白昼の死角 新装版 (光文社文庫 た 4-32 高木彬光コレクション)

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  • Amazon.co.jp ・本 (848ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334739263

感想・レビュー・書評

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  • 昔から題名だけは聞いてたけど、読んだらすごい面白かった。導入のところがとてもすばらしい。これも記号接地かなー。男の願望とか。築地の協会とか。日本橋のあたりとか。土地のリアリティがいいんだよね。

  • [江東区図書館]

    小山昇の「1日36万円のかばん持ち」を読んだところ、巻末の特別付録「三流が一流に一夜にして変身!3日で108万払った社長も知らない!役立つ着眼点・習慣・秘録リスト24」で紹介されていたので知り、読んでみようかと思った本。

    曰く、20回以上読んだが、15回目に「完全犯罪の本質は"整頓"だった」ことを、知ったそう??どんな話なんだろう?緻密な計算をした犯人?さすが環境整備を説き、「朝30分の掃除から儲かる会社に変わる―社員ニコニコ業績ピカピカの法則」なども発刊している方の感想だわ。

  • 戦後の混乱期に手形の詐欺を次々と働いた天才詐欺師の話。
    正直、手形のことがよく理解できていないので詐欺の方法がすごいのかどうかがよくわからない。さらに、法律の盲点を突いているようなのだが、そのへんもよくわからない。
    が、おもしろかった。
    詐欺でお金をだまし取って豪遊することが目的なのではなく、詐欺をしたいからするという感じ。そこには良心の呵責もなく、やりたいことをやってるだけ。
    でもさすがに被害にあった会社の人たちはかわいそうになった。

  • 【友人蔵書】文庫1冊848ページは物凄いボリューム。戦後の復興期に経済が混乱していることに乗じた経済事犯だが、事実を下敷きにしているとは思えないほどエンターテイメント性の高い小説だった。本書を原作とした映画が上映された記憶だけはあったが、小学生だった当時の自分には興味がなかった。今こうして友人から薦められて読む機会ができたことは幸いだ。主人公・鶴岡側の人々も、詐欺被害にあった人々の中からも死者が出てくる段になって、単純な怪盗譚ではない生々しさを感じた。

  • あとがきも含みますが、全848頁の分厚い1冊文庫本です。

    戦後日本で実際に起きた経済犯罪をモデルとし、犯人の視点から描いています。そのためか、読み進めていくうちに「こんな悪党がいたのかねぇ」とある意味で感心してしまいました。

    多少、手形取引の知識だとか昭和20年代の背景などの予備知識があれば、若いかたでも面白く読めると思います。

    元々、読書が苦手だった私ですが、この分厚い文庫本をあとがきまで読みきった時の達成感(?(笑))は感動的でした。

  • 昭和40年台の映画みたーい。
    スティングを思い出した。

  • 面白かった!分厚いがあっという間によめる。頭良すぎです。とても現実にあったと思えない・・・

  • 作者が「これ以上の悪党小説は書けなかった」と語る。実在した天才的知能犯の犯罪を元にした推理小説。推理小説といっても殺人ではなく、金融それも手形のパクりと言う詐欺。犯人も分かっているのだが、その毎回異なり、スケールも段々大きくなっていく巧妙な手口、危機の乗り越え方など、800ページ近くあるが引き込まれて、あっという間に読める。

  • 経済や金融について深い話がされているが
    知識がなくとも楽しめる本。

    事実を基にした小説だがまるでフィクション。
    そして長い。

  • 天才詐欺師、鶴岡七郎。戦後の混乱期にこんな犯罪者が実在したなんて事実は小説よりも奇なり。
    手形をパクル詐欺事件、お金がとにかく欲しい人たちは巧妙な手口にはまってしまうのだろう。恨みがヤクザによるサルベージという形をとる。こんな手を使うことからも騙された会社側も問題があるのだろう。
    表からは見えない、裏の社会が世の中には存在しており、そこを泳ぐ深海魚みたいな男たちがいるのだ。
    読み応えあり!

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著者プロフィール

1920年9月25日、青森県生まれ。本名・誠一。京都帝国大学工学部冶金科卒業。48年、失業中に書いた「刺青殺人事件」が江戸川乱歩の推薦で出版され作家デビューし、「能面殺人事件」(49-50)で第3回探偵作家クラブ賞長編賞
を受賞する。79年に脳梗塞で倒れるが過酷なリハビリ生活を経て再起、「仮面よ、さらば」(88)や「神津恭介への挑戦」(91)などの長編を発表。作家生活の総決算として「最後の神津恭介」を構想していたが、執筆途中の1995年9月9日に入院先の病院で死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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