顔のない敵 (カッパ・ノベルス)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334076399

感想・レビュー・書評

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  • 対人地雷を題材にした六編と、デビュー作「暗い箱の中で」を収録した短編集です。

    対人地雷という社会問題とミステリの組み合わせは、長編デビュー作である『アイルランドの薔薇』を彷彿とさせます。

    あまり馴染みのない、対人地雷という題材が、様々な角度から取り上げられているのが興味深く、勉強にもなりました。

    デビュー作である「暗い箱の中で」は、短い中にも現在の作風に通じる要素が感じられ、その独自性が既に発揮されていることに驚かされます。

  • 作者の、人を淡々と粛々と追い込む表現が、いつも好き。
    相手は、自分がそこまでメンタル削られてると気づいてなくて、立ち上がった時に初めて歩けないほどのダメージが加わってた事に気づく。

    私が削る方だったら、その瞬間。小さくガッツポーズするだろうな。

  • 地雷に関した短編。色々考えさせられた。コン君が成長しているところは、いいなあと思った。

  • 2007.4

  • 地雷を題材にした短編です。舞台は海外ですが違和感なく読めました。最初の話で殺される役の登場人物が他の話では主役にになっていたりして読み終わる頃には一つの長編を読んだような感覚が得られました。

  • 軽い気持ちで読んだのに、気付いたらとても熱中していた。
    ミステリとしてのおもしろさはそのままに、勉強になる内容。普段小説ばかり読んで新聞には目を向けなかったが、広い知識が必要だと痛感させられた。小説の面白さだけでなく、内容の深さが素晴らしい。

  • 「対人地雷」にミステリを絡めた短編集です。
    地雷の種類や現状を知ることができ、大変面白かったです。

    ただ、「地雷は絶対悪」「地雷除去は絶対善」で進んでいくので
    読み手に考える余地を与えてくれない強引さが残念でした。
    (もちろん地雷は卑劣な兵器ですが)

    また、作中で散々批判されていたサイモンですが
    私はそこまで彼のことを憎く思うことはできませんでした。
    登場人物に感情移入ができず、置いてけぼり感があったのは
    地雷への知識が未熟だったからかもしれません。

  • (収録作品)地雷原突破/利口な地雷/顔のない敵/トラバサミ/銃声でなく、音楽を/未来へ踏み出す足(日本推理作家協会賞候補(60回/2007年))/暗い箱の中で

  • 月の扉を読んで以降、好きでよく読んでいる作家さんの短編集です。
    ミステリーでありながら、テーマは「地雷」。
    対人地雷の除去を行うNGO団体、対人地雷の被害者、ジャーナリストや地雷の開発を行う技術者も出てきます。
    短い中にも丁寧なで論理的な推理があり、意外な犯人、意外な動機などバラエティーに富んでいます。長編に比べると推理なども薄く物足りないところもあるかと思いますが、短いながらしっかりまとめてあると思いました。
    表題作の「顔のない敵」などはミステリーとしても十分楽しめ、かつ地雷の被害者の状況などもしっかり伝えていて印象深かったです。

  • 地雷がテーマの短編集。
    すごく重そうなテーマなのに、作品自体は軽い、というのが良いと言う人もいればダメな人もいそうです。

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著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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