マリーシア (光文社新書 388)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034917

感想・レビュー・書評

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  • サッカーにおけるマリーシア。
    言ってみればサッカー脳ということか。
    サッカー脳が日本人には足りない、のは何となくわかる。臨機応変に対応できないし。
    欧州で選手は増えているのにね。ロシアW杯では、狡賢く頑張ってほしい。

  • 2009年の本。購入して数年積読してたのを読み。
    情報はいまは古いかもしれないけど、ちょうどカナダ女子W杯をしてるので興味深く読んだ。

    ラフプレー、時間を稼ぐプレー、相手チームの選手との会話での駆け引き、審判とのやりとり、シミュレーションなどなどがマリーシアの例として挙げられている。

    マリーシア=卑怯、スポーツマンシップにもとる行為、と思われがちだが、そんなことはない。
    勝ちを掴みに行くためにどうすればいいか、合理的に考える、審判と駆け引きする、相手の選手と駆け引きをする、時間や展開を読むことこそマリーシア。ルールを四角四面に守る日本人にはなかなか身についていかない、のかも。

    各国のプレースタイル、「マリーシア」にあたる言葉・行為の比較も面白い。
    真っ先に思い浮かぶのはアルゼンチンの「マランダージ」。汚いプレー、インテリジェンスが感じられない行為、と書かれている。
    韓国は日本よりもマリーシアが足りない、と。先輩後輩を重んじる環境だから、フラットな関係を築きにくいとか。韓国のプレースタイルを見てるとそう思わない部分がないでもないけど…。

    最近の選手だと、女子は岩清水、男子は大久保、遠藤あたりがとりあえず頭に浮かぶのだった。
    日本人には日本人に合った方法でマリーシアを見につけていく必要があるね、という結び。

  • futebolとサッカーの違い。
    なぜ日本サッカーはマリーシアに躊躇するのかと言ったら、姑息だとか狡さを連想させるし、正々堂々という言葉を正にそれを否定する意味で使っているのだから。
    それでも試合に勝ちたい、ワールドカップを掲げたいのならば、言葉なんて使いようなんで、マリーシアって言葉をブラジル人に教えてもらうよりも、言葉に縛られるなんて馬鹿のやることなので、その妨げになっているこの言葉に新しい解釈を加えれば良いのです。正々堂々とは勝手に余計な規則(ルール)を作らないって意味にしましょう。そうすればマリーシアという言葉がわからなくても、それを身につけられるのだから。

  • 日本語では”狡猾”や”狡賢さ”と訳されるポルトガル語「マリーシア」。日本では忌み嫌われやすい意味ではあるが、サッカーにとっては切っても切り離せない技術であり戦略であり、サッカーを構成する大事な一部である。
    日本人に足りない部分でもあるこの「マリーシア」について、さまざまな立場の目線で考察しています。この本を読んだあとだと、たぶん国際試合の見方が変わると思います。
    いつも真面目に試合に臨むだけじゃダメ。試合に勝つ、という渇望にも近い思いがあるからこそ生まれる技術。それがマリーシア。ルールの範囲内でなんとしても勝つ、その気概が日本選手にも「マリーシア」として出てきて欲しい。
    真面目で素直な日本人にはなかなか受け入れられないかもしれないけど。

  • 2012.03.30 読了

    マリーシアとはなんなのか。

    マリーシアとは、勝ちたいと強く思う心の表れである。
    勝ちたいから駆け引きをし、駆け引きに勝とうとする。
    それがマリーシアになって表れる。

    マリーシアとは決して悪いものではない。
    汚いプレーを意味するものではないのだ。

  • 個サルでも汚いプレーとマリーシアの区別がついていないプレイヤーをよく見かける。
    ただ、ブラジル目線なのでアルゼンチンが悪く書かれているのがマイナス要素。それはお互い様じゃぁ。

  • 選手のインタビューをもとにマリーシアを考える本。インタビューの中で光るものがあるけど、著者の考えが乏しく、まとまりきれていないのが残念な本。取り上げる試合内容のネタも結果論が多く、厳しい評価をつけざるを得ない。

    ただ、ジーコが日本代表監督の際に、日本が舐められないように、マリーシアを発揮して、審判に抗議をすることによって、プレッシャーを掛けていたことが分かったという点では、勉強になった。

  • [ 内容 ]
    時代は戦術論全盛である。
    日本のサッカーファンは戦術を好んで議論し、メディアでは布陣のトレンドが度々とりあげられる。
    だが、戦術は選手のコンディションにとどまらず、ピッチや気象条件などの外的要因からも影響を受ける、繊細で脆いものだ。
    そもそもサッカーとは、相手の長所を潰し合うものであり、チーム戦術や選手個人の技術に頼っていたら、どこかで破綻が生じる。
    それは、今まで国際舞台で日本サッカーが繰り返してきた過ちを見れば明らかだ。
    本書は、インタビューを行なったブラジル人選手の多くが、「日本人にはマリーシアが足りない」と語る、その「マリーシア」の本当の意味に迫る。
    そして、日本が世界で勝つために、「マリーシア」を身につけることが必要不可欠であることを提言する。

    [ 目次 ]
    第1章 マリーシアとはなにか?カカが問いかけたもの
    第2章 賢さが勝敗を決める
    第3章 いつも正直者ではいけない
    第4章 ボールの行方はマリーシアとともに
    第5章 知性と創造性
    第6章 ジーコはなぜ怒ったのか
    第7章 マリーシアはブラジルの「産業」
    第8章 日本人よ、リスクを冒せ!
    第9章 駆け引きの先に「楽しみ」がある
    第10章 マリーシアを持った日本人は誰か?

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • ビエリやロナウドのように完璧なまでにゴールを決め、本田圭佑が言うように「倒れたら負けだ」と常に思ってサッカーをしてきた自分にとってはもっと早めに会っておきたかったと思わせる本。

  • 日本でマリーシアって言葉についてるイメージと、ブラジル人選手のいうマリーシアが少し意味合いが違うのだろうという事が分かった一冊でした。ブラジル人選手のいうマリーシアって、本当は日本に、既に別の言葉がありそうな気もしました。すぐ思いつかないですが。

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著者プロフィール

スポーツライター。1968年、神奈川県生まれ。『Sports Graphic Number』などのスポーツ誌で様々なスポーツノンフィクションを手がける他、海外サッカー、Jリーグ中継の解説も務める。J1・大宮アルディージャの公式ライターの一人でもある。著書に『低予算でもなぜ強い? 湘南ベルマーレと日本サッカーの現在地』(光文社新書)など多数。

「2017年 『必ず、愛は勝つ! 車イスサッカー監督 羽中田昌の挑戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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