毒猿: 新宿鮫2 (光文社文庫 お 21-6)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334726560

作品紹介・あらすじ

歌舞伎町の女・奈美。孤独な彼女が心惹かれる外国人・楊は、謎の影を持つ男だった。一方、「新宿鮫」と恐れられる新宿署刑事・鮫島は、完璧な「職業兇手」(殺し屋)が台湾から潜入していることを知る。「毒猿」と呼ばれる男が動きはじめた刹那、新宿を戦慄が襲う!鮫島は、恐るべき人間凶器の暴走を止められるのか?奈美の運命は…。

感想・レビュー・書評

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  • 新宿鮫シリーズ読み直し。

    ハードボイルドにハマるキッカケを作ってくれた、鮫島警部。
    初めてこの作品を読んでから、15年ぐらい経ち、読み返してみると、ストーリーの展開や殺し合いの描写がイマイチと思ってしまった。
    ただ、描かれる新宿の地名や建物、場所は実名なので、とても身近に感じさせてくれるところは、今も変わらず楽しめる要素。
    東京産まれ東京育ちのくせに、かつ、よく新宿で買い物するのに、新宿御苑の中には入ったことがない。今度寄ってみよう。

  • 鮫島最高!シリーズ2作目。すごく面白かった。源氏名と本名が異なっているという当たり前の事が分からなくて、少し混乱した。一気に読ませていただきました。このシリーズハマりそう。

  • 新作を首を長くして待っているスリーズ。
    姿勢正しく読む作品!

  • 2回目のハードボイルド鮫島。晶との関係性は緊張感があるが、何故か2人の一挙手一投足に興味を引きますねー。この年齢差、ちょっと無理があるかな?と思いきや、仲が良くてうらやましい。今回は元台湾軍人の復讐物語。殺人描写のグロさはあまり感じませんでした。奈美への仕打ちは、少し辛かった。復讐までに、ホステス・奈美、日本のやくざ等が登場し、話の流れは素晴らしかった。今回死者36名はすさまじい、鮫島、超クールだったぜ!!3回目の鮫島にも会いに行こう!2人の関係性にも注目ですね。

  • 新宿に台湾から暗殺者が紛れ込んだ。鮫島は代打仕事で台湾からの観光客と名乗る郭と知り合う。郭は台湾の警部。それもかなりのエリート。かつての同僚であり、暗殺者になってしまった男を探しているという。日本と台湾、所属する国は違えど同じ警察官。鮫の旦那が郭さんに心開くのが意外だったが、うまがあったんだろうね。「あなたの背中、私、守ります」郭さんのこのセリフにぐっとくるものがあった。自分の行動を後悔し続ける葉とこれからを後悔しないために動く鮫島との対比の仕方に心動かされる。鮫島は覚めたように見えるが情に厚いんだよな。

  • 個人的には1作目の方が好きだったが、クライマックスの新宿御苑での戦闘シーンは迫力がありました。

  • 映画化希望。

  • 「鮫」にやられてしまえば、この世に戻ってくることは、もうできないのでしょうか?次はなんだったっけ?

  • 初めて新宿鮫シリーズを読んだが、なかなか面白い。いろんな人の視点でストーリーが進んでいくが、展開が早いので飽きることがない。あとアクション場面もなかなかに鮮明に描写されているので、読みながら情景が思い浮かぶ。

    警察とヤクザ、そして台湾ヤクザ。それぞれの立場が交差し、事件は終焉を終える。新宿が舞台であるが、この話がもし本当だとやっぱり怖い街であると思った。分厚く感じるが3時間ほどあれば読めると思うので、気軽に読めるだろう。

  • 夫の友人が、オススメの本として厳選した10冊の本を貸してくれました。
    その中で私が1番に選んで読んだ本がこちらです。

    新宿鮫シリーズは昔何冊か読んだことがあり、絶対に面白いと分かっていたからです。

    本作も期待を裏切らず、やっぱりとても面白かった。
    ちょっと人が死に過ぎだし、バイオレンスな描写が激し過ぎて読むのが辛い箇所があったので☆は一つマイナスしていますが、一気に読めてエンタメ性は抜群です。

    殺し屋が不敵に迫ってくる過程が特に読みごたえがあり、ヤクザ達の恐怖心がMAXになっていくと同時に私もドキドキが止まらなくて~
    しかも、単純な殺し屋と鮫島の戦いではなく、台湾刑事と殺し屋、鮫島と台湾刑事の友情を絡めたり、殺し屋とホステスとの奇妙な愛情による哀愁が、この小説に深みを与えています。
    さすが、ハードボイルドの金字塔と言われるだけありますね。

  • 毒猿―新宿鮫〈2〉 (光文社文庫)

  • 本作から読んでもわからないことはないが、やっぱり1から読まないと面白さは半減すると思う。
    なんてったって主役の3人がすべて台湾人で、鮫島が脇役なのだから驚きだ。
    その3人とは、マフィアのボス「葉威(イェーウェイ)」と、彼を狙う最強の職業兇手(プロの殺し屋)「毒猿(ドゥユアン)」、そして毒猿を追う武闘派刑事「郭栄民(グオヨンミン)」だ。
    あとがきで著者が「エイリアン2」の名を挙げていたが、本作の一番のすごさはこの「2作目における大胆な転換」にある。ハードボイルド界のZガンダムだった。

  • 新宿鮫・第2弾。
    元、台湾特殊部隊の隊員だった刑事・郭。
    そしてその男が追う殺し屋・毒猿は、部隊で最も恐れられた手練れだった。
    郭と鮫島は、お互いに同じ匂いを感じながら行動を共にすることに。
    やがて日本のヤクザとの闘いの中で、毒猿の脅威的なポテンシャルが明らかになって行く。

  • ファンにはたまりません。

  • 一匹狼の凄腕刑事・鮫島が主人公の新宿鮫シリーズの第2作目です。
    台湾の刑事・郭はかつての同僚で、今はプロの殺し屋である毒猿事、劉を追って日本に旅行を装いやって来て、そこで鮫島と出会う。
    そして殺し屋・劉は自分を裏切ったかつての雇用主・葉を追っている。
    この三人の台湾人の因縁を中心に物語は進んでいく。
    特筆すべきはアクションシーンの迫力と、殺し屋・劉の殺し屋としてのプロの仕事っぷりがリアルに描かれているところです。
    非常に読み応えのある作品でした。

  • 新宿鮫シリーズの中で一番痛く、怖くなった!実際に自分が拷問されているかのような表現。でもそれがあるから、ハードボイルドが成り立ってる。

  • 歌舞伎町のキャバレー「ローズの泉」で、店長の亜木という男が、店で働いていた中国人の楊という男に殺害されます。この店で「奈美」という名前で働いていた清娜は、日頃から亜木に酷使されていた楊に同情し、彼を助けようとしますが、亜木と交流のあった暴力団員の安井に疑いの目を向けられることになります。

    一方鮫島は、台湾からやってきた刑事の郭栄民という男と知り合います。彼は「毒猿」と呼ばれるプロの殺し屋を追って日本にやってきました。毒猿は、かつて彼を雇った台湾マフィアのボスである葉威に裏切られ、復讐のために、日本のヤクザを頼って来日した葉威を追ってきたのです。

    殺し屋の毒猿とヤクザ、警察の三者が織り成す起伏のあるストーリーもさることながら、どこか似たところのある鮫島と郭の2人の間に信頼が生まれていくところがおもしろく読めました。前巻以上に男が憧れる鉄板ネタをブチ込んできたという感じがします。

  • シリーズ2作目。2作目はだいたいが前作より面白くないよなと思いながらも読み、中盤までは物足りなさを感じたが、後半から楽しくなってきた。
    台湾で騒ぎを起こしていたヤクザと殺し屋が日本に来ており、それを台湾刑事が追う。台湾刑事と出会った主人公もその件に関わっていき、新宿でまた大事件となっていく話。
    「濃い新宿の空気」、「何かにすがりたい」、「新宿に暮らす頼りのない女性の感情」、「孤独な新宿」を感じる。
    死地に赴く主人公の気持ちはよく分からず、もう少し心理描写的説明がほしかったな。いや、いくら説明してもらっても私には分からない世界なのだろうな。

    【学】
    元のレートを調べてみた1元が17円

  • 【作品紹介】
    凄腕の殺し屋・毒猿が新宿に潜入。彼を裏切った台湾マフィアのボス・葉が標的だ。孤独な毒猿に心惹かれた奈美は、その復讐劇に呑み込まれていく…。台湾の敏腕刑事・郭とともに、毒猿の爪痕を追う鮫島。葉を匿う暴力団・石和組と毒猿の全面対決が迫る!新宿御苑を舞台にした決戦の果ては!?そして奈美の運命は!?シリーズ最強の敵が鮫島の前に立ちはだかる。

    【感想】
    いくら小説でもスケールを拡大しすぎ?と思ってしまうところはあるが、さすがの新宿鮫シリーズ、次の展開が気になってどんどん吸い込まれていってしまう。
    1作目と変わらぬ、スピード感のあるエンターテイメントな作品。
    もちろん次も読む。

  • 今の新宿を先取りした感じ。構成が実際的で、人物に魅力がある。先が割と早く読める。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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