名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)

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  • 光文社
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感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038113

感想・レビュー・書評

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  • 宝塚でアナスタシアを見て、ロマノフ家の歴史に興味を持った。
    同著者のハプスブルク家の方を読んで、この方の本なら間違いないと思った笑

    まじでめちゃくちゃ面白かった!
    世間に相手されない田舎の国からヨーロッパの国々と肩を並べる大国になり、そして一家処刑されるまでの歴史。

    めちゃくちゃ面白いんだけど、ロシア史は重く感じる。すぐ暗殺したり拷問するし隠蔽する…。
    そして気に入らないやつはすぐシベリア送りにするのが面白かった。日本で言うところの隠岐みたいな感じですかね。シベリア広しといえども、これだけの人数シベリア送りにしてたらそこで文明が発達しても良さそうな。。

    そして思ったより血を重視していないというか。生粋のロシア人ではなくドイツ人とか、他国の血が色濃く入っていてもツァーリになれる点は他の皇室とは違う気がした。

    ゴールデンカムイやはいからさんなど、ちょうどロシア革命前後や日露戦争、アレクサンドル二世の暗殺など、ちょうど時期が被ってるのですごい面白かった。
    ロシア史もっと勉強したくなった。

  • ロシア旅行の前に、この本を読み出かけました。
    旅がより深く楽しめました。

  • 『興亡の世界史 ロシア・ロマノフ王朝の大地 』(講談社学術文庫) 土肥恒之著と並行して読んだ。
    息子であり有望な皇太子を王杖で殺してしまう雷帝「イワン雷帝と息子イワン」、
    窓の外に絞首刑の死体がぶら下がる「皇女ソフィア」、
    ソ連時代には切手にもなったというペトロパヴロフスク監獄で溺死寸前の「皇女タラカーノヴァ」、
    身長の低さがわかる「エカテリーナ二世肖像」、
    ナポレオンのロシア遠征の末路「ロシアからの撤退」、
    中世ロシアを写し取っている。
    中野京子の筆致も読みやすく引き込まれていく。
    シリーズにハマりそうな予感。

  • 名画で読み解く王朝シリーズ。相変わらず面白い!
    ロシアの秘密主義や陰湿さがじわじわと恐ろしい。
    広大な領土を力で押さえつけたことの副作用が
    いまの時代も続いている気がする。

  • ロシアといえば最後の皇帝ニコライ2世とかエカテリーナ2世くらいしか知らなかったけど、大変楽しく読めました。
    圧倒はされても何を誰を描いたのか、日本人には分かりにくい絵の歴史的背景が分かりやすくて面白かったです。

  • ロマノフ家12の物語。
    ロマノフと聞いて思い出すのは、大津事件とラスプーチン、そしてアナスタシア。ただ、「ゴールデンカムイ」の存在でアレクサンドル2世暗殺事件の印象も強い。
    エリザヴェータとエカテリーナ女帝のふくよかな肖像画。この2人の女傑があるから、ソフィアはああいった女丈夫になったんじゃなかろうか。

    個人的なことですが、第10章の山下りんにものすごく琴線を震わされました。彼女の存在を知っていたわけではないのですが、たまたま最近本屋さんで見かけて買ったのが、彼女を書いた小説「白光」でした。この本を読む前だったし、山下りんという人を知っていたわけでないのに、面白そうと思って買った本が予想外につながってしまったという奇跡。自分しかわからない感情ですが、運命的な衝撃でした。大袈裟かな。
    なので、次は「白光」読もうと思います。この昂った気持ちが静まる前に、わくわくを抱えたまま。

  • ロマノフ家と言えば、ピョートル大帝か一家全員銃殺されたニコライ二世あたりが有名かなと個人的には思うけれど、流石300年続いた一族、エピソードには事欠かない。
    女帝への道の基礎を作った女傑ソフィア、やたら短命なツァーリたち、とにかく家族仲が悪い、そしてやたら逞しく太ましい女帝たち……いやもう、本当に濃い。

    そんなロマノフ家を様々な絵画を通して追いかけていく一冊。
    勿論ラスプーチンもいますぞ。
    あの嘘かよとツッコミを入れざるを得ないエピソードも勿論紹介されていて、今回もツッコミを入れました。
    人間ではなかったのかもしれん。

    びっくりしたのは、ロマノフ家の話なのに日本人のしかも女性のイコン画家が出てきた件。
    先にも挙げたニコライ2世が日本贔屓だったこと、大津事件の被害者なのも知ってはいたが、日本に来た彼へのお土産として渡すイコン画を日本人女性が手掛けていたことを全く知らなかったので驚いたの何の。
    男性ですら西洋画家を名乗るのも難しかったであろう時代に女性がイコン画とはと。
    彼女の波乱万丈であっただろう人生を思うと、いたたまれなくなるというか……エピソードを見る限り、逞しかったようにも思うが。

    とにかく血生臭いエピソードの多いロマノフ家、「うわあ」と思いながらも興味深く読ませていただきました。
    『怖い絵』など他の著書でも登場した絵も出てくるので、馴染みあるものもあるかも。
    流石中野先生、複雑な歴史でも大変読みやすかったです。

  • まず年表のなかで、偽皇帝がいたり、まともな死に方をしている人がぜんぜんいないことに戦慄。
    わたしは世界史をきちんと習ったことがないので、断片的な知識をつなげるという意味でも、新しい発見としても面白かった。
    絵が切り口ではあるけど軽めの歴史書としてもわかりやすい。


  • 怖すぎた...

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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