「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトタイムエコノミー」 (光文社新書)
- 光文社 (2017年6月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334039929
感想・レビュー・書評
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・どこでお金を落としてもらうのか、どうやってお金を生み出すのかという仕組みづくりにもっと真剣に取り組むべき。(自然観光や文化財ではお金を落としてもらえない)。観光振興の目的が、地域創生なら尚更必要。
ー観光消費総額=観光客数×平均消費額×平均滞在日数
・外国人観光客がどのように食事を取っているか、探しているか知るのは研究として面白いかも(現地の人が普段利用している安価な食事)
・夜の観光と宿泊の関係
・英国タウンセンターマネジメント(街歩きの楽しさ+飲酒を伴う消費)
・鉄道が24時間走れない理由は?
ー深夜メンテナンス、深夜騒音(都市計画でなんとかなるんじゃない?)
・ハシゴ酒
・鉄道会社に勤めるならナイトタイムエコノミーの推進だなぁ。ロンドン、ニューヨークには勝てない。
・八戸 あさぐる
ーモーニングタイムエコノミー詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カジノを専門に研究する著者が夜遊べるスポットの効用について自身の研究やデータから解説した一冊。
1日の中で夜暗くなってから朝が来るまでの時間を過ごせる場所として、ハロウィンなどのイベントとして近年定着はしてきましたが、本書を読んでニューヨーク、イギリス、シンガポールとさまざまな国のナイトタイムビジネスと日本との比較を読んでもまだまだ足りない部分があることを感じました。
地下鉄の24時間運行やナイトメイヤーによる振興活動といったことを自治体が率先して時間をかけて取り組んでいることが功を奏していることは印象に残りました。
また、日本の中でもルミナリエと新宿ゴールデン街や湘南地域と渋谷のスクランブル交差点を対比していかに地域や顧客と向き合っていくかも書かれており、非常に印象に残り、有用な知識となりました。
また、著者が専門分野でもあるカジノを軸とするIRについての解説もシンガポールと韓国の事例をもとに解説されており、成功と失敗の要因がわかり非常に勉強になりました。
行政、市民、産業の相互理解やぼったくりなど不正への取り締まりなどのリスクや治安、騒音といった問題があるとは思いますが、遊休不動産を活動することによる地方税収や訪日客消費の増加など国家においてもプラスになることがかなりあり、今後重要視されてくるであろうと感じました。
法的な部分や利便性などすぐには解決できない問題は多くありますが、うまく折り合ってナイトタイムエコノミーが普及していけばいいとも感じました。 -
日本では特に「夜は寝るものだ」という固定観念があるが...という話の展開で、主張としては分かるけれど、今まで読んだ睡眠についての本などを思い出すと、昼働いて夜は寝るという方が健康のためには良さそうに思えて、本書はそれとは別の「経済」という角度からの視点であり、そのあたりのバランスを上手く取る必要があるのかもしれない。「クールジャパン」、「地方創生」、「観光振興」などマジックワードが挙げられているけど、最近だと「働き方改革」とかなのかも。
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夜が早すぎる優等生観光国家、日本。観光客それ自体はコストであるという目からうろこの指摘。観光客の人数を増やしても、お金を使ってもらえなければ(平均消費額と滞在日数を増やさなければ)意味が無い。
自分にとっては新鮮な情報がてんこ盛りであり、啓蒙書であった。ゴールデン街潰してしまえ、クラブは締めつけろ、客引き禁止条例いいじゃない、と単純化していた不見識を恥じる。
24時間メトロはかなり難しいが、24時間都営バスは十分勝算がある。実験路線の敗因も、勝算の提言も説得力あり。
狭い国土でどうしても生じる「近隣住民」問題。海ほたるを拡充してカジノ都市にしちゃう、くらい気宇壮大なプランでもぶち上げてくれんかね。 -
夜の観光資源というのがふわっとしててよくわからなかった(ドンキが開いてるくらいでよいのか…?)けど、総じて面白かった。