アンナ・カレ-ニナ (3) (光文社古典新訳文庫 Aト 3-4)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (600ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751630

感想・レビュー・書評

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  • アンナとドリーの会話シーンの緊張に耐えきれなくて、部屋の中をうろうろしてお水を飲んだ。19世紀の小説がこんなにギリギリと胸を締め付けるなんて。

    始めのうちはリョーヴィンの部がかったるかったのだけれど、今はそれがなければアンナの部が辛すぎて読み続けられないな、と思っている。アンナは自分の意思があるばかりに、余計に社会から制裁を受けている感じがある。なんでアンナばかりが追い詰められなければいけないんだろう。

  • 第3巻はとてもドラマチック。
    軸となるのはリョービンの結婚と兄・ニコライの死、アンナの方はヴロンスキーとの生活の始まりと、セリョージャとの別れと再会。
    これまでどちらかというとか弱い印象であった、キティは、義兄の死に際して強さと、その母性を見せ、「母になる」と印象を与える。
    頑固だったリョービンも柔らかさを見せ、キティとの愛のある生活に浸る。
    冷たい堅物、いかにもな官僚だったカレーニンは迷いと弱さを見せ、宗教に縋りを得る。
    動じず、凛とした美しさをもったアンナも、嫉妬・息子への愛・社交界からの離別などに不安定な姿を見せる。

    どんな日常であろうと、どんな性格であろうと、人は一様でなく、迷い、変わっていき、時に強く、時に崩れていく姿が描かれる。
    背景にあるのはロシアの貴族の生活でも、根底の社会生活、職業上の立場、家庭と親戚づきあい、など、描かれるものが現代日本と変わらない、と思えるほどすごくリアル。
    やっぱり、凄い作品だと思いました。

  • 読書ガイド残して読了

  • (・・・・・・前回からの続き)

    【三冊目】
    1.リョーヴィンとキティ、あわただしい準備期間を経ていざ結婚へ。
    2.アンナとヴロンスキーはイタリアの小さな村に逗留中。画家のミハイロフにアンナの肖像画を描かせる。
    3.リョーヴィン、理想と現実のはざまに落ちこみマリッジ・ブルーになる。
    4.ニコライ兄がいよいよ危篤だとマリアから知らせが届く。リョーヴィンは急いでひとりで駆けつけようとするがキティがどうしても自分も行くという。やつれはてたニコライ兄は最後の気力を振り絞って、枕元のマリアに憎まれ口をたたいている。瀕死の兄になすすべを知らないリョーヴィン。しかしそれをしり目にキティが看護に大活躍。長期間の危篤状態に看護の者たちはみな疲れ果てるが、ついに潮が満ちニコライ兄は息を引き取る。
    5.リディア伯爵夫人がカレーニンに接近する。彼女はセリョージャに、あなたのお母さんは死んだのだと告げる。
    6.アンナ、衝動的にカレーリンの家に侵入してセリョージャを抱きしめる。
    7.精神が不安定なアンナ。ヴロンスキーとの落ち着かない愛の日々を送る。
    8.リョーヴィンが家でシチェルバツキー家の面々と団らん。義理の兄のコズヌィシェフとワイレニカの仲があと一歩のところまで進むが結局不首尾に終わる。リョーヴィンとオブロンスキーとヴェスロフスキーの3人で一泊二日の狩猟旅行へ。おおっぴらにキティを誘惑しようとするヴェスロフスキーに怒って、リョーヴィンは彼を追い出す。
    9.ドリーはリョーヴィンのところを抜け出してアンナのところへ。ドリーはアンナの贅沢な暮らしぶりに驚く。また、アンナがヴロンスキーとのあいだにできた女の子にあまり関心がなさそうなのにとまどう。アンナとカレーリンはまだ離婚が成立していないが、離婚してしまったらアンナとセリョージャの縁が切れてしまうからアンナはこのままでいるのだという。

    【四冊目】
    1.貴族間での選挙のこと。ヴロンスキーにとっては初めての経験だったがひさしぶりに少しの間アンナを忘れられた。
    2.ヴロンスキーは、アンナの離婚が成立していないため自分の娘もカレーニン姓になっていることに我慢がならない。アンナもヴロンスキーの愛情をつなげておくため正式に彼との結婚しておかなければいけないと焦る。そのために、セリョージャを諦めてカレーニンと離婚しようとする。
    3.キティの出産。うろうろ歩き回るだけのリョーヴィンはじゃまでしかたがない。めでたく男の子が生まれるが、リョーヴィンは生まれてきた我が子をちょっと気持ち悪いものと見ている。
    4.経済状態のひっ迫しているオブロンスキーがカレーリンに要職を斡旋してくれと頼みに行く。加えて妹アンナとすっきりと離婚してくれるようお願いする。カレーリンはアンナの窮状を全く理解しようとせず、離婚についてはきっぱり断る。オブロンスキーはカレーリン邸でセリョージャと会うが、セリョージャは母を強く拒否する反応を見せる。
    5.なにもかもうまくいかないアンナと、アンナの欲求不満を一身に浴びるヴロンスキーが衝突。不和は日に日に昂じていく。
    6.アンナの精神が崩壊していく。アンナは、所用で実家に帰ったヴロンスキーを追って汽車に乗るが、支離滅裂な言動はもう見ていられないレベルだ。駅に着くとアンナは死ぬことを思い立ち、走り来る汽車の前の線路に飛び込む。
    7.エピローグ。時間をかけて書き上げたコズヌィシェフの新刊は結局なんの反響もなかった。ヴロンスキーは魂の抜け殻となり、死地を求めてトルコとの戦争に出征していった。オブロンスキーは念願の要職に就けた。キティはあいかわらず明るく強く生きている。無宗教だったリョーヴィンはいろいろ考えるうち、少しは神の光の方を向くようになってきた。……おしまい。

  • アンナさん、生まれてくる時代を間違えた?
    21世紀だったら、この生き方全然ありのような。
    あるいは、それならそれで、もっと破天荒になってんのかな?
    まともな感想は最終巻で。

  • レビューは最終巻に。

  • 選挙のところは余り面白くなかったが,全体としては,相当面白い。やっぱりアンナって勝手な人なのね。

  • 2009.09.29

  •  “自由と束縛。愛ゆえの苦悩。”というキャッチコピーがまさに。時代を、国を、こえていきますね、このテーマは。
     アンナとヴロンスキーもそうですが、個人的にはリョーヴィンとキティの側の方が面白い…。とにかく、ものすごく感情移入できる。人心理描写が絶妙で。これは、今の私だからこそ面白いんだろうな。今の彼と出会う前に読んでも、たぶんこういう感想はなかった。これを、結婚した後で読んだらまたすごく面白いんだろうな…!

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