- Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334732127
感想・レビュー・書評
-
井上雅彦監修、異形コレクション7冊目にしてようやく満足する。本書「玩具館」全般に良作品多し、竹本健治著『フォア・フォーズの素数』はもちろんなのだが、飯野文彦著『怪魚知音』の猟奇的描写の突き抜け感が半端ない。好きな人にはおすすめ
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一番印象に残ったのは竹本賢治の「フォア・フォアーズの素数」。あの数式の発想は純粋に感心しました。他に面白かったのは雨宮町子「来歴不明の古物を買うことへの警め」、村田基「人形の家」、宮部みゆき「オモチャ」です。
-
同コレクションもこれが20巻目だという。今回のテーマは「玩具」。同一テーマによる書下ろしアンソロジーというこのシリーズ自体が(監修者が序文で触れているように)大きなオモチャ箱に擬えられるのかもしれない……と、箱じゃ収まりきらないから「玩具“館”」なのだったっけ。
軽妙なタッチのミステリーから悪趣味極まりないグラン・ギニョルまで(ここでの玩具は無論……)、一口に「オモチャ」テーマといっても作品は(いつにもまして)バラエティに富んでいるように思う。まさにオモチャ箱を引っくり返したが如く。
ところでホラー界での「オモチャ」のトップスター、個人的には「チャイルド・プレイ」のチャッキーだと思うのだが。 -
「玩具」というのはかなり惹かれたテーマ。実際、おもちゃ箱みたいで非常に楽しかった一冊。
やっぱり江坂遊は上手い! 「瑠璃色のびー玉」は一番短いけれど、一番気に入った作品。
怖かった(そして気に入った)のは皆川博子「猫座流星群」、北原尚彦「貯金箱」、安土萌「ぼくのピエロ」。今回は、全体的に気に入った作品が多くて嬉しかった。
ただし竹本健治「フォア・フォーズの素数」は頭が痛くなったけど(笑)。理数嫌いには拷問。「!」の記号はいったいなんなのだろう?