嵐が丘 上 (光文社古典新訳文庫 Aフ 8-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751999

作品紹介・あらすじ

ヨークシャの荒野に立つ屋敷"嵐が丘"。その主人が連れ帰ったヒースクリフは、屋敷の娘キャサリンに恋をする。しかしキャサリンは隣家の息子と結婚、ヒースクリフは失意のなか失踪する。数年後、彼は莫大な財産を手に戻ってきた。自分を虐げた者への復讐の念に燃えて…。

感想・レビュー・書評

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  • ラジオでケイト・ブッシュのWuthering Heightsがかかってホラー的な歌と知った。それまで苦手な恋愛物と遠ざけた本書を読むことに。だけどこれは‥ホラーでも恋愛でもなくヒステリックな男女が出てくる堕落した名家を語る下女‥私にとって珍味。

    • しずくさん
      今YOU TUVEで聴いてみましたが、こんなんもあるのですね。
      面白いものを挙げて下さるので嬉しいです!
      今YOU TUVEで聴いてみましたが、こんなんもあるのですね。
      面白いものを挙げて下さるので嬉しいです!
      2021/08/14
    • 111108さん
      ラジオから流れた時、昔明石家さんまのやってたTV番組のオープニング曲がこの曲だったと思い出しました。
      いろんなところがつながってる事に気づい...
      ラジオから流れた時、昔明石家さんまのやってたTV番組のオープニング曲がこの曲だったと思い出しました。
      いろんなところがつながってる事に気づいて面白かったです。
      2021/08/14
  • 個人的には、この作品を読んだ直後に出たケイト•ブッシュ「嵐が丘」を初めて聴いた時の印象が忘れられない。
    "It's me, your Cathy. I've come home. I'm so cold. Let me in your window."
    というフレーズは、この作品そのものです。

    …今の人は、「恋のから騒ぎ」のオープニング曲だと思ってるのかもしれませんけど…

  • 音楽には北国と南国で気候の与える影響があるし、特徴があると感じてたけど、文学にもあるねと思うほど、『嵐が丘』は気候の厳しい土地の小説だなと感じる。厳しい気候が擬人化してるのかと思うほどみな激情かつ陰湿…こんなに言葉ひとつひとつに恨みつらみや呪詛を盛り込んで発することができるエネルギーはどこから…生きる力がすごい…と思いつつ読んだ。

    • 白いヤギと黒いヤギさん
      同感です。
      姉のCブロンテの書いた「ジェイン•エア」も気候と風土が影響を与えていると感じます。でも、この二人、作品を書くまでの生活経験が微妙...
      同感です。
      姉のCブロンテの書いた「ジェイン•エア」も気候と風土が影響を与えていると感じます。でも、この二人、作品を書くまでの生活経験が微妙に違うんですよね。その辺の事情も勘案しながら読むと、更に深みがあると思います。
      2022/06/01
  • 嵐が丘に行ってふたつの屋敷を行き来してみたい
    でも実際にそうしなくても、想像の中で何度もそうできた
    ドロドロしてもよさそうだし実際ドロドロしてるのだろうけど、嵐が丘の爽やかさと主人公ふたりの情熱的ではあるもののピュアな精神がそう感じさせない
    愛憎劇という言葉がなぜかピンとこないのは多分そのせい

  • モームの世界十大小説に数えられる英国の古典。荒野に立つ屋敷 <嵐が丘>に関わる人々の狂気をはらむ愛憎劇。

    なんちゅう話やねんコレ……と思いつつ、いつの間にか目が離せなくなっている。不思議な魅力を感じる小説だ。舞台となる<嵐が丘>という屋敷には、二つの家系を中心に奇人・変人ばかりが集まり、それぞれ言動がやたらに粗暴。なんだこいつら……しかし引き込まれるのだ。これには語り手となる女中の常識人的な視点が、読者と世界観の乖離を防いでいるのも大きいと思う。

    キャサリンがネリーに漏らす本音には、スピリチュアル性を感じさせるほどのすさまじい愛情がある。しかし身分や財産といった社会的な現実が悲劇の引き金となり、そこから始まる愛憎劇は昼ドラ的な連続感があって一気に読めた。ヒースクリフの化け物的な存在感はある種のアンチヒーローともいえるだろうか。不気味だが強いエネルギーを感じる作品。

    • 白いヤギと黒いヤギさん
      同感です。
      私は「ハリー・ポッター」シリーズ全巻を読んだ後、この物語がやたらと思い出されて、この新訳文庫で再読しました。
      結果として気付いた...
      同感です。
      私は「ハリー・ポッター」シリーズ全巻を読んだ後、この物語がやたらと思い出されて、この新訳文庫で再読しました。
      結果として気付いたのは、「ハリー・ポッター」の作者JKローリングは、イギリスの女性小説家の系譜にいる人なんだ、という事でした。
      2022/06/01
    • 一条浩司(ダギナ)さん
      白いヤギと黒いヤギさん、コメントありがとうございます。
      「ハリー・ポッター」は4巻までしか読んでいなくて自分は気づかなかったのですが、そう...
      白いヤギと黒いヤギさん、コメントありがとうございます。
      「ハリー・ポッター」は4巻までしか読んでいなくて自分は気づかなかったのですが、そうなのですね。言われてみれば、なるほど……とも思います。他のイギリス女性小説家にも関心がわきました。
      2022/06/01
    • 白いヤギと黒いヤギさん
      ありがとうございます。
      「不気味だが強いエネルギーを感じる作品」
      私もそう思います。
      ありがとうございます。
      「不気味だが強いエネルギーを感じる作品」
      私もそう思います。
      2022/06/02
  • 文学史上に残る世界的な傑作……とされているが、個人的にはそこまで評価したいとは思わなかった。理解が難しいこともあるが、そもそも内容が暗すぎるのである。とくにヒースクリフは、いまでいう「サイコパス」としか思えない。屋敷を2つとも手中に収め、両家の家族をバラバラにしてしまうその様は、人こそ殺してはいないが、「北九州一家監禁殺人事件」「尼崎連続殺人事件」を想起させられた。むろん、内容が暗いからといって文学として質が低いということはないし、実際このような物語を着想することはすばらしいと思うが、とはいえやはり1人の読者として、積極的に評価したい気持にはなれなかった。最終的にキャシーとヘアトンが結ばれたことはよかったが、キャシーもまたさんざん悪態をついていたので、すなおに喜ぶ気にはなれない。とにかく登場人物の誰もが「イヤなヤツ」で、誰にも感情移入ができないのである。そういうなかで延延と恋愛要素を描かれてもしらけてしまう。作品の舞台同様に、まさに荒れ果てた大地のような小説である。

    • 白いヤギと黒いヤギさん
      同感です。
      私は小学生の時にこの作品の映画を先に見てしまいました。恐ろしいのなんの。夜、眠れなかったのは言うまでもありません。
      小説をきちん...
      同感です。
      私は小学生の時にこの作品の映画を先に見てしまいました。恐ろしいのなんの。夜、眠れなかったのは言うまでもありません。
      小説をきちんと読んだのは高校生の時ですが、それ以降、何故だか知らないけど何回も読んでます。不思議と人を惹きつける所があるんでしょうね。
      2022/06/01
  • 2021.03.26
    はじめは読みきれないかもしれないと思いながら進めていたがいつの間にか入り込んでしまっていた

  • 海外文学は敷居が高いように感じていたのですが、手始めに母が少女時代に読んでいたというこの作品を手に取ってみた。
    アーンション家一族、気性が荒すぎて恐怖さえ抱きます。狂気じみてる。下巻が楽しみです。

  • 初めてのブロンテ、と言うより元々海外の小説はあまり読まないので、こんな有名な3姉妹作家と作品それ自体の存在を知らなかった…。何人かの友人はこのウェブ本棚を見てくれているので、幾人かが失笑している顔が思い浮かびますw。

    まだ下巻を残しているが、この小説は間違いなく当たり。血縁、愛憎を用いて地獄絵図を描くというのはベタベタな手法だし、ヒースクリフは「よくもまぁここまで…」というほどの極悪人なのだが、何故か「カッコイイ」のだ(そしてヒンドリーはカッコ悪いのだ)。ヒースクリフみたいなタイプを彼氏や結婚相手には絶対にしないだろうが、女性の読者にとっても魅力的なのはヒースクリフではないだろうか?(あくまで小説の中の登場人物だから言えること)
    TPOを弁えて時には紳士的な対応も出来る、色気のある美悪人、遊び相手としてはモテるだろう…笑。「嵐が丘」は日本でも舞台化されたりしたらしいが、多分、相当な美男子がヒースクリフ役をもらったのではないか?
    子供の頃に読んでいたマンガ「幽遊白書」の定期的なキャラクター人気投票では何故か毎回、主人公の浦飯幽助よりも準主役の「飛影」が一位だったような気がする。ヒースクリフと飛影はイメージが結構被る。

    肩に力が入り過ぎて一緒に居て疲れる、堅物な生真面目、暑苦しい人…同じ男性として、こういう人は嫌い。でもチャラい男も嫌い。要は、バランスなのだろう
    (尊敬する福田恒存「生真面目なものを憎む」云々、やはり個人的にも「非」真面目が一番好き。また、創造は「非」真面目さがないと出来ないとさえ思う。勿論「不」真面目はバツ、論外)

    こうして登場人物について熱く語ってしまっている時点で、この小説が魅力的な裏付けなのだろう。

    最後に…
    光文社文庫の訳がここまで読み易いとは!目から鱗。以前から、カバーの雰囲気や書店でザッとめくってみた感覚で「読みやすそうな訳だなぁ」とは思っていた。注釈を出来るだけ排除した、読者の事を気遣った訳である事がよくわかる。何より注釈が多過ぎると、読書において決定的に大事(だと私が考えている)なリズムが生まれない。「失われた時を求めて」も「悪霊」も、光文社で読もうっとw
    日本人作家に関して言えば、Sn潮社文庫ほど確たる地位と威厳のある文庫もないだろう。しかし海外作家の訳は、私なんかが読むには格調が高過ぎて学術的過ぎる。←悪口ではなく、レベルが高過ぎてついていけないという意図です。

  • 激情。野蛮なまでに人を愛すること。地位や裕福さが幸せにつながらない不条理さ。憎い、でも愛しいあなた。あなたは私そのもの。

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