- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334037031
感想・レビュー・書評
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どこの企業のおいても現場は存在しており日本の現場力は世界でもトップクラスであろう。
強い現場力を作ることは容易なことではない。
だからこそ、現場力の強さを作り上げることで他社との差別化を図ることができる。
愚直にコツコツと改善を実行していくで強い現場は生まれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ひと通り仕事ができるようになった現場の新人から、マネジメントを行う管理職まで幅広くおすすめしたい良本。
著者の代名詞とも言える『現場力』について深く掘り下げてある。
もちろん、普通に読むだけでも良いが、回し読みや社内研修など内容を共通言語として使えるようにしておくと、指示する側・指示される側の両者に絶大な効果を与えてくれる。
ついでにこの手の本としてはとてもお手軽な金額だということも教材にするにはおすすめ。 -
どうしたらより強い営業に進化できるか。その1つの答えが、現場力なのかな、と思います。どれだけ崇高な戦略を描いてみても、最終現場での実践がついてこなければ、絵に描いた餅。現場の自主的な考え抜く力をどう組織文化に昇華させることが出来るか。答えの無い永遠のテーマーですが、1つずつできることがから初めていきたいと思います。
以下、参考になった点。引用、自分内の解釈も含む。
・戦略を実行するには、現場力が欠かせない。現場力があるから、戦略を立てることが出来る。戦略と現場力はどちらが上位概念ということではなく、お互いに関連しあうものである。
・戦略は模倣されやすいが、現場力は簡単には模倣することが出来ない。だからこそ強い現場力をつくりあげることが、競争優位につながる。
・強い現場力とは、各人が「より良いもの・改善」を自主的に考えに考えて、行動に移せる集合体であり、コストを下げながら価値を高めるという一見両立が困難なことを高い次元で実現させられる現場。その結果「他を凌駕するコストオペレーションの確立」と「新たな価値の創造」が生み出されている状況。
・多くの企業は本社主導で改善プロジェクトが組まれ、現場は「やらされ感」が蔓延しがち。改善の重要性を現場が真に理解し「改善こそが現場の仕事」と思えるように意識を高めていかなければならない。
・業務は放っておくと、肥大化するもの。意識的に「捨てる・止める」を実行すること。また、業務は必ず陳腐化するもの。その時にベターだったものも、常に見直していかなければならない。
・「①意識が無く、能力も無い」→「②意識があるが能力が無い」→「③意識すればできる」→「④意識しなくてもできる」。この④の段階まで昇華させること。これが強い組織文化になる。
・何かが起きた時に頑張るのではなく、何かが起こることを想定して事前に手を打てる「平時の現場力」こそ高めなければならない。
・無関心は、強い現場をつくる阻害要因になる。周囲への興味関心を高める工夫が不可欠。組織密度×組織熱量が現場力の強さを決める。単に人が集まった「集合体」から、一人一人が有機的に繋がって相乗効果を発揮する「結合対」に進化させなければならない。
・5-20-100の法則。まずは、意識的に動ける5%の人間が立ち上がる
その5%の人間がはたらきかけることで、20%の人の意識を変化させる。20%の意識が変われば、そこからは加速度的な変化が起こせる。まずは、5%、20%の変化を目指す。いきなりは変わらないと心得ておくこと。どんな変化も個の情熱から。個の情熱が他にも移っていくことで「組織の執念」へと高まっていく。
・情報の「共有化」ではなく、情報の「共通認識」が必要。伝えると伝わるの違いをよく理解しておくこと。見える化→伝わる化→つなぐ化→粘る化、の順に進化を遂げていくことを意識せよ。 -
日本人は「現場」という言葉が大好きですが、そもそも現場とはどう定義すればよいかと言えば、「あるべき姿があり、それに対して課題解決を図っている状況」を指します。
つまり、現場発での課題認識と、経営トップの組織のあるべき姿がフラットに融合していく状態こそが、現場力が発揮できている経営となります。『経営戦略の教科書』に続く第二弾として、本来の日本的経営の強さを取り戻すために必要なプロセスを、具体的事例を交えて説明した本。 -
大先輩からのリファレンス。勇ましいものの掛けっぱなしになった号令から抜け、企業の体質にどのようにソレを落とし込むか、という観点から多数の国内企業ケースが学べる一冊。 続編というか現在進行形で更新されるWebページ「遠藤功の現場千本ノック」もあり、合わせてチェックすると面白いかも。
自ら考え問題解決する組織をつくらなければ必ず組織は陳腐化するというのが、現場力養成の大前提であり、かつ最も上級な取り組みでもあるというのがすごく腹落ちしました。前提だからといって当然ではない、うん。
そのような前提に立って、更にどのような「クセ」を、組織特性に合わせて持つか。 クセというのは継続的に行動を規律するので、即ち組織の文化や価値に直結している、という点は “ビジョナリーカンパニー”以下、多くの書物が指摘する点と同じくするところだと思いました。
組織という存在の、カラダの部分はどのように設計され施工されていくかという学びがありました。 -
活力にあふれ、価値を生み出し続ける現場の力とはどのようなものか、現場力を高めるためにはどのような取り組みが必要なのかが理解できた。
また各章末のケーススタディも実際の事例が紹介されており、具体的なエネルギーが伝わってきた。
ツールに満足する、表面だけ真似するのではなく、意識と熱意の継続の大切さを感じた。
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【現場力を磨くためのバイブル】
「現場力を磨く」とは、現場におけるオペレーションの最大化を図るということ。本書は、日本企業を初めとして、世界でお手本とされている企業の現場力を研究し、それを身につけるためには何が必要なのかを提示しています。
読んでいて、感覚的に
「こんな会社で働きたいな〜」
「こんな環境で仕事が出来たら、どんなに幸せなんだろう」
と思います。
ただ、言うは易く行なうは難し。
本書を読み基礎を学んだ上で、実践し、会社に現場力を付けさせることが非常に難しいのだと感じます。「昨日の今日」では、構築されないのが、この「現場力」。
将来、自分が店舗を持つ時が来たときは、この「現場力」を実践していきたいと思います。 -
生産の現場にフォーカスし、経営の位置づけを説明した一冊。
今こそ現場の智慧が問われる時代に、「現場力」は考察したいテーマで
ある。 -
オペレーショナル・エクセレンスを構築するためには、日々のカイゼンが必要。
カイゼンにボトムの意見がトップに響くような見える化を構築する。
その上で、社員一人一人の主体性、自主性が何よりも重要になってくるだろう。 -
早稲田大学ビジネススクールの教授であり、外資系コンサルティングファームのローランド・ベルガーの会長を務める遠藤氏。
特にローランド・ベルガーは現場を重視するファームで有名である。そのトップの遠藤氏の現場感がわかる一冊。だと期待していたのですが・・・
書かれていることはわかる。
現場=オペレーションの実行部隊である人間が優れたパフォーマンスを発揮する会社=オペレーショナル・エクセレンス
その組織になるためにはどうしたら良いかを、半理論的+ケーススタディから学ぶ経験則の2つから説明している。
が、ケーススタディに採用している企業が汎用的ではなく、説明の妥当性を強めるための素材として描かれている。
別にこれは間違いではないし、論文なんかを書く場合は称賛に値する書き方であるが、問題は遠藤氏の主張である。
非常に抽象的であり、これを読んでも、「読んだ気」にはなるが実行に移そうとすると「どうしたらよいのだろう?」となってしまう。
間違っても、ヤマト運輸やTOYOTAの真似はしないでね。これが本書の最大の欠点である。
すなわち、読んだ気になり、これを実際のビジネスで応用するとなると、そこに非常にGapが存在し、目先の経験則=本書で採用されている他社のサクセスストーリーを自分の部署や会社で適用しようとする。
問題は具体的に、どのように現場の問題意識を育むか。そして人材を育てるか、会社のビジョンを共有できるかだと思う。
本書は、ビジョンが共有できた会社は強いという論旨なので、じゃあ、どうしたらそのビジョンを共有できる「仕組み」を構築できるのか、だと思う。
そこら辺が曖昧なのでいまいちしっくり来ない書籍であった。