凶宅 (光文社文庫 み 25-2)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334744724

感想・レビュー・書評

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  • 三津田信三『家』三部作の一つ。タイトルのセンスに惹かれ購入。序盤からグイグイ引き込まれる文章と緊迫感にこれぞホラー!と心踊る。怪奇現象含めた心霊系の話なのだが、幽霊云々よりもそれらに取り憑かれた人間の描写が恐怖に拍車を掛ける。時折、少年同士の友情や探偵チックなシーンで恐怖を浄化させてくれるのだが、ラストは一気に謎の解明に向けて読む手を早くさせる。只、結末は少し説明不足な部分が感じられた。最後の一行で本来ゾーッとすると思うのだが最近ホラー不感症になりつつある自分が怖い。

  • 珍しく真面目に間取り描写を読んでたら実家の間取りにかなり似てて嫌w

    このシリーズ二作目のせいか、怪異が始まったらキタキタキター!とテンション上がってしまったし、扇婆の羊羮のくだりなど爆笑ものであった。ハラハラドキドキ面白かったです。

  • 家シリーズ第2弾です。
    家にまつわる怪異と、家族の設定、主人公の子供の設定などは、前作と似ています。
    同じようなプロットで、違う話が展開されます。
    最後の終わり方が不気味です。

  • 最後の1行で★4つ!!
    小学4年生の翔太は父親の転勤で
    東京から奈良の山のある町に引っ越してきた。
    翔太が漠然とした何かよくない事が起きるのを
    胸のドキドキで感じることがある。
    引っ越し先の家を見てここだ!!と強く感じる、
    翔太の胸の厭なドキドキ。

    家にいる不気味な黒い影。
    お山を売った辰巳家の不幸な出来事。
    山にまつわる蛇神様の伝承。
    友達・幸平の住んでるアパートでの怪異。
    そして女の子の日記。

    前作の『禍家』同様、小学生が主人公なので
    前半はタラタラした感じがあったんだけど
    怒涛の後半…
    そして最後の1行。
    これぞホラー小説(i|!゜Д゚i|!)ヒィィィ

  • 珍しく自分より弱い立場の存在が登場。

    同年齢の協力者。イカレた老人。綺麗な隣のおねえさん。
    と、「禍家」とかぶりぎみな登場人物。
    家シリーズのお約束なのだろう。

    とはいえ、思いっきり楽しめた。
    一筋縄ではいかないストーリーを満喫。

  • なんというか、いろいろもったいない…
    この作者の作品は過去何作か読んでいるけれど
    いつも同じ感想を持つ
    書きたいことは分かるのですが…

    主人公の設定にどうも違和感がある
    中学生くらいに年齢を上げた方が自然な気がする
    作者が時々主人公の年齢設定を忘れているんじゃ?と思ったり……
    新聞の新刊広告に目を通すような子なのだから、大人びた小学生だと思えば良いのかもしれませんが、子供向けのリライト本読んでるんだよなあ……
    なんかちぐはぐ…

    ラストは想像はつくけれど、悪くないと思います。

  • 『娯楽』★★★★★ 10
    【詩情】★★★☆☆ 9
    【整合】★★☆☆☆ 6
    『意外』★★★★☆ 8
    「人物」★★★★☆ 4
    「可読」★★★☆☆ 3
    「作家」★★★★★ 5
    【尖鋭】★★★☆☆ 9
    『奥行』★★★★☆ 8
    『印象』★★★★☆ 8

    《総合》70 B-

  • 小学生とその家族が田舎に引っ越したのだけど、そこは神様がいる山を拓いて造成された住宅地。当然ながらみんなひどい目にあって、というお話。

    正直、いろいろ感じた事がありすぎて困っているのですが、まずはひとつめ。すでに呪われてしまったおばあさんやおねえさんの家にいったときのエピソードについて、生理的に嫌悪感を覚えます。その書き方に。書き方ひとつで怖がらせようとするところ。このあたり、恩田陸の「禁じられた楽園」で感じたものと似ているような気がします。

    加えて、前の住人の少女が書いた日記。小さな子どもがこんなにきちんと文書をかけるはずがない。ということを、作家だったり、出版社でこの本に関わった方は、気づかなかったのかな?あまりに違和感がありすぎて嘔吐しそうです。

    いろいろな伏線が回収されずに残されてしまった、というのも、作者の怠慢だと思います。

    なぜ、このような本が世にでてしまったのだろう。それこそがホラーなのかもしれない。

  • 今回も楽しかった。
    珍しく(?)友達と協力するシーンが出てきて、ワクワクドキドキした。

    幸平がいいやつすぎる!
    特に屋敷に侵入して、日記を取りに行くなんて勇敢さぎる。
    なぜか幸平は、クレヨンしんちゃんのまさおくんをワイルドにした感じをイメージして読んでた笑

    怖さはあまり無く、この手の話特有の読み始めが同じような流れはちょっと飽きたけど、幸平との場面が楽しかったので★4。

  •  ホラーとミステリーが混じった作風が特徴だが、今回はミステリー色は薄く、ホラー:ミステリー=9:1といった感じ。
     謎解きもあるが、それは主人公の少年が怪異から逃れるための謎解きであり、一連の現象は恐らく山の怪異が原因であり、そこに人為的要素はない。
     同作家の、家に纏わる、主人公が子供の作品という共通点がある「禍家」は主人公は怪異から完全に逃れられるが、今作では最後の一文で怪異から逃れられていないことが判明する、後味の悪さが残る作品である。
     

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著者プロフィール

三津田信三
奈良県出身。編集者をへて、二〇〇一年『ホラー作家の棲む家』でデビュー。ホラーとミステリを融合させた独特の作風で人気を得る。『水魑の如き沈むもの』で第十回本格ミステリ大賞を受賞。主な作品に『厭魅の如き憑くもの』にはじまる「刀城言耶」シリーズ、『十三の呪』にはじまる「死相学探偵」シリーズ、映画化された『のぞきめ』、戦後まもない北九州の炭鉱を舞台にした『黒面の狐』、これまでにない幽霊屋敷怪談を描く『どこの家にも怖いものはいる』『わざと忌み家を建てて棲む』がある。

「2023年 『そこに無い家に呼ばれる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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