編集に携わった後、フリーランスライターに。島、食、自然、農林水産業などをテーマに全国を巡り、膨大な取材量と独自の感性を生かした執筆活動に定評がある。島に関しては、南鳥島以外の日本の有人離島を全て踏破している。主な著書に『日本《島旅》紀行』『沖縄・奄美《島旅》紀行』『旬の魚を食べ歩く』(以上、光文社新書)、『絶対に行きたい!日本の島』(ビジュアルだいわ文庫)、『瀬戸内海島旅入門』(マイナビ出版)などがある。

「2019年 『シニアのための島旅入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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