- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334752194
感想・レビュー・書評
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少年少女の初めての性の前後における心身の繊細な描写と避暑地の風景。
大人は影。少年に初めての性を教える年上の女性も影。
少年と少女にもだんだんと影が差していく。
そしてまだ残る童心の輝きや色彩豊かな風景と、迫り来る影とのコントラストの中に切なさ、甘酸っぱさがあるんだろうな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
純粋に愛し合うがゆえに関係が変わってしまうことを恐れ危ういバランスの上にたっている少年少女と年上の女性。今読むとかなりありがちなストーリーだが、解説を読むと1922年のフランスの小説としては画期的な内容だった模様。
しかし、思春期まっただ中の少年少女の揺れ動く繊細な情感を瑞々しく描いていて、心理描写と密接な関係を持っている随所に挟まれる植物、風景の描写も凡百の似たような小説とは一線を画すかと思われました。
でも個人的にものすごく苦手なタイプの小説です・・・。 -
コレットの名作を、新訳で読み返した。
幼馴染がどんどんと少女から女へ変わっていき、子供でもない大人でもない状態の複雑な心境を、ひと夏の出来事と共に綴る。
隣にいた女の子が嫉妬に狂い、女へと変貌する。
あぁ。女の娘って男より怖くて大人だなぁ。 -
鹿島茂さんの解説を読んでから本文を読むべきなのでしょうか?
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文体が詩的。同じフランス文学なら肉体の悪魔の方が面白かったかな。
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あまり期待していなかったが、意外と面白かった。幼なじみの15歳の少女と16歳の少年がお互いを意識し始めた。そこに年上の若い女性が現れた。よくありそうなテーマです。各々の心の動きがうまく描かれていました。
また、解説の第一次世界大戦前のフランスにおける恋のパターンがフランス文学を読むのに参考になりました。6パターン分けされていました。ぜひご一読を。