さえずる舌 (光文社文庫 あ 40-4)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334745608

感想・レビュー・書評

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  • 産業カウンセラーでヒーリングスタジオも運営する友部真幌は、自他ともに認める強運の持ち主。彼女のスタジオに新たにスタッフとしてら加わった島岡芽衣は、才色兼備の素晴らしい女性だった。才気溢れる彼女のおかげでスタジオの経営も順調だったはずだが、芽衣の些細な言動によって、人間関係に亀裂が生じーー。

    面白そうだからと明野照葉さんの本をまとめ買いしたが、これまでに読んだ中では本書が一番面白かった。芽衣は酷い女だが哀れでもある。ラスト、誰の中にも悪魔はいるというメッセージ。人間は怖い。

  • 生きてる人間が一番怖いわねぇ。。。

  • 文庫書き下ろし

    つかなくてもよい嘘を重ね、その挙句には。。。。。

    好事魔多し

  • またまた借りた明野照葉。
    序盤から終盤前まではドキドキで先が気になってガツガツ読んだけど、最後はちょっと尻つぼみな感じでした。
    この人は女の怖さを書くのが得意なのね。

    芽衣みたいに人の心を巧く動かしたり勘違いさせたりするのが得意な人いるよね。
    マインドコントロール。うらやましい。

    個人的には心理系の仕事をしてる人って、どんな出来事とかでも職業病的に分析しちゃったりで大変なんだろうなと思いました。

  • 読ませる文章だな、と思った。
    ただ、話のスケールは小さいし帯で謳われてるほど怖くもない。

    ラスト50ページほどの展開が急すぎる。
    折角人物像を丁寧に練り上げてきたんだから、破綻させる時もじっくり読ませて決着する展開にしてほしかった。
    その力量はあるだろうに・・・

  • また、最後のウンチクが鬱陶しい。構成は面白い

  • 多かれ少なかれ、自分の言葉や行動で他人を誘導し、コントロールしようとすることは誰だってしている。それは基本、自分の利益のためだが、退屈しのぎで、というのもわかる。ただそこをデフォルメしすぎて、こんな人はいないだろ…と突っ込みたくなったところが残念。そんな人をモンスターとし、対峙するのが中庸だけど、運がよく、それを十分弁えた主人公っていうのが、現実離れしていて、単なる火サス的な小説になっている。より現実味のある人物像なら、もっとゾクッとなる読後感になったはず。

  • 再読。
    これも知性・美貌を備えカリスマ的な魅力をもつ完璧な女性の話。
    主人公である心理カウンセラー 真幌が完璧な女性 芽衣を雇い入れたことからスタッフ間に歪みが生まれる。
    真幌が自分を守る気持ちを否定するのは理解できないが、充分に面白かった。

    2010.10.5
    面白かった〜
    この作家さんにしばらくハマリそう。

    最後がちょっと尻つぼみかな。
    完璧な女性である芽衣に関しての分析は腹に落ちないし、真幌の自責の念は優等生過ぎ。誰でも自分が可愛いし、保身の気持ちを否定することはないと思う。
    芽衣と沢崎との攻防が中途半端に終わったのは残念。

  • 滅入りますなぁ、これは。

    ものの価値基準にしろ行動基準にしろ、
    善悪の判断っていうのは、
    人によって違うっていうことですよね。

    あくまで社会的な基準や倫理観に即した中での逸脱なら
    問題ないのかとか、
    適応できないのが病気じゃなないなら、
    どう対応するんだとか、
    善人ぶっても結局自分が可愛いのは当たり前なのに、
    何でそこで悩んだり自分を責めたりしなくちゃならんのだとか、
    いろんなことを考えます。

    社会から弾き出されない程度に、
    自分の中でうまく折り合いつけていくしかないってことですかね。

    ☆☆☆3つ

  • ああ、いるいるこういう女性。というのを書かせたら上手いなーやっぱり。
    何を読んでも、ある一定以上の質を持っている作家さんだけど、もう一度読みたい!と思うには、何かが足りない。
    登場人物の中に、もう一度この本に引き寄せるだけの魅力がある登場人物がいないせいなのか・・・。
    好きな作家なんだけど、やっぱり「後、一歩!」

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著者プロフィール

明野照葉

東京都生まれ。一九九八年、「雨女」で第三十七回オール讀物推理小説新人賞を受賞。二〇〇〇年、『輪廻RINKAI』で第七回松本清張賞を受賞、一躍、注目を集める。ホラーやサスペンスタッチの作品を得意とし、女性の心理を描いた独自の作風はファンを魅了してやまない。『汝の名』『骨肉』『聖域』『冷ややかな肌』『廃墟のとき』『禁断』『その妻』『チャコズガーデン』(以上中公文庫)、『女神』『さえずる舌』『愛しいひと』『家族トランプ』『東京ヴィレッジ』『そっと覗いてみてごらん』など著作多数。

「2020年 『新装版 汝の名』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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