龍臥亭幻想(上) (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334743178

作品紹介・あらすじ

石岡和己、犬坊里美、そして加納通子-。雪に閉ざされた龍臥亭に、八年前のあの事件の関係者が、再び集まった。雪中から発見された行き倒れの死体と、衆人環視の神社から、神隠しのように消えた巫女の謎!貝繁村に伝わる「森孝魔王」の伝説との不思議な符合は、何を意味するのか?幻想の「龍臥亭事件」が、いま、その幕を開ける。

感想・レビュー・書評

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  • 龍臥帝事件以来8年ぶりに訪れた貝繁村で伝わる「森孝魔王」伝説
    失踪しコンクリートの下で見つかる少女、両足と首を失い再び現れたナバやんの死体、血溜まりに転がる日照さんの首と右足、人体接合実験を夢見る伊勢やんと獣子として生きた櫂さんのの失踪、鎧を纏って起き上がる片足の死体、動く死体に首を切られた菊川
    上巻は大地震による地割れで少女が出現するまで。巻を締めくくる日照さんとの不穏な会話が彼の内面と事件の火種を物語っている。
    数々の事件を経たことで自己を律し体をはって事件に向き合う石岡先生の成長ぶりたるや。

  • 龍臥亭事件のメンバーが出てくる。許せないことってあると思う。そのときどうするか。哀しい事件。事件は大抵哀しいものか。

  • 石岡和己が主人公。犬坊里美も注目。御手洗が電話出演。加納通子も出演したため吉敷の登場もある、ファンサービス作品。

  • 龍臥亭にてまた新たな事件に巻き込まれる石岡さん。上巻はまだ序章。ホームレスの凍死体と、アスファルトの下から死体が見つかる。

    会話をメインに軽快にストーリーは進む。
    シリーズを通して思うのが、里見の話し方がバカっぽく見えて、どうしても好きになれない。

  • 再読。
    龍臥亭事件後、里見と貝繁村を訪れる石岡。
    司法試験に受かった里見。倉敷あたりで働くかも。
    昔、このへんを治めていた森孝の話。若い男と浮気した妻を殺し、男の腕を切り、家に火を放って死んだ。この伝説が村に残っている。
    村の差別。
    行方不明になった真理子を皮切りに、じゃんじゃん血まみれ殺人事件が。

  • 今回の主人公も石岡和己。

    前回の事件から8年ぶりに集まった事件関係者のみんな。
    新メンバーが、日照和尚、斎藤櫂、黒田研一、菊川神主、伊勢光嘉。

    今回は、明治初期の森孝伯爵が起こした殺人事件から話がスタート。
    森孝魔王の伝説(鎧がひとりでに動いて成敗を下す)に話が続く。

    3ヶ月ほど前から行方不明になっている巫女、行き倒れの死体。
    睦雄がかいたという事件を暗示するような絵。
    地震が起こり、厚いセメントの下から現れた巫女の死体。

  • 上下巻読了。感想は下巻で。

  • 冒頭からはじまるおどろおどろしい過去の惨劇。ミステリでも推理小説でもなく、往古の探偵小説の香りが立ちのぼる。横溝正史か島田荘司か。読んでいてわくわくする。場面は変わって現代の同じ龍臥亭近辺。そこで起こる不可解な人間消失事件。そしてバラバラ殺人事件。過去の怨霊の再来か、100年の時を経て復活した鎧武者が悪者に鉄槌を下す。なーんて、これではキャッチコピー書く才能はゼロだな。
    これに先だつ「龍臥亭事件」の内容はほとんど忘れているけれど、それを知らずとも読んで十分楽しめる。ノベルス判上下2冊の長さをまったく感じさせない。あっという間に読める。長くても中だるみしていないのはさすが。なんてことはない登場人物の方言たっぷりの会話がユーモラスで楽しい。二子山と日照のかけあいなんて秀逸だ。こういう細部もうまいなあと感心する。そしてこれが事件解決編にも関係しているところがまたすごい。
    人間消失トリックは意外だったな。ぼくはまた山全体が回転するんだと一瞬思ってしまった。島田荘司ならやりそうだし。最後の犯人と死体復活トリックは読んでいくうちにすぐわかってしまうけれど、これは犯人当てをする物語ではないだろう。人間として命をかけてやらねばならないことがある。そして、悪は滅び、正義は勝つ。いやあ正義派の面目躍如だ。
    下巻に「御手洗潔と吉敷竹史!」とあるので、ついに両雄が相まみえるのかと期待したけれどそれは違った。まあそれほどの大きな謎ではないということか。御手洗は電話で真相を喝破し、吉敷はちらっと現場に現れて同じくたちどころに解答をあたえる。まったく千両役者というか、二人ともかっこよすぎ。
    ところで凡人はひとつ質問。脱衣所の油絵の謎は結局どうなったのだろう...。

  • 御手洗氏と吉敷氏の会合ということでかなり期待してしまったが、まあそこそこだった。

  • 龍臥亭事件から8年後の設定。再び関係者が龍臥亭に集い、新たな事件に巻き込まれる。龍臥亭事件が名作だったので、今回も期待しながら読んでいる。上巻はほとんどが導入部分だが、今のところ期待を裏切られていない。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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