「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」 (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
3.56
  • (4)
  • (16)
  • (11)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 159
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039929

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ・どこでお金を落としてもらうのか、どうやってお金を生み出すのかという仕組みづくりにもっと真剣に取り組むべき。(自然観光や文化財ではお金を落としてもらえない)。観光振興の目的が、地域創生なら尚更必要。
    ー観光消費総額=観光客数×平均消費額×平均滞在日数
    ・外国人観光客がどのように食事を取っているか、探しているか知るのは研究として面白いかも(現地の人が普段利用している安価な食事)
    ・夜の観光と宿泊の関係
    ・英国タウンセンターマネジメント(街歩きの楽しさ+飲酒を伴う消費)
    ・鉄道が24時間走れない理由は?
    ー深夜メンテナンス、深夜騒音(都市計画でなんとかなるんじゃない?)
    ・ハシゴ酒
    ・鉄道会社に勤めるならナイトタイムエコノミーの推進だなぁ。ロンドン、ニューヨークには勝てない。
    ・八戸 あさぐる
    ーモーニングタイムエコノミー

  • カジノを専門に研究する著者が夜遊べるスポットの効用について自身の研究やデータから解説した一冊。

    1日の中で夜暗くなってから朝が来るまでの時間を過ごせる場所として、ハロウィンなどのイベントとして近年定着はしてきましたが、本書を読んでニューヨーク、イギリス、シンガポールとさまざまな国のナイトタイムビジネスと日本との比較を読んでもまだまだ足りない部分があることを感じました。
    地下鉄の24時間運行やナイトメイヤーによる振興活動といったことを自治体が率先して時間をかけて取り組んでいることが功を奏していることは印象に残りました。
    また、日本の中でもルミナリエと新宿ゴールデン街や湘南地域と渋谷のスクランブル交差点を対比していかに地域や顧客と向き合っていくかも書かれており、非常に印象に残り、有用な知識となりました。
    また、著者が専門分野でもあるカジノを軸とするIRについての解説もシンガポールと韓国の事例をもとに解説されており、成功と失敗の要因がわかり非常に勉強になりました。

    行政、市民、産業の相互理解やぼったくりなど不正への取り締まりなどのリスクや治安、騒音といった問題があるとは思いますが、遊休不動産を活動することによる地方税収や訪日客消費の増加など国家においてもプラスになることがかなりあり、今後重要視されてくるであろうと感じました。
    法的な部分や利便性などすぐには解決できない問題は多くありますが、うまく折り合ってナイトタイムエコノミーが普及していけばいいとも感じました。

  • ナイトタイムエコノミーについて詳しく調べていて、本書に巡り合いました。

    訪日外国人の需要を取り込む目的で、政府が力を入れ始めていると思っていましたが、地域経済振興の狙いもあり、進行の先には税収増も見込めるという、創造よりも大きなマーケットになりそうだと感じました。

    夜の遊び=飲み会、だけではありませんね。ハロウィンやイルミネーション、花火など、大人も子どもも楽しめる夜のエンターテインメントはあります。

    「ナイトメイヤー」のような、安心して夜を楽しめる環境づくりと、交通機関の充実が課題ですね。

  • 日本では特に「夜は寝るものだ」という固定観念があるが...という話の展開で、主張としては分かるけれど、今まで読んだ睡眠についての本などを思い出すと、昼働いて夜は寝るという方が健康のためには良さそうに思えて、本書はそれとは別の「経済」という角度からの視点であり、そのあたりのバランスを上手く取る必要があるのかもしれない。「クールジャパン」、「地方創生」、「観光振興」などマジックワードが挙げられているけど、最近だと「働き方改革」とかなのかも。

  • 新橋の夜の経済にはずいぶん貢献しているつもりだが、やはり、夜をどのように盛り上げるかは課題だと思う。この本には登場しないが、兵庫県の城崎温泉は、町を活性化するために、外湯を推奨し、内風呂の大きさを制限、外湯から、温泉街の活気(ビジネス)を伸ばし、町ぐるみで潤うようにしていると。夜の経済のための商業、法整備、組織などが網羅されている。

  • 夜が早すぎる優等生観光国家、日本。観光客それ自体はコストであるという目からうろこの指摘。観光客の人数を増やしても、お金を使ってもらえなければ(平均消費額と滞在日数を増やさなければ)意味が無い。
    自分にとっては新鮮な情報がてんこ盛りであり、啓蒙書であった。ゴールデン街潰してしまえ、クラブは締めつけろ、客引き禁止条例いいじゃない、と単純化していた不見識を恥じる。
    24時間メトロはかなり難しいが、24時間都営バスは十分勝算がある。実験路線の敗因も、勝算の提言も説得力あり。
    狭い国土でどうしても生じる「近隣住民」問題。海ほたるを拡充してカジノ都市にしちゃう、くらい気宇壮大なプランでもぶち上げてくれんかね。

  • 夜の観光資源というのがふわっとしててよくわからなかった(ドンキが開いてるくらいでよいのか…?)けど、総じて面白かった。

著者プロフィール

1976年広島県生まれ。国際カジノ研究所所長

「2017年 『これからの地域再生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

木曽崇の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ベン・ホロウィッ...
フィル・ナイト
ジャレド・ダイア...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×